古田史学の会一覧

第3271話 2024/04/16

『古田史学会報』181号の紹介

本日届いた『古田史学会報』181号を紹介します。同号には拙稿〝『朝倉村誌』(愛媛県)の「天皇」地名〟と〝「倭国から日本国へ」発刊のお知らせ〟を掲載して頂きました。前者では、愛媛県東部に濃密分布する「天皇」地名や伝承の歴史的背景に、当地の有力氏族越智氏が九州王朝より天皇号を許されたことがあったのではないかとするものです。後者は「倭国から日本国へ」の紹介と、『古代に真実を求めて』の投稿規定などを転載しました。

同号一面の正木稿は、過日報道されたNHKスペシャル古代史ミステリーの報道姿勢と番組内容を鋭く批判したものです。わたしも同番組を見ましたが、それは酷い偏向番組で、放送法に定められた公平の原則を完全に無視した内容でした。正木稿でも指摘されていますが、〝「ヤマト説の解説」ですらなく「邪馬台国はヤマト、倭の五王はヤマトの大王」を自明〟とした番組でした。

同番組は明らかに意図的な「情報操作」がなされていました。それは箸墓古墳の炭素同位体年代測定値による造営年代を三世紀前半とする解説場面の右下に、その根拠とした論文名が小さな字で記されていました。それを見て、現在では不正確とされている測定値を採用していたことがわかりました。念のために録画で確認しましたが間違いありませんでした。それは次の説明文です。

国立歴史民俗博物館研究報告2011
「古墳出現期の炭素14年代測定」

この2011年の報告書は、炭素14年代測定値の補正(較正)に国際補正値intCAL09を採用しています。専門的になりますので結論のみ言いますと、この国際補正値は数年毎に見直されており、近年では2009年、2013年、そして直近では2020年に見直されています。日本で開発されたJ-CALの補正データを採用した2020年のintCAL20は特に優れており、現在の世界標準になりました。その結果、弥生時代ではintCAL09による補正値が百年ほど古く誤っていたことが明らかとなりました(注①)。

したがって、歴史民俗博物館研究報告2011「古墳出現期の炭素14年代測定」は、intCAL09による補正で箸墓古墳の築造年代を240年頃としたのですが、現在(intCAL20補正)では不正確な数値として批判され、従来の考古学編年通り300350年頃とする炭素年代測定値が最有力とされています。このことは日本の考古学者であれば知らないはずがありません。元橿原考古学研究所の考古学者、関川尚功さんも同様のことを言っておられました(注②)。

NHKの当番組では考古学者の福永伸哉氏(大阪大学大学院教授・考古学)も出ていましたから、NHKの番組作成者がこのintCAL09とintCAL20の精度差を知っていて、後で視聴者から批判されても言い逃れができるように、申しわけ程度に小さな字で画面右下に出典論文名を数秒間提示したと考えざるを得ません。本当に悪質な報道姿勢と番組でした。

ちなみに、放送法第4条には次の条文があります。

(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

NHKは放送法違反の報道や番組をこれまでも放送してきました。和田家文書偽作キャンペーンのときもそうでした。古田先生と安本美典氏の討論番組で、安本氏にVTRの使用や多くの時間配分を行うなど、明らかにアンフェアな番組を放送したのです。このときはさすがにNHK関係者からも非難の声があがりました。こうした姿勢が、現在も全く代わっていないことがよくわかる「NHKスペシャル古代史ミステリー」でした。

181号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。

【『古田史学会報』181号の内容】
○緊急投稿 不都合な真実に目をそむけたNHKスペシャル(上) 川西市 正木 裕
○倭国天皇の地位について ―西村秀己・古賀達也両氏への回答― たつの市 日野智貴
○「邪靡堆」論への谷本茂氏への疑問に答える 姫路市 野田利郎
○『朝倉村誌』(愛媛県)の「天皇」地名 京都市 古賀達也
○皇暦実年代の換算法について正木稿への疑問 たつの市 日野智貴
○大きな勘違いだった古代船「なみはや」の復元 京都府大山崎町 大原重雄
○「倭国から日本国へ」発刊のお知らせ 古田史学の会・代表 古賀達也
○会員総会・記念講演会のお知らせ
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○2024年度会費納入のお願い
○編集後記 西村秀己

