第1823話 2019/01/12

難波宮整地層出土「須恵器坏B」の真相(1)

 今朝は博多へ向かう新幹線車中で書いています。帰省を兼ねて、明日開催される「九州古代史の会」の新年例会と懇親会に参加する予定です。

 学問研究は一直線には進まず、右往左往・二転三転することが常です。ですから、自説が絶対に正しいなどとは思わず、自説に欠点や弱点はないだろうか、自説に最も不利な事実は何だろうか、もっと有力な他の説が成立する余地はないのか、などと用心する謙虚な姿勢が大切です。しかし残念ながら自説は正しいと思いこんでいますから、なかなかこうした弱点や欠点を自ら見つけることができないのが普通です。したがって論文発表の前に研究会などで口頭発表し、批判や意見を仰ぐことが重要となります。
 そうした場に恵まれず、一人で研究を続けるのは難しいものです。最初に間違ってしまうと、注意してくれる研究者が近くにいないので、その後はどんどん大きく間違ってしまい、他者から指摘されても今更後にも退けず、〝ドツボ〟にはまります。そのような研究者をわたしは何人も見てきましたから、自らがそうならないよう、遠慮なく辛辣に批判してくれる研究者が集う「古田史学の会・関西例会」には感謝しています。
 そんなわけで、新年早々に二転三転したテーマについてご紹介します。それは前期難波宮整地層から出土した「須恵器坏B」の編年についてです。昨年、「洛中洛外日記」で連載したテーマですが、大展開(転回)してしまいました。(つづく)

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