第1106話 2015/12/13

『壬申大乱』に古田先生のサイン

 来年1月17日の古田先生の追悼講演会で、わたしは古田先生の学問業績について解説することになっています。そのとき使用するプロジェクター映写に使用する先生の著作の写真撮影を行いました。限られた短時間での発表ですから、学問的に特に重要な著作を選んだのですが、いずれも重要な先生の多くの著作群から抜粋する作業は大変でした。
 その一冊に『壬申大乱』(東洋書林、2001年。後にミネルヴァ書房から復刻)を選んだのですが、そこに先生のサインがあることに気づきました。次のようなサインです。

 「三十周年の日に
      東京 朝日ホールにて
  古賀達也 様
   若々しく充実したお志と
   お力によって 求めつづけます。
   二〇〇一、 十月八日  古田武彦」

 このサインを、古田先生の『「邪馬台国」はなかった』発刊30周年記念講演会のときにいただいたことを思い出しました。東京古田会・多元的古代研究会・古田史学の会の三団体の主催で東京の朝日ホールで行われた記念行事ですが、このときわたしは「古田史学の過去・現在・未来」という演題で古田先生のご略歴や学問業績について講演しました。当初、「古田史学を学ぶ覚悟」という演題を申し入れていたのですが、実行委員会の事務局をされていた東京古田会の高木事務局長(故人)から、刺激的すぎるので演題を変更してほしいといわれました。わたしとしてはその理由がわからず納得できなかったのですが、何か事情があるのだろうと演題の変更に応じました。ただし、講演内容は変更せず、古田学派の研究者に対して「古田史学を学ぶ覚悟」を訴えました。
 おそらく来年の追悼講演会でも「古田先生亡き後の古田史学を学ぶ覚悟」を訴えることでしょう。

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