(注)
①古賀達也「洛中洛外日記」2827話(2022/09/05)〝「夏商周断代工程」と水月湖の年縞〟
萩野秀公「若狭ちょい巡り紀行 年縞博物館と丹後王国」『古田史学会報』171号、2022年。
②令和三年六月十九日に開催された奈良市での講演会(古田史学の会・主催)で、関川尚功氏は、炭素14年代測定での国際補正値(IntCAL)と日本補正値(JCAL)とでは弥生時代や古墳時代では百年程の差が生じるケースがあると指摘された。
古賀達也「洛中洛外日記」2497話(2021/06/20)〝関川尚功さんとの古代史談義(1) ―炭素14年代測定の国際補正値と日本補正値―〟


第3269話 2024/04/13

『古代に真実を求めて』28集の特集は
「風土記・地誌の九州王朝」

27集「倭国から日本国へ」
特価販売のお知らせ

 今月、明石書店から出版した「倭国から日本国へ」(『古代に真実を求めて』27集)本会在庫の特価販売(消費税・送料を値引き)のご注文が届き始めました。
次号28集の特集テーマは「風土記・地誌の九州王朝」です。

 27集巻末に掲載した編集後記を転載します。

【以下、転載】『古代に真実を求めて』二七集 編集後記
本書の編集長を担当することになりました。三十代の頃から『市民の古代』(市民の古代研究会編、新泉社)の編集部で本作りにたずさわり、編集作業の経験を積んではきたのですが、自らが中心となって本を作るのは『「九州年号」の研究』(古田史学の会編、ミネルヴァ書房、二〇一二年)以来です。

 古田武彦先生亡き後、『古代に真実を求めて』は多元史観・古田史学に基づく唯一の定期刊行書籍であり、古田学派の研究者にとって貴重な発表の場となっています。そこで、将来にわたって、わたしたちの後継者が本書を編集出版できるよう、編集作業手順や原稿採用基準、投稿規定、書籍在庫販売管理台帳などの作成も併行して進めてきました。いわば、「古田史学の会」出版事業のマニュアル化とルール化です。古田史学の未来を担う後継者のために、これからも改良を加え、より使いやすくしていきます。

 本書末尾の投稿募集要項にあるよう、次の二八集の特集テーマは「風土記・地誌の九州王朝」です。風土記や地誌を研究対象として、そこに遺された九州王朝の痕跡を論じ、論文やフォーラム・コラムとして投稿してください。地誌の場合、その成立が中近世であっても、内容が古代を対象としており、適切な史料批判を経ていれば、古代史のエビデンスとして採用していただいてかまいません。字数制限など、投稿規定にはご留意ください。投稿締め切り日は本年九月末です。

 令和六年(二〇二四)、「古田史学の会」は創立三十周年を迎えることができました。本会創立の目的に賛同し、支えていただいた会員の皆様、古田史学支持者の皆様のおかげです。会則に銘記された目的、「旧来の一元通念を否定した古田武彦氏の多元史観に基づいて歴史研究を行い、もって古田史学の継承と発展、顕彰、ならびに会員相互の親睦をはかる」のなかの〝古田史学の継承と発展、顕彰〟こそが『古代に真実を求めて』の役割であり、それに耐えうる本を作ることが編集部の使命です。

 九州王朝から大和朝廷への王朝交代を特集テーマとした二七集「倭国から日本国へ」が、五十年後、百年後の読者と、図書館や古書店で出会い、今を生きるわたしたちの研究成果を伝えることができれば、望外の幸せです。〝本の寿命は人生より長い〟のですから。

【27集「倭国から日本国へ」 特価販売のお知らせ】
「古田史学の会」では「倭国から日本国へ」(『古代に真実を求めて』27集)の特価販売を実施します。下記の郵便口座に特価代金(2,800円/1冊)を振り込んでいただきますと、入金を確認次第、発送します。消費税と送料を割り引かせていただきます。なお、当会の在庫がなくなり次第、あるいは年内で特価販売は終了となりますので、その後はアマゾン・書店などでお買い求めください。

 郵便口座番号は次の通りです。「『倭国から日本国へ』○冊希望」と記入し、お名前・郵便番号・ご住所・電話番号を明記し、代金を振り込んで下さい。特別価格は2800円です。

