馬と塩
本日の久留米大学公開講座で正木裕さんとわたしが九州王朝の「聖徳太子」について講演しました。おかげさまで今回も盛況でした。また、質疑応答で出された参加者からのご質問はとても鋭く本質をついたものが多く、古代史ファンの学問的レベルや問題意識が高いことを感じさせられました。
『隋書』「イ妥国伝」に200騎の騎馬隊が隋使を迎えた記事があることから、わたしが九州王朝では馬の飼育に必要な広大な牧場や騎馬軍団を維持するシステムを有していたと解説しました。これに対して、菊池市の吉田さん(古田史学の会・会員)から、馬の飼育には多量の塩が必要であり、製塩土器などが出土している地域こそイ妥国の領域であるとのご意見が寄せられ、確かに塩の供給体制は騎馬軍団維持に必要不可欠であることを認識することができました。
古代国家と塩・製塩の関係を重視した研究が必要と痛感しました。講演会後は現地の会員や久留米大学の福山先生等と懇親会を行い、夜遅くまで歓談が続きました。