関西例会一覧

第2768話 2022/06/19

古代史の争点 KANSAI出版記念講演会

古田史学の会総会にて 2022年6月19日 於:アネックスパル法円坂

参照PDFを取得し印刷してご覧下さい。

ホームページ内動画 卑弥呼と邪馬壹国
http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/move/yamaitik.html

 

俾弥呼の鏡 — 俾弥呼がもらった鏡は三角縁神獣鏡か?

服部静尚

卑弥呼を、「俾彌呼」としました。

https://www.youtube.com/watch?v=-iK4UxLCfpg

 

 

「邪馬壹国」の官名

     — 俾弥呼は漢字を用いていた 

(太夫・泄謨觚・柄渠觚・兕馬觚の真実)

正木裕

https://www.youtube.com/watch?v=LC_KWXaMKk8

質問は、省略しました。

 

関西例会と記念講演会を開催しました

 本日はアネックスパル法円坂で、「古田史学の会」関西例会と『古代史の争点』出版記念講演会・会員総会が開催されました。お昼休みには全国世話人会を開催し、総会議案の承認と今後の事業方針などについて審議しました。来月の関西例会は7月16日(土)にドーンセンターで開催します(参加費1,000円)。

 今回の例会は午前中だけでしたので、発表は大原さんと西井さんの2名だけになりました。例会冒頭には正木事務局長より会員総会・記念講演会の段取りと受付などの協力要請がありました。関東からは久しぶりに冨川ケイ子さん(古田史学の会・全国世話人、相模原市)が参加され、関西のメンバーと旧交を温めました。

 6月例会では下記の発表がありました。なお、発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。

〔6月度関西例会の内容〕
①火の国なる秦王国を訪れた裴世清(大山崎町・大原重雄)
②飛鳥時代の新羅(大山崎町・大原重雄)
③『古事記』神世七代のアイヌ語地名(大阪市・西井健一郎)

 午後の記念講演会の講師と演題は次の通りでした。
○服部静尚さん 「俾弥呼の鏡~俾弥呼がもらった鏡は三角縁神獣鏡か?」

○正木 裕さん  「邪馬壹国の官名 — 俾弥呼は漢字を用いていた」


第2753話 2022/06/03

「多元の会」リモート発表会を終えて

 今朝は「多元の会」でリモート発表させていただきました。テーマは〝筑紫なる倭京「太宰府」 ―九州王朝の両京制《倭京と難波京》―〟で、主に前期難波宮九州王朝複都説に至った理由と、九州王朝(倭国)が採用した倭京と難波京の両京制において、太宰府(倭京)が権威の都であることを中心に解説しました。
 ご質問やご批判もいただけ、新たな問題点の発見や認識を深めることができました。いただいた質問に対しては次のように回答しましたので、一部を紹介します。

《質問》前期難波宮を九州王朝の都とするのであれば、七世紀頃の支配範囲はどのようなものか。
《回答》九州王朝が前期難波宮で評制支配を行った範囲は、出土した「評」木簡の範囲により判断できる。

《質問》七世紀に九州王朝が存在した史料根拠は『旧唐書』以外に何があるのか。
《回答》六世紀から七世紀にかけて九州年号がある。年号は代表王朝の天子のみが発布できるものである。

《質問》天武十二年条の複都詔を34年前とするのではなく、『日本書紀』にあるように天武によるものとすべきではないか。
《回答》わたしもそのように考えてきたが、複都詔は34年前の649年に九州王朝が出した前期難波宮造営の詔勅とすれば、九州年号の白雉元年(652年)に完成した前期難波宮に時期的に整合する。従って正木説(34年遡り説)が有力と考えている。
 ※この点については「洛中洛外日記」1986話(2019/09/10)〝天武紀「複都詔」の考古学〟や『多元』160号(2020年)の拙稿「天武紀『複都詔』の考古学的批判」で詳述しているので参照されたい。


