副題「近畿天皇家以前の古代史」
『「九州年号」の研究』第3校の校正もようやく終わり、現在は表紙レイアウトや帯の内容作成に入っています。順調に行けば年内発刊となりますが、全国の書店に並ぶのは年明けになるかもしれません。編集や刊行に向けてずっと支えていただいたミネルヴァ書房の田引さんに感謝しています。
表紙のレイアウトも送られてきましたが、わたしは大変気に入っています。「元壬子年」木簡や『二中歴』などがデザインとして用いられており、本の内容ともうまくマッチしています。皆さんにもきっと気に入っていただけるのではないでしょうか。
『「九州年号」の研究』の校正を終えて、最初に思ったことは、10年後には続編を必ず出そうということでした。同書編集中にも優れた論考が発表されたことや、水野さんの指摘にあった「なぜ『二中歴』が九州年号史料として優れているのか」という説明などが未収録となったからです。
具体的には、正木さんの「法興」「聖徳」「始哭」に関する考察、「洛中洛外日記」に連載した「九州年号の史料批判」などを続編に掲載したいと思っています。発行前に気の早いことではありますが、これからの10年間、さらに九州年号研究を進めたいと決意も新たにしています。そして、この本の読者から九州年号研究者が誕生することを期待しています。
なお、ミネルヴァ書房からは「二倍年歴の研究」の上梓もお勧めいただいており、こちらも少しずつでも取り組み始めなければと、自分に言い聞かせているところです。