15年ぶりの斑鳩の里(法隆寺)
昨日は15年ぶりに斑鳩の里(法隆寺)を訪れました。「古代大和史研究会」(原幸子代表)主催の講演会「徹底討論 真実の聖徳太子 in 法隆寺」にコーディネーターとして参加するためです。JR法隆寺駅から会場の法隆寺i-センターまで12kmほど歩いたのですが、15年前に比べると足腰が弱っているようで、この距離が長く感じられました。
講師と演題は、服部静尚さん「聖徳太子と仏教」と正木裕さん「聖徳太子は実在した」で、ご当地と関係が深い聖徳太子がテーマということもあり、会場はほぼ満席でした。奈良県民の歴史への関心の高さがうかがわれました(注①)。服部さんは『古田史学会報』172号に発表されたテーマで(注②)、女性差別の思想を持つ仏教を〝女帝〟の推古の時代のヤマト王権が受容したとは考えられず、九州王朝の多利思北孤が受容したとする説を中心に講演されました。正木さんからは、いわゆる聖徳太子とは九州王朝の天子、阿毎多利思北孤であるとする古田説の解説を中心に、九州王朝説や九州年号、『隋書』俀国伝や『旧唐書』倭国伝・日本国伝に記された倭国(九州王朝)の歴史と概要をわかりやすく解説されました。
会場からは、初めて九州王朝説を聞いた方から「よくわかった、正しいと思う」との賛意が寄せられたり、「教科書に載るように頑張ってほしい」と応援する声もあり、盛況でした。「古田史学の会」の使命の大きさを改めて認識しました。講師のお二人を始め、主催者と参加された皆様に御礼申し上げます。
(注)
①30年ほど前、「市民の古代研究会」の会員数が700名を超えたとき、都道府県別の会員数と会員人口比率を調べたことがあった。会員数は大阪府や東京都など大都市が多く、県民数に占める会員の比率は奈良県が全国トップであった。
②服部静尚「倭国の女帝は如何にして仏教を受け入れたか」『古田史学会報』172号、2022年10月。