第2751話 2022/05/31

多元的古代研究会で研究発表します

 友好団体の多元的古代研究会の月例会などにリモート参加させていただき、勉強していますが、同会の和田事務局長から研究発表のご依頼をいただきました。日時とテーマは次の通りです。ご批判やご質問をよろしくお願いします。

○6月3日(金) 午前10時~11時30分 《リモート勉強会》
 【テーマ】筑紫なる倭京「太宰府」 ―九州王朝の両京制《倭京と難波京》―
○7月10日(日) 午後1時~4時 《多元の会月例会》
 【テーマ】考古学はなぜ「邪馬台国」を見失ったのか


第2747話 2022/05/27

6月19日、古代史講演会・会員総会のお知らせ

 先にご案内しましたように、「古田史学の会」会員総会・古代史講演会を6月19日(日)にアネックスパル法円坂(大阪市中央区法円坂1-1-35)で開催します。当初、18日(土)に開催予定でしたが、コロナ対策のための広い会場を確保するために日程を19日(日)に変更しました。それに伴い、「古田史学の会」関西例会も19日の午前中に変更します。午後は2時から講演会、4時30分から総会とします。コロナの問題もあり、総会は短時間に終えますので、ご意見等は予めメールでHP記載の「古田史学の会」のアドレスまで寄せていただきますようご協力下さい。
 なお、講演会の講師は正木裕さん(古田史学の会・事務局長)と服部静尚さん(古田史学の会・会員)です。最新の研究テーマが発表されます。会員以外の皆さんも無料ですので、ご参加をお願いいたします。

《日時》6月19日(日) 14時~16時
    ※講演会終了後は会員総会を開催します。

《講師と演題》
服部静尚さん 「俾弥呼の鏡」
正木 裕さん  「邪馬壹(台)国の官名 ~俾弥呼は漢字を用いていた~」

《会場》アネックスパル法円坂(大阪市中央区法円坂1-1-35)

《参加費》無料

《主催》古田史学の会


第2746話 2022/05/26

上京区で「化学者が語る古代史」開催

 上京区千本五辻の喫茶店〝うらのつき〟さんで、「化学者が語る古代史」と銘打ってミニ講演会を行いました。数年前からお店のオーナーに要請されていたのですが、コロナ騒動が収まってきましたので、お引き受けしたものです。今春3月から毎月一回開催しています。
 今日のテーマは「教科書に書けない本当の古代史 『邪馬台国』の真実」です。古田先生の邪馬壹国博多湾岸説を紹介しました。後半は「業界の秘密 白色LED」と「CD開発の舞台裏」を話させていただきました。毎回、古代史(古田史学)と化学(お役立ち情報)をテーマにしています。
 おかげさまで毎回好評で、皆さん熱心にメモをとっておられました。なかには5月1日の『古代史の争点』出版記念講演会(「市民古代史の会・京都」主催)に行かれた熱心なリピーターもおられます。6月は今回の続編として「太平洋を渡った倭人」を予定しています。


第2745話 2022/04/21

多利思北孤の東征(東進)論と都城論

 本日はドーンセンターで「古田史学の会」関西例会が開催されました。来月の関西例会は6月19日(日)に変更し、アネックスパル法円坂(大阪市中央区法円坂1-1-35)で開催します(参加費1,000円)。例会は午前中だけとなり、午後は『古代史の争点』(『古代に真実を求めて』25集)出版記念講演会(参加費無料)と「古田史学の会」会員総会を開催します。

 今回の例会では、大原さんや服部さんの発表を受けて、リモート参加された谷本茂さん(古田史学の会・会員、神戸市)も交え、『隋書』俀国伝の行程記事について活発な論争が続きました。これは九州王朝の太宰府(倭京)と前期難波宮(難波京)の複都制前史にも関わるテーマです。難波を多利思北孤の都とする野田利郎さん(古田史学の会・会員、姫路市)の仮説を皮切りに、隋使(裴世清)が多利思北孤と難波で対面したという服部説、正木さんやわたしが発表してきた多利思北孤の東征(東進)説などの諸仮説が〝火花を散らしている〟状況です。実に関西例会らしい素晴らしい学問論争であり、この諸仮説群がどのように収斂していくのかを楽しみにしています。学問は批判を歓迎し、真摯な論争は研究を深化発展させますから。
 5月例会では下記の発表がありました。なお、発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。

