第3221話 2024/02/09

実在した『東日流外三郡誌』の

   編者「和田長三郎吉次」

東京古田会主催の和田家文書研究会(3月9日)で研究発表させていただくこととなりました。テーマは「東日流外三郡誌の編者 ―秋田孝季と和田長三郎吉次の痕跡を求めて―」です。

和田家文書偽作説の根拠の一つに、東日流外三郡誌の編者、秋田孝季や和田長三郎吉次という人物はいなかったというものがありました。いなかった証明などできないはずと思うのですが(俗に言う「悪魔の証明」の類)、それは〝和田家文書以外の史料にそのような人物名はない〟というヘンテコな〝論法〟でした。そもそも偽作論者が和田家文書以外の全ての史料の悉皆調査をしたなどとは聞いたこともなく、なぜそのようなことまで言えるのか、学問的にも到底理解しがたいものでした。

おそらく、このような偽作論者の思考パターンは、「戦後実証史学」がもたらす悪しき影響によるものと思いますが、こうした偽作説への反証として、わたしはエビデンスに基づく実証的な検証も試みてきました。例えば、江戸期の文化文政年間(1804~1830年)の史料に由来する、和田長三郎吉次の痕跡を見いだしました。その研究成果と今後の調査テーマについて、来る3月9日の和田家文書研究会にてリモート発表します。それは、わたし一人による調査研究成果ではなく、古田先生や青森の秋田孝季集史研究会の皆さん、各地の「古田史学の会」会員の方々のご協力に支えられたものです。そうした皆さんへの感謝を込めて発表します。

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