第3093話 2023/08/14

『古田史学会報』177号の紹介

 『古田史学会報』177号が発行されました。拙稿「追悼『アホ』『バカ』『ツボケ』の多元史観 ―上岡龍太郎さんの思い出―」を一面に掲載して頂きました。亡くなられた上岡龍太郎さんが古田先生のファンだったことなどを紹介しました。「洛中洛外日記」(注①)で触れましたのでご覧下さい。

 都司嘉宣さんは会報初登場です。『三国史記』新羅本紀に見える日食記事の精度から、同書の倭国関連記事がどの程度信頼できるかを論じたものです。『日本書紀』に見える天体観測記事を史料根拠として、倭国(九州王朝)記事を抽出するという試みは、近年では国立天文台の谷川清隆さんが精力的に取り組まれていますが(注②)、都司さんは『三国史記』を対象とされており、この分野での多元的古代研究の進展が期待されます。

 今号から、一面に目次を掲載することにしました。どの号にどの論文が掲載されているかの検索が容易になります。

 177号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚程度)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。

【『古田史学会報』177号の内容】
○追悼 「アホ」「バカ」「ツボケ」の多元史観 ―上岡龍太郎さんの思い出― 京都市 古賀達也
○倭国と俀国に関する小稿 ―谷本論文を読んで たつの市 日野智貴
○朝鮮の史料『三国史記』新羅本紀の倭記事の信頼性を日食記事から判定する 龍ケ崎市 都司嘉宣
○男神でもあったアマテラスと姫に変身したスサノオ 京都府大山崎町 大原重雄
○古田史学の会 第二十八回会員総会の報告
○「壹」から始める古田史学 吉野ヶ里と邪馬壹国 古田史学の会・事務局長 正木 裕
○「まちライブラリー」大阪から東京へ 相模原市 冨川ケイ子
○古田史学の会・関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○編集後記 西村秀己

(注)
①古賀達也「洛中洛外日記」第3029話(2023/06/02)〝上岡龍太郎さんの思い出〟
同「洛中洛外日記」3042話(2023/06/15)〝上岡龍太郎が見た古代史 ―「アホ・バカ」「ツボケ」の分布考―〟
同「洛中洛外日記」3043話(2023/06/16)〝『全国アホ・バカ分布考』の多元史観 ―「タワケ」「ツボケ」の分布考―〟
同「洛中洛外日記」3045話(2023/06/18)〝肥後と信州に分布する罵倒語「田蔵田」〟
同「洛中洛外日記」3046話(2023/06/19)〝東北地方の罵倒語「ツボケ」の歴史背景〟
②谷川清隆「天文記事から見える倭の天群の人々・地群の人々 ―七世紀の二つの権力―」『「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独』明石書店、2020年。

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