〔5月度関西例会の内容〕
①「オホゴホリ」は大宰府の旧名〈先回に頂いたご指摘について〉(東大阪市・萩野秀公)
②縄文語で解く神々 第一話 初めて生まれた神々(大阪市・西井健一郎)
③作られた乙巳の変と鎌足なる人物(大山崎町・大原重雄)
④日本書紀と扶桑略記の法興寺記事の核心部分は史実である(茨木市・満田正賢)
⑤石井公成氏の「古代史の争点」批判について(川西市・正木 裕)
⑥白村江戦前後の九州王朝(川西市・正木 裕)
⑦国書の紛失はなかった 小野妹子と難波で裴世清と会った多利思北孤(大山崎町・大原重雄)
⑧【速報】石井公成氏より反論をいただけました(八尾市・服部静尚)
⑨裴世清は難波で倭王と対面した(八尾市・服部静尚)

◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円(三密回避に大部屋使用の場合は1,000円)
 06/19(日) 10:00~12:00 会場:アネックスパル法円坂(大阪市中央区法円坂1-1-35) ※午後は出版記念講演会と「古田史学の会」会員総会


第2736話 2022/05/03

『多元』No.169の紹介

 友好団体「多元的古代研究会」の会紙『多元』No.169が届きました。同号には拙稿「近江の九州王朝 ―湖東の「聖徳太子」伝承―」を掲載していただきました。同稿は、近江地方から出土した無文銀銭や法隆寺創建同范瓦などと当地に色濃く遺る聖徳太子建立伝承を持つ寺院群について、九州王朝・多利思北孤と関係するものとして考察する必要性を論じたものです。
 拙稿の他にも古田史学の会・会員の服部静尚さんの「『続日本紀』に見える王朝交代の陰」や野田利郎さんの「京師を去る一万四千里」が掲載されました。八木橋誠さん(黒石市)の「『隋書倭国伝』は長里で書かれていない」は同紙168号の服部稿「隋・唐は倭国の東進を知っていた」への批判論文であり、注目しました。
 八木橋稿末尾には、拙稿「洛中洛外日記」2642~2648話〝『旧唐書』倭国伝「去京師一萬四千里」(1)~(7)〟への批判もなされており、興味深く思いました。『旧唐書』倭国伝に記された京師から倭国への距離「一万四千里」を倭人伝の短里「一万二千余里」と長里二千里の〝合計値〟とする拙論に対し、一万里が短里部分であり四千里を長里とする仮説を提起されたものです。学問は批判を歓迎し、真摯な論争は研究を深化発展させます。ご指摘については改めて検討させていただきたいと思います。


第2730話 2022/04/26

会員総会を6月19日(日)に変更します

 「古田史学の会」会員総会・記念講演会を6月19日(日)にアネックスパル法円坂(大阪市中央区法円坂1-1-35)で開催することになりました。当初、18日(土)に開催予定でしたが、コロナ対策のための広い会場を確保するために日程を19日(日)に変更しました。
 それに伴い、「古田史学の会」関西例会も19日の午前中に変更します。午後は2時から講演会、4時30分から総会とします。コロナの問題もあり、総会は短時間に終えますので、ご意見等は予めメールでHP記載の「古田史学の会」のアドレスまで寄せていただきますようご協力下さい。
 なお、講演会の講師を正木裕さん(古田史学の会・事務局長)と服部静尚さん(古田史学の会・会員)に要請しています。演題などが決まりましたら、改めて報告します。


