2017年11月18日一覧

第1541話 2017/11/18

倭人伝「周旋五千餘里」大論争

 本日、「古田史学の会」関西例会がドーンセンターで開催されました。12月、来年1月もドーンセンターです。2月は福島区民センターで、関西例会としては初めて使用する会場です。お間違えなきよう。
 今回は倭人伝の「周旋五千餘里」について大論争となりました。「周旋五千餘里」を狗邪韓国から侏儒国までの陸地行程の合計とする野田説に対して、藤田さんは、「周旋」には「端から端までという意味はない」と批判され、「五千餘里」は倭国内陸地行程の合計ではなく、別の情報に基づくものとされました。正木さんは、狗邪韓国から邪馬壹国までの部分里程の合計とする従来の理解が妥当であるとされました。この三説に対して参加者から賛否の意見が出され、大論争となったものです。もちろん結論は出ませんが、初めて関西例会に参加された方からは、これほどの論争がなされるとは思わなかったとの驚きの声も聞かれました。この「周旋五千餘里」論争はまだまだ続きそうです。
 11月例会の発表は次の通りでした。このところ参加者が増加していますので、発表者はレジュメを40部作成してくださるようお願いいたします。また、発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレスへ)か電話で発表申請を行ってください。

〔11月度関西例会の内容〕
①藤原不比等による歴史改ざん説の修正と補足(茨木市・満田正賢)
②近畿は「住吉神社」を設置した時点から九州王朝の治世下にあった(奈良市・原幸子)
③十七条憲法についての追加考察(八尾市・服部静尚)
④七〇一年以降の「倭」史料について(神戸市・谷本茂)
⑤出野正氏の所説への疑問と批評(神戸市・谷本茂)
⑥三国志の「接」の用法(姫路市・野田利郎)
⑦「周旋五千餘里」を考える(宝塚市・藤田敦)
⑧フィロロギーと古田史学【その6】(吹田市・茂山憲史)
⑨「周旋五千餘里」従来の理解(川西市・正木裕)
⑩栄山江流域における前方後円墳の出現過程(川西市・正木裕)

○正木事務局長報告(川西市・正木裕)
 水野顧問の病状報告・例会初参加者のご挨拶・大津市歴史博物館企画展(大津の都と白鳳寺院)のご案内・狭山池博物館特別展(蓮華の花咲く風景 仏教伝来期の河内と大和)のご案内・兵庫県立博物館特別展(青銅の鐸と武器 弥生時代の交流)のご案内・『失われた倭国年号《大和朝廷以前》』出版記念松本市講演会(11/14)の報告(邪馬壹国研究会・松本と共催)・新入会員報告・会費入金状況・「古田史学の会」関西例会の会場、12月、1月(ドーンセンター)、2月(福島区民センター)・1/21「古田史学の会」新春講演会(i-siteなんば)・『古代に真実を求めて』21集の編集状況・筑前町から弥生時代の硯発見の報告・「誰も知らなかった古代史」(森ノ宮)の報告と案内(11/24「大宰府に来ていたペルシャの姫」正木裕さん)・その他