第3010話 2023/05/07

津軽での一夕、三十年ぶりの邂逅

 昨日、弘前市に到着。三十年ぶりの津軽です。「秋田孝季集史研究会」会長、竹田侑子さんらの歓待を受けました。今回の調査日程の説明を受けた後、夜九時過ぎまで和田家文書についての質問攻めと、地酒・郷土料理による接待攻勢が続きました。なかでも、市会議員選挙(4月23日投開票)を終えたばかりの同会副会長・石岡ちづこさん(弘前市議・無所属)からの本質を突いた質問により、一気に場が盛り上がりました。東日流外三郡誌の重要性を理解し、支持される地元有力者が少なからずおられることに、わたしも気を強くしました。

 今日は朝から和田家文書調査を行いました。竹田さん親子のご協力を得て、主に未見の「東日流外三郡誌」の筆跡と紙の精査を行い、下記の分別(基礎的史料批判)を実施しました。その他の多くは三十年ぶりに目にした文書群で、懐かしさを覚えました。引き続き、調査を実施します。

【和田家文書群の分類(試案)】
(α群)和田末吉書写を中心とする明治写本群。主に「東日流外三郡誌」が相当する。紙は明治の末頃に流行した機械梳き和紙が主流。

(β群)主に末吉の長男、長作による大正・昭和(戦前)写本群。大福帳などの裏紙再利用が多い。

(γ群)戦後作成の模写本(戦後レプリカ)。筆跡調査の結果、書写者は複数。紙は戦後のもの。厚めの紙が多く使用されており、古色処理が施されているものもある。展示会用として外部に流出したものによく見られる。

参考 令和5年(2023)2月18日  古田史学会関西例会

和田家文書調査の思い出 — 古田先生との津軽行脚古賀達也

参考 2023年5月20日 古田史学会 関西例会

東日流外三郡誌の考古学
— 「和田家文書」令和の再調査 古賀達也

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