第2721話 2022/04/16

卑弥呼がもらった「尚方作」鏡

 本日はドーンセンターで「古田史学の会」関西例会が開催されました。来月、5月21日(土)もドーンセンターで開催します(参加費1,000円)。また、会場は未定ですが、6月18日(土)の関西例会は午前中だけとなり、午後は『古代史の争点』(『古代に真実を求めて』25集)出版記念講演会と会員総会を開催することになりました。

 今回の例会では、重要な研究発表が続きました。なかでも服部静尚さんの、福岡県平原遺跡から出土した「尚方作」の銘文をもつ21面の銅鏡が鉛同位体分析から中国産であり、中国の天子の工房である尚方で造られたことを意味する「尚方作」銘文は倭国(卑弥呼)への下賜品にふさわしい〝しるし〟とする考察は見事でした。ただし、それらの鏡が出土した平原1号墳は方形周溝墓であるため、倭人伝に「径百余歩」(円墳を意味する)と記された卑弥呼の墓とは形状が異なることから、壹與の墓かも知れないとされました。同2号墳からの出土土器(庄内式)編年など精緻な年代判定が待たれるところですが、「尚方作」銘文鏡の分布(福岡県が最多)や「尚方作」の銘文が持つ意味の考察は画期的と思われました。
 正木裕さんの万葉歌に見える「大王」研究は、わたしが「洛中洛外日記」〝万葉歌の大王〟で続けている考察と関連するもので、199~202番歌などの「大王」「王・皇子」を具体的に検討され、199番歌の「わが大王」を九州王朝の天子「伊勢王」のこととされました。わたしの考察よりもさらに具体的で進んだ内容であり、興味深いものでした。

 発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。

〔4月度関西例会の内容〕
①倭国の滅亡(姫路市・野田利郎)
②伊吉連博徳書の捉え方について(茨木市・満田正賢)
③「オホゴホリ」は大宰府の旧名(東大阪市・萩野秀公)
④九州年号の分布(京都市・岡下英男)
⑤銅鏡の分布と卑弥呼の鏡(八尾市・服部静尚)
⑥天智紀の工人と水城山城造営記事(大山崎町・大原重雄)
⑦万葉歌の「大王」は誰か(川西市・正木 裕)

◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円(三密回避に大部屋使用の場合は1,000円)
 05/21(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
 06/18(土) 10:00~12:00 会場:未定 ※午後は出版記念講演会と会員総会

 


第2686話 2022/02/19

七世紀の須恵器「服部編年」

 本日はドーンセンターで「古田史学の会」関西例会が開催されました。来月、3月19日(土)はアネックスパル法円坂で開催します(参加費1,000円)。
 今回の例会で見事だったのが服部静尚さんによる、飛鳥・難波・河内の七世紀の須恵器編年「服部編年」の発表でした。当研究は昨年12月に開催された大阪歴史学会考古学部会で発表されたもので、概要については同月の関西例会でも報告されましたが、今回は諸遺跡の新編年を提示・詳述されました。
 まず、服部さんは飛鳥と難波・河内の須恵器編年において、次の三点の基準を示されました。

1. 飛鳥と難波・河内は文化的に一体とみなし、これらを包含する基準とする。飛鳥編年に難波宮・狭山池を加える。
2. 各編年は須恵器「杯」に集約されると見られる。これに焦点を合わせた基準とする。杯H・G・Bの数量比率を中心に。
3. 考古学の所見を編年基準にする。年輪年代・干支年木簡を編年基準に。

 この三基準により各遺跡を編年すると、『日本書紀』の記事に基づいた従来の飛鳥編年とは全く異なる年代観が現れました。この新たな「服部編年」は基準が合理的で、杯H・G・Bの出土数量比率を中心に編年するという方法が簡明であり、その論理構造は強固(robust)です。論文発表が待たれます。

