第3206話 2024/01/24

好評! 本出ますみさんの新春講演

 わが国を代表するウールクラッサー(羊毛鑑定士)の本出ますみさんを講師に招いて、キャンパスプラザ京都で開催した新春古代史講演会は五十余名の参加があり、盛況でした。講師の本出さんが持ち込まれた羊毛フェルトや花氈(かせん)も大好評でした。本出さんのファンで古代史講演会は初めての方も多く、そのため、わたしの講演では初心者向けの解説を加え、内容も一部変更しました。参加された「古田史学の会」会員の小島さん(宝塚市)からもメッセージが届きましたので、その応答をご紹介します。

 【以下転載】
小島様
新春講演会にお越しいただき、ありがとうございました。古代史の講演を聞くのは初めてという参加者が多かったようですので、初心者向けの話から始めました。会員の方には面白くなかったかもしれず、申し訳ございませんでした。(古賀達也)

 古賀様
メールをありがとうございました。羊、ウール、フエルトの話は大変面白かったです。ウールと羊毛は同じと思っていましたが、直毛?がありその下にウールがある(鳥に例えるなら羽とダウン)とか、カシミアはフエルトにはならないとか、世界各地に羊の固有種がいるのに、日本にはいないことなど初めてのことなので驚きもありました。見ることの難しい正倉院内部の写真とかも初見でした。

 また発掘の話ですが、神域を掘るのは難しそうで大変でしょうが、早く掘れる機会が訪れればと思います。基本的な話は自分の地固めになりますので、自分には結構よかったと思っています。初心をよく忘れますので。
【転載おわり】

 本出さんとは現役時代からのお付き合いで、わたしがウールやポリアミド用染料の開発・マーケティングを担当していたことが御縁となり、知り合いました。そのおり、本出さんが正倉院調査に参加されていたことを知り、その内容を「古田史学の会」で講演してほしいと、五年前ほどからお願いしてきました。調査内容の公表には正倉院を管理する宮内庁の了承が必要とのことで、この度ようやく講演していただくことができました。当初、講演の写真撮影・ネット配信はNGとのことでしたが、宮内庁の承認を得ていただき、写真撮影がOKとなりました。

 聞けば、本出さんの叔父様が正倉院の所長だったとのことで、正倉院を護るために正倉院近くの官舎で暮らし、緊急時に備え、正倉院展などで国宝や文化財を倉から出すときは、その一週間前から禊ぎをして臨まれたそうです。こうした人々に護られて、正倉院は今日まで遺ったことを知り、感動しました。本出さんには講演会後の懇親会にも参加していただき、歓談が続きました。あらためて感謝いたします。

 本出さんとわたしの講演テーマは次の通りでした。
〔第一講演〕本出ますみさん 正倉院花氈の素材の定説がくつがえる ―それはカシミヤではなくウールだった―

https://www.youtube.com/watch?v=GoR9DbWtGHY&t=4s

〔第二講演〕古賀達也 吉野ヶ里出土石棺と卑弥呼の墓 ―国内史料に見える卑弥呼伝承―

https://www.youtube.com/watch?v=FfvudMFs6bs

2024.02.05 YouTube講演を作成しました。
竹村氏が、本出ますみ氏に講演を公開することに了解を得ました。
古田史学会インターネット事務局が,講演記録を一本化し、サムネイルとチャプターを設置しました。

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