第3050話 2023/06/23

「赤淵大明神縁起」所蔵文書館の紹介

本日の「多元の会」リモート研究会では、服部静尚さんによる『赤淵神社縁起』の解説がありました。同縁起は兵庫県朝来市にある赤淵神社所蔵のもので、九州年号の常色や朱雀などが記されており、注目されています。同研究会に参加した関東の研究者の皆さんも感心を示されたようで、『赤淵神社縁起』に関する拙稿についても紹介させていただきました。本稿末尾に同じく正木裕さんの関連論文と拙稿の表題などを付記しましたので、「古田史学の会」ホームページ「新古代学の扉」などで閲覧いただければ幸いです。また、ご質問頂いた、常色年間(647~651)頃の九州王朝(倭国)と蝦夷国との関係については、正木裕さんの論稿「『書紀』「天武紀」の蝦夷記事について」(注①)に詳述されていますので、ご参照下さい。
なお、赤淵神社蔵『赤淵神社縁起』とほぼ同内容の『赤淵大明神縁起』(注②)が福井県文書館松平文庫にあり、申請すれば閲覧が可能です。こちらは公立の施設ですから、どなたでも利用でき、研究に便利です。

(注)
①正木 裕「『書紀』「天武紀」の蝦夷記事について」『古田史学会報』113号、2012年。
②朝倉義景が永禄三年(1560)に心月寺(福井市)の才応総芸に命じて作らせたとされる。内容は『赤淵神社縁起』に酷似している。

【赤淵神社関連論稿(古田史学の会)】

古賀達也の洛中洛外日記「赤淵神社」カテゴリー一括表示
○古賀達也「洛中洛外日記」604話(2013/10/03)〝赤渕神社縁起の「常色元年」〟
○同606話(2013/10/06)〝「日下部氏系図」の表米宿禰と九州年号〟
○同607話(2013/10/12)〝実見、『赤渕神社縁起』(活字本)〟
○同608話(2013/10/13)〝『多遅摩国造日下部宿禰家譜』の表米宿禰〟
○同610話(2013/10/17)〝表米宿禰「常色元年戦闘」伝承の謎〟
○同611話(2013/10/18)〝表米宿禰「常色元年戦闘」伝承の真相〟
○同613話(2013/10/20)〝表米宿禰「常色元年戦闘」伝承の「鬼」〟
○同614話(2013/10/22)〝『赤渕神社縁起』の「常色の宗教改革」〟
○同615話(2013/10/24)〝日本海側の「悪王子」「鬼」伝承〟
○同618話(2013/11/04)〝『赤渕神社縁起』の九州年号〟
○同690話(2014/04/06)〝朝来市「赤淵神社」へのドライブ〟
○同719話(2014/06/02)〝因幡国宇倍神社と「常色の宗教改革」〟
○同1093話(2015/11/14)〝永禄三年(1560)成立『赤淵大明神縁起』〟
○同1095話(2015/11/21)〝関西例会で赤淵神社文書調査報告〟
○同1097話(2015/11/27)〝『赤淵大明神縁起』の史料状況〟
○同2949話(2023/02/20)〝甲斐国造の日下部氏と九州王朝〟
○古賀達也「『赤渕神社縁起』の史料批判」『古代に真実を求めて』17集、明石書店、2014年。
○同「赤渕神社縁起の表米宿禰伝承」『倭国古伝』(『古代に真実を求めて』22集)明石書店、2019年。
○正木 裕「九州王朝の天子の系列(下改め3)『赤渕神社縁起』と伊勢王の事績」『古田史学会報』166号、2022年。

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