『太平記』の藤原千方伝説
今日は午後からお天気になりましたので、近くの相国寺さんを散策しました。法堂の真っ白な漆喰と真っ赤に紅葉した木々がとてもきれいでした。
「洛中洛外日記」793話の「佐藤優『いま生きる「資本論」』を読む」で、16世紀に日本に布教に来た宣教師たちがマカオで印刷された日本語版『太平記』を読んで日本語を勉強していたことを紹介し、わたしも『太平記』を読んでみたくなったと書きました。そうしたら水野代表 が『太平記』を関西例会に持参され、貸していただきました。大正六年発行のかなり年期の入った『太平記』(有朋堂書店)上下2冊本で、「有朋堂文庫(非売 品)」とあります。
面白そうな所から拾い読みしていますが、巻第十六の「日本朝敵事」に不思議な記事がありました。天智天皇の時代に藤原千方(ふじわらのちかた)という者 が四鬼(金鬼・風鬼・水鬼・隠形鬼)を従えて伊賀と伊勢で反乱を起こしたという伝説です。朝廷から派遣された紀朝雄(きのともお)により鎮圧されますが、 天智の頃ですから九州王朝の時代です。『日本書紀』などには記されていませんので、史実かどうか判断できませんが、九州王朝説により解明できないものかと思案中です。なお、「天智天皇」を「桓武天皇」とする写本もあるようですが、実見していません。
伊賀地方では今でも藤原千方に関する旧跡が残っているとのことで、当地では有名な伝説のようです。『太平記』にはこの他にも面白そうな記事があり、少しずつでも読み進めようと思います。以上、今回は軽い内容の「洛中洛外日記」でした。