『古田史学会報』150号のご案内
『古田史学会報』150号が発行されました。冒頭の服部論稿を筆頭に谷本稿など注目すべき仮説が掲載されています。
服部さんは、太宰府条坊都市の規模が平城京などの律令官僚九千人以上とその家族が居住できる首都レベルであることを明らかにされ、太宰府が首都であった証拠とされました。この論理性は骨太でシンプルであり強固なものです。管見では古田学派による太宰府都城研究において五指に入る優れた論稿と思います。
谷本さんの論稿は、『後漢書』に見える「倭国之極南界也」の古田説に対する疑義を提起されたもので、これからの論議が期待されます。わたしは「『論語』二倍年暦説の史料根拠」と「〈年頭のご挨拶に代えて〉二〇一九年の読書」の二編を発表しました。後者は古田先生の学問の方法にもかかわるソクラテス・プラトンの学問についての考察です。これもご批判をいただければ幸いです。
今号に掲載された論稿は次の通りです。
『古田史学会報』150号の内容
○太宰府条坊の存在はそこが都だったことを証明する 八尾市 服部静尚
○『後漢書』「倭国之極南界也」の再検討 神戸市 谷本 茂
○『論語』二倍年暦説の史料根拠 京都市 古賀達也
○新・万葉の覚醒(Ⅱ)
-万葉集と現地伝承に見る「猟に斃れた大王」- 川西市 正木 裕
○稲荷山鉄剣象嵌の金純度-蛍光X線分析で二成分発見- 東村山市 肥沼孝治
○〈年頭のご挨拶に代えて〉二〇一九年の読書 古田史学の会・代表 古賀達也
○各種講演会のお知らせ
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・関西例会のご案内
○『古田史学会報』原稿募集
○編集後記 西村秀己