 発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔2月度関西例会の内容〕
①胡床と朝床とあぐらをかく埴輪 (大山崎町・大原重雄)
②乙巳の変と九州王朝の関係についての一考察 (茨木市・満田正賢)
③孝徳・斉明・天智期の飛鳥における考古学的空白 (八尾市・服部静尚)

(参考)
孝徳・斉明・天智期の飛鳥における考古学的空白@服部静尚@20220219@ドーンセンター@古田史学の会@29:01@DSCN0458
孝徳・斉明・天智期の飛鳥における考古学的空白@服部静尚@20220219@ドーンセンター@古田史学の会@12:41@DSCN0461
孝徳・斉明・天智期の飛鳥における考古学的空白@服部静尚@20220219@ドーンセンター@古田史学の会@09:58@DSCN0463
孝徳・斉明・天智期の飛鳥における考古学的空白@服部静尚@20220219@ドーンセンター@古田史学の会@06:32@DSCN0464

④アサクラの語源について (東大阪市・萩野秀公)
⑤長田王の「伊勢娘子の歌」は隼人討伐時に糸島でよまれた歌 (川西市・正木 裕)

◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円(三密回避に大部屋使用の場合は1,000円)
 03/19(土) 10:00~17:00 会場:アネックスパル法円坂
 04/16(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター

 


第2671話 2022/01/31

ミニ講演会「化学者が語る古代史」

 先週、上京区の喫茶店「うらのつき」さんで古代史のミニ講演会を行いました。妻が懇意にしているお店で、以前からご要請いただいていたこともあり、一念発起して「化学者が語る古代史」として話させていただきました。
 それほど広いお店ではないためやや密になりましたが、参加者には医療関係者もおられ、コロナ対策は万全でした。参加者からは古代史以外に化学や政治についても質問や意見がだされ、「元気が出た」と好評だったようです。毎月行ってほしいとのことでしたので、参加者と話題が続く限り行うことにしました。
 当日、使用したレジュメを転載します。

令和四年(2022年)1月26日
うらのつき古代塾
―化学者が語る日本古代史―
         講師 古賀達也
《講師紹介》
福岡県久留米市出身
京都の化学会社に45年間勤務(色素化学・染色化学)
古田武彦氏(1926-2015年 日本古代史・親鸞研究)に師事
古田史学の会・代表(全国組織、会員約400名)
著書(共著) 『「九州年号」の研究』、『邪馬壹国の歴史学』、『九州王朝の論理』、他

《前話》 理系のわたしの歴史研究
(1)歴史学は犯罪捜査と共通する性格を持つ
 ①どちらも過去に起こった事件の真実(真相)を解明する。
 ②証拠と動機(なぜ?)の解明が必要。
 ③ただし弁護士がつかない⇒冤罪発生のリスクが伴う。
(2)最新科学は正しいのか
〈アポロ計画〉実績がある旧技術を採用し、人類を月面に送った。
〈足利事件〉当時、最先端の科学技術DNA鑑定で有罪⇒悲劇的な冤罪が発生した。
〈和歌山カレー毒物事件〉最新科学装置によるヒ素の分析により有罪判決⇒因果関係が非論理的で冤罪の可能性がある。
(3)教科書に書かれている日本古代史は前提から間違っている。
〈日本古代史の前提〉大和朝廷が日本列島の唯一の卓越した王朝である。⇒この『古事記』『日本書紀』の記述は信用してもよいのか。