 口座記号:01010-6
口座番号:30873
加入者名:古田史学の会

※お振り込み後、2週間以上経過しても本が届かない場合は、「古田史学の会」ホームページ事務局、または本会事務局(正木裕)までお問い合わせ下さい。

 「倭国から日本国へ」以外の在庫特価販売も行ってます。対象書籍・特価など、ホームページでお知らせします。お買い上げいただければ幸いです。


第3265話 2024/04/07

「倭国から日本国へ」の掲載論文

 「古田史学の会」の会員論集「倭国から日本国へ」(『古代に真実を求めて』27集、明石書店)が発刊されました。掲載論文を紹介します。「古田史学の会」賛助会員(2023年度、年会費5,000円)には、これから発送作業に入りますので、もうしばらくお待ちください。経費削減のため、西村秀己さん(古田史学の会・全国世話人、会計担当、高松市)がお一人で発送作業を行っていますので、ご了承の程お願い申し上げます。

【巻頭言】
三十年の逡巡を越えて 古田史学の会 代表 古賀達也

【特集論文】
「王朝交代」と消された和銅五年(七一二)の「九州王朝討伐戦」 正木 裕
王朝交代期の九州年号 ―「大化」「大長」の原型論― 古賀達也
難波宮は天武時代「唐の都督薩夜麻」の宮だった 正木 裕
飛鳥「京」と出土木簡の齟齬 ―戦後実証史学と九州王朝説― 古賀達也
『続日本紀』に見える王朝交代の影 服部静尚
「不改常典」の真意をめぐって ―王朝交代を指示する天智天皇の遺言だったか― 茂山憲史
「王朝交代」と二人の女王 ―武則天と持統― 正木 裕
「王朝交代」と「隼人」 ―隼人は千年王朝の主だった― 正木 裕
倭国から日本国への「国号変更」解説記事の再検討 ―新・旧『唐書』における倭と日本の併合関係の逆転をめぐって― 谷本 茂
《コラム》「百済人祢軍墓碑銘」に〝日本〟国号はなかった! 谷本 茂

【一般論文】
『隋書』の俀国と倭国は、別の存在なのか 野田利朗
『隋書』の「倭国」と「俀国」の正体 日野智貴
倭と俀の史料批判 ―『隋書』の倭國と俀國の区別と解釈をめぐって― 谷本 茂
多元的「天皇」号の成立 ―『大安寺伽藍縁起』の仲天皇と袁智天皇― 古賀達也
法隆寺薬師仏光背銘の史料批判 ―頼衍宏氏の純漢文説を承けて― 日野智貴
伊吉連博徳書の捉え方について 満田正賢
『斉明紀』の「遣唐使」についてのいくつかの疑問について 阿部周一
俾彌呼の鏡 ―北九州を中心に分布する「尚方作鏡」が下賜された― 服部静尚

【フォーラム】
海幸山幸説話 ―倭国にあった二つの王家― 服部静尚
豊臣家の滅亡から九州王朝の滅亡を考える 岡下英男

「古田史学の会」では本書の特価販売を実施します。下記の郵便口座に特価代金(2,800円/1冊)を振り込んでいただきますと、入金を確認次第、発送します。消費税と送料を割り引かせていただきます。なお、当会の在庫がなくなり次第、あるいは年内で特価販売は終了となりますので、その後はアマゾン・書店などでお買い求めください。

郵便口座番号は次の通りです。「『倭国から日本国へ』○冊希望」と記入し、お名前・郵便番号・ご住所・電話番号を明記し、代金を振り込んで下さい。特別価格は2800円です。

口座記号:01010-6
口座番号:30873
加入者名:古田史学の会

※お振り込み後、2週間以上経過しても本が届かない場合は、「古田史学の会」ホームページ事務局、または本会事務局(正木裕)までお問い合わせ下さい。


第3264話 2024/04/06

「倭国から日本国へ」発刊!

      特価販売もスタート!

 「倭国から日本国へ」(『古代に真実を求めて』27集、明石書店)が発刊されました。「古田史学の会」賛助会員(2023年度、年会費5,000円)には順次送付しますので、もうしばらくお待ちください。経費削減のため、西村秀己さん(古田史学の会・全国世話人、会計担当、高松市)がお一人で発送作業を行っていますので。

 同書は「古田史学の会」創立30周年を記念して、増ページしました。そのため定価が2800円+税となりましたが、これまで本会の出版事業を支えていただいた賛助会員への感謝も込めて増ページとしたものです。
表紙デザインには、特集タイトル「倭国から日本国へ」、すなわち九州王朝から大和朝廷への王朝交代の史料根拠となった『旧唐書』「日本国伝」の版本を背景に採用し、その中の一文「日本國者倭國之別種也」(日本国は倭国の別種なり)を朱色にして強調しました。裏表紙には、明石書店名編集者の森さんによる、簡潔で見事な次の紹介文が掲載されています。

