第2238話 2020/08/22

天智天皇を祀る神社の分布

 近江朝や天智天皇について知見と研究を深めています。『近江神宮 天智天皇と大津京』(新人物往来社、平成三年)に興味深い記事がいくつもありましたので、その中から天智天皇を祀る神社の分布についての記事を紹介します。
 近藤喜博さんの「天智天皇に対する賛仰とその奉祀神社」に天智天皇を祭神とする神社を「管見の及ぶ限り」として、次の様に紹介されています。

○県社 村山神社(愛媛県宇摩郡津根村)
○郷社 鉾八幡神社(香川県三豊郡財田村)
○郷社 恵蘇八幡宮(福岡県朝倉郡朝倉村)
○郷社 山宮神社(鹿児島県曽於郡志布志町)
○村社 山宮神社(鹿児島県曽於郡志布志町田之浦)
○村社 石座神社(滋賀県滋賀郡膳所町大字錦)
○村社 皇小津神社(滋賀県野洲郡河西村)
○村社 早鈴神社(鹿児島県姶良郡隼人町)
○無格社 葛城神社(鹿児島県日置郡西市来村)
○無格社 新宮神社(鹿児島県伊佐郡羽目村)※「伝天智天皇」と称する。
○無格社 山口神社(鹿児島県曽於郡末吉町南之郷)
○無格社 多羅神社(鹿児島県揖宿郡揖宿村)

 これらを県別に見ますと、次の様な分布数になります、

□滋賀県  2社
□香川県  1社
□愛媛県  1社
□福岡県  1社
□鹿児島県 7社

 近江朝廷があった滋賀県の2社は当然としても、鹿児島県の7社は異様な数です。これは鹿児島県や宮崎県に伝承されている「大宮姫」伝説に関わる神社が多いことが原因です。(つづく)

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