《第一話》 学校では教えない本当の古代史
(1)大和朝廷の最初の年号は大化か?
 ■『日本書紀』の三年号
 「大化」645~649年 「白雉」650~654年 「朱鳥」686年
 ■「改元」と「建元」 ※「建元」は王朝の最初の年号で、一回しかない。後は王朝が滅ぶまで「改元」が続く。
 大化改元(645年)、白雉改元(650年)、朱鳥改元(686年)『日本書紀』の三年号は全て「改元」とある。
 大宝建元(701年)『続日本紀』大宝以降は改元が連続して続き、令和に至る。
(2)「白鳳時代」「白鳳文化」の「白鳳」とは何か?
 「白鳳」(661~683年)は九州年号の一つ。九州年号は、「継体」元年(517年)から「大長」九年(712年)まで連続して続く。九州年号の中に「白雉」(652~660年)、「朱鳥」(686~694年)、「大化」(695~704年)がある。⇒『日本書紀』は他の王朝の年号(九州年号)を転用している。
(3)地名に遺された「九州」「太宰府」「内裏(大裏)」とは何か?
(4)金印(国宝)はなぜ志賀島(福岡市)から出土したのか?
 「漢委奴国王」を「かんのわのなのこくおう」とは読めない。⇒漢の委奴(ゐの)国王。
(5)博多湾岸に飛来する渡り鳥の名はなぜ「都鳥(ミヤコドリ)」なのか?
(6)古代中国の史書は倭国(日本国)をどのように記しているか?

〔『隋書』倭(俀)国伝の証言〕
 倭国王の名前は阿毎多利思北孤(アメ・タリシホコ)で男性(奥さんがいる)。太子の名前は利歌彌多弗利(リ・カミタフリ)。当時の大和朝廷の天皇は推古天皇で女性。隋の使者は倭国王に面会しており、倭国王が男か女かを見間違うとは考えられない。
 また、倭国には阿蘇山があり、隋使はその噴火を見ている。「阿蘇山あり。その石、故なくして火を起こし、天に接す。(有阿蘇山其石無故火起接天)」と記している。

〔『旧唐書』倭国伝・日本国伝の証言〕
 日本列島には倭国と日本国があり、両国は別の国とされている。「日本国は倭国の別種なり。(日本國者、倭國之別種也)」と記している。そして、「日本は旧(もと)小国、倭国の地を併(あ)わす。(日本舊小國、併倭國之地)」と記し、日本国(大和朝廷)が倭国(九州王朝)を併合したとある。古代の日本列島で王朝交替があった。
(7)中国史書と『日本書紀』はどちらが信用できるのか?
 勝者が自らのために創作した歴史書(『日本書紀』)は、〝容疑者の証言〟であり、そのまま証拠として採用してはならない。〝うらどり〟が必要。
 中国史書の倭国伝・日本国伝は、隣国の観察記録であり、言わば防犯カメラの録画のようなもの。精度の差はあるが、基本的に証拠として採用できる。


第2662話 2022/01/15

韓国の前方後円墳が意味するもの

 本日はi-siteなんばで「古田史学の会」関西例会が開催されました。午後は新春古代史講演会が開催されました。来月、2月19日(土)はドーンセンターで開催します(参加費1,000円)。

 今回の例会は午前中だけのため、野田さんと大原さんによる三件の発表でした。その中で特に考えさせられたのが、大原さんによる韓国の前方後円墳についての考察でした。栄山江流域で発見が続いた前方後円墳について、その石室や副葬品から大和ではなく九州の勢力との関係が確実視されていることから、倭の五王の時代での九州王朝(倭国)の影響力や支配領域が韓半島に及んでいた痕跡と考えてきました。
 そうした見方に対して大原さんは「そこに前方後円墳があるからといって倭国の支配地とはならない。」とされ、その理由として日本列島内の「渡来人の施設が多く見られるところを他国の占領地とは考えない。」「また、列島に前方後円墳がある地域は、ヤマト王権の支配地だとは言い切れないのと同じこと」と指摘されました。言われてみればその通りです。韓国の前方後円墳について、もっと深く考察する必要を痛感しました。

 発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔1月度関西例会の内容〕
①津軽海峡の認識 (姫路市・野田利郎)
②栄山江流域の前方後円墳をどうとらえるか (大山崎町・大原重雄)
③天若日子が休息する胡床に関して (大山崎町・大原重雄)

◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円(三密回避に大部屋使用の場合は1,000円)
 02/19(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター