『古田史学会報』161号の紹介
昨日、『古田史学会報』161号が届きましたので紹介します。わたしは「王朝交替のキーパーソン「天智天皇」 ―鹿児島の天智と千葉の大友皇子―」を発表しましたが、今回も力作がそろいました。また、編集部で採否や修正の意見が従来になくたくさん出されました。採用審査が厳しい『古田史学会報』ではありますが、そうしたハードルを越えて掲載された論稿に、各執筆者の熱意を感じました。
一面を飾った野田稿は関西例会で発表されたテーマで、従来の古田説(倭人伝行程問題)にはなかった貴重な異見提起が含まれており、別途、紹介論述したいと考えています。
服部稿も関西例会で発表されたものです。『日本書紀』に見える「称制」に的を絞り、近年、「古田史学の会」の論者間で研究課題となっている、九州王朝から大和朝廷への王朝交替の実態を、骨太な視点で論じたものです。今後の詳細な論究が期待されます。
正木さんによる九州王朝史の連載も多利思北孤の時代に入っており、連載完了時には通史として書籍化が期待されます。
161号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚程度)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。
【『古田史学会報』161号の内容】
○女王国論 姫路市 野田利郎
○新春古代史講演会のお知らせ 2021年1月16日 i-siteなんば 2F
講師 谷本茂さん・正木裕さん・古賀達也
○称制とは何か 八尾市 服部静尚
○王朝交替のキーパーソン「天智天皇」 ―鹿児島の天智と千葉の大友皇子― 京都市 古賀達也
○戦後史学は「神武天皇実在説」にどう反応したのか たつの市 日野智貴
○「壹」から始める古田史学・二十七
多利思北孤の時代Ⅳ ―多元史観で見直す「蘇我・物部戦争(丁未の乱)」― 古田史学の会・事務局長 正木 裕
○『古田史学会報』原稿募集
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・関西例会のご案内
○各種講演会のお知らせ
○2020年度会費納入のお願い
○編集後記 西村秀己