第1884話 2019/05/05

GWは考古資料館と落語会

 令和最初のゴールデンウィーク、世間では十連休などと騒がれていますが、わたしの勤務先はこの金土日の三日間だけで、明日六日から出勤です。ブラック企業のようなプチGWでした。化学会社なので化学反応などのため連続稼働が必要ですので、このような休日となりました。さすがに5月1日の新天皇即位の日だけは年休を取得し、京都御所の建礼門前で新天皇のご長寿を祈りました。御所の近くに住んでいると、こういうときは便利です。
 昨日は京都市考古資料館(上京区)で開催されていた特別展示「京都の飛鳥・白鳳寺院 -平安京遷都以前の北山背-」を見学した後、午後からは上七軒歌舞練場での上七軒落語会「南光 米團治 吉弥三人会」に妻と行ってきました。早めに到着して、桂米團治さんの楽屋を訪問、ご挨拶しました。
 米團治さんとは不思議なご縁で、古田先生と二人でKBS京都放送のラジオ番組「本日、米團治日和。」に出演させていただいたことがあります。番組収録は2015年8月27日でしたが、その二ヶ月後の10月14日に古田先生が急逝され、同番組出演が先生最後の公の場となりました。それ以後も、なにかと米團治さんにはお気遣いいただいています。古田先生追悼特集の『古田武彦は死なず』(古田史学の会編、明石書店)にも米團治さんの弔辞を掲載させていただきました。
 落語会の冒頭には上七軒の舞妓さんらによる踊り「三番叟(さんばそう)」が披露され、振り袖姿も艶やかな舞が落語会に花を添えました。上七軒は京都最古の花街といわれ、外国人観光客でごった返す祇園とは異なり、落ち着いた京都らしい風情が感じられるところです。踊りのあとに南光さん米團治さん吉弥さんによる掛け合い漫才のようなご挨拶があり、一気に場が和みました。さらに舞台上でお三人と舞妓さんらによる珍しい「お茶屋の遊び」がご披露されました。そして米朝一門による落語が続き、その芸の見事さに驚くとともに愉快な演目に大笑いしました。
 古田先生の奥様が桂米朝さんのファンだったこともあり、先のトーク番組の出演も「米朝さんの息子さんの番組ならお受けします」と古田先生の快諾が得られたのでした。そうしたこともあって、米團治さんと会うたびに古田先生や奥様のことを昨日のことのように思い出します。
 御前中に訪問した京都市考古資料館では貴重な知見を得ることができました。それまでは京都市の古代史は平安京のイメージが強く、それほど関心を持っていませんでしたが、実は大違いでした。もしかすると山背国と九州王朝との関係は案外深いのではないかと思いました。このときの発見については別途「洛中洛外日記」でもご紹介する予定です。

フォローする