 倭国から日本国への国号の変更
そこに隠されているのは
九州王朝から大和朝廷への
権力の移行にほかならない
古田史学王朝交代論の最前線

 なお、「古田史学の会」では本書の特価販売を実施します。下記の郵便口座に特価代金(2,800円/1冊)を振り込んでいただきますと、入金を確認次第、発送します。消費税と送料を割り引かせていただきます。なお、当会の在庫がなくなり次第、あるいは年内で特価販売は打ち切りますので、その後はアマゾン・書店などでお買い求めください。

 郵便口座番号は次の通りです。「『倭国から日本国へ』○冊希望」と記入し、お名前・郵便番号・ご住所・電話番号を明記し、代金を振り込んで下さい。特別価格は2800円です。

 口座記号:01010-6
口座番号:30873
加入者名:古田史学の会

※お振り込み後、2週間以上経過しても本が届かない場合は、「古田史学の会」ホームページ事務局、または本会事務局(正木裕)までお問い合わせ下さい。
「倭国から日本国へ」以外の在庫特価販売も行ってます。対象書籍・特価など、ホームページでお知らせします。お買い上げいただければ幸いです。


第3262話 2024/04/04

『東京古田会ニュース』215号の紹介

 『東京古田会ニュース』215号が届きました。拙稿「興国の津軽大津波伝承の考察 ―地震学者・羽鳥徳太郎の慧眼―」を掲載していただきました。同稿では、東日流外三郡誌に散見する興国の大津波伝承が、江戸期成立の津軽藩の文書にも記されていることを紹介しました。そして、〝興国の大津波は東日流外三郡誌にしか掲載されていない〟〝歴史事実ではない〟として、そのことを偽作の根拠とした偽作説に反論しました。ちなみに、同稿で紹介した津軽藩系史料とは次の文書です。「洛中洛外日記」(注)でも紹介しましたし、国文学研究資料館のデジタルアーカイブ収録「陸奥国弘前津軽家文書」で閲覧できます。

 下澤保躬「津軽系図略」明治十年(一八七七)。
陸奥国弘前津軽家文書「津軽古系譜類聚」文化九年(一八一二)。
「前代御系譜」『津軽古記鈔 津軽系図類 信政公代書類 前代御系譜』成立年次不明。

 『東京古田会ニュース』215号掲載論文で注目したのが、橘高修さん(東京古田会・副会長、日野市)の「古代史エッセー78 天智天皇紀の重複記事」でした。天智紀に散見される重複記事を紹介し、その年次のずれが、七年・六年・五年・三年・二年のケースがあることを指摘され、「それぞれに原因を考える必要がある」とされました。

 なぜか天智紀に重複記事が頻出するのですが、その理由について、本当に重複記事なのか、唐軍の筑紫進駐記事は実際に二度あったのではないかとする見解も古田先生から出されてきました。また、もし重複記事であるのならば、そのことに『日本書紀』編者たちは誰一人として気づかなかったのかという疑問を払拭できませんし、なぜ天智紀に頻出するのかという疑問にも答えることが出来ていないように思われます。橘高稿を読み、この重要な未解決テーマについて、多元史観・九州王朝説でも説明し切れていないことに、改めて気づきました。

(注)
古賀達也「洛中洛外日記」3107~3109話(2023/09/08~10)〝地震学者、羽鳥徳太郎さんの言葉 (1)~(3)〟
同「洛中洛外日記」3110話(2023/09/11)〝興国二年大津波の伝承史料「津軽系図略」〟
同「洛中洛外日記」3111話(2023/09/12)〝興国の大津波の伝承史料「津軽古系譜類聚」〟
同「洛中洛外日記」3112話(2023/09/13)〝興国の大津波の伝承史料「前代御系譜」〟
同「洛中洛外日記」3113話(2023/09/14)〝興国の大津波は元年か二年か〟


第3256話 2024/03/25

6月16日(日)、出版記念講演会

        ・会員総会のお知らせ

 令和六年(2024年)に6月16日(日)午後、「倭国から日本国へ」『古代に真実を求めて』27集 出版記念講演会、並びに「古田史学の会」定期会員総会を開催します。会員の皆様のご出席をお願いいたします。講演会は一般の皆様もご参加頂けます。参加費は無料です。
なお、当日午前中に「古田史学の会」全国世話人会を開催します。

□開催日時 6月16日(日)午後1時開場予定(詳細は後日発表)
□会場 ドーンセンター 大阪市中央区大手前一丁目(京阪・天満橋駅 東へ約350m)
□講演会 講師・演題
谷本 茂氏(古田史学の会・会員、『古代に真実を求めて』編集部)
〔演題〕誤解され続けた『新唐書』日本伝 ―倭国と日本国の併合関係の「逆転」をめぐって―
正木 裕氏(古田史学の会・事務局長、『古代に真実を求めて』編集部)
〔演題〕百済領域の遺跡から見える倭国(九州王朝)の半島進出
□主催 古田史学の会
□参加費 無料


第3251話 2024/03/16

スタンフォード大学にある

     明治時代の日本地図

 本日、 「古田史学の会」関西例会が東成区民センターで開催されました。次回、4月例会の会場は豊中倶楽部自治会館です。

 (都島区民センター(図書館)から変更になりました)

 今回の発表で特にわたしが注目したのが、播磨風土記の地名の現在位置に関する研究で谷本さんが使用した明治期作成の地図でした。一見、現在作成されている国土地理院の地図のようですが、今は失われた明治期の字地名が掲載されています。その地図がアメリカのスタンフォード大学図書館のホームページに掲載されており、誰でもアクセス可能とのことで驚きました。
江戸時代に遡る字地名の調査には、江戸期の地誌か明治二年作成『明治前期 全国村名小字調査書』(注①)を使用していたのですが、それですと地名はわかっても、その正確な場所がわからないことが多く、調査が大変でした。ところが、スタンフォード大学所蔵の地図であれば正確な場所もわかり、研究者にとってはとても有り難いことです。谷本さんのご教示により、そのような地図がネットで見られること知り、有益でした。

 ちなみに、『古代に真実を求めて』28集の特集テーマは「風土記・地誌の九州王朝」(注②)ですから、とてもタイムリーな研究発表でした。

 3月例会では下記の発表がありました。なお、発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。

〔3月度関西例会の内容〕
①天孫降臨とニニギ命 (大阪市・西井健一郎)
②剣の神のタケミカヅチが素手でタケミナカタと戦う理由 (大山崎町・大原重雄)
③モーツァルトの「魔笛」と古事記の相似形の説話 (大山崎町・大原重雄)
④4月ハイキング「春の櫻宮から難波宮を歩く」の案内 (八尾市・上田 武)
⑤『隋書』重視で、『書紀』の元本に照らす (東大阪市・萩野秀公)
⑥「邪馬台国と火の国」論の再提起 (茨木市・満田正賢)
⑦播磨風土記・地名考(続) ―宍禾郡・柏野里・敷草村の条― (神戸市・谷本 茂)
⑧「韓国ソウル付近の百済遺跡で1600年前の日本人居住跡を発見」報道と倭国の半島進出 (川西市・正木 裕)

◎古賀から役員会の報告
・会員総会・記念講演会(27集出版記念)の日程と講師
6月16日(日)午後 会場:ドーンセンター 参加費:無料
講演会講師:谷本茂さん(古田史学の会・会員、神戸市)、正木裕さん(古田史学の会・事務局長)
演題:未定
※前日(6月15日)の関西例会もドーンセンターで開催します。

□「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円
04/20(土) 会場:豊中倶楽部自治会館

(注)
①『明治前期 全国村名小字調査書』ゆまに書房、1986年。
②二十八集の特集テーマは「風土記・地誌の九州王朝」です。風土記や地誌を研究対象として、そこに遺された九州王朝の痕跡を論じ、論文やフォーラム・コラムとして投稿してください。地誌の場合、その成立が中近世であっても、内容が古代を対象としており、適切な史料批判を経ていれば、古代史のエビデンスとして採用していただいてかまいません。(『古代に真実を求めて』28集の投稿募集要項より)

______________________________________________________________

古田史学の会 東成区民センター 2024.3.16

2024年 3月度関西例会発表一覧
(ファイル・動画)

YouTube公開動画①②です。

1,天孫降臨とニニギ命 (大阪市・西井健一郎)

 動画はありません

2,剣の神のタケミカヅチが素手でタケミナカタと戦う理由
(大山崎町・大原重雄)

https://youtu.be/2o-eoZcsysU
https://youtu.be/M3qkbHgjd9U

3,モーツァルトの「魔笛」と古事記の相似形の説話 (大山崎町・大原重雄)

https://youtu.be/DrWQ2nw9pH0
https://youtu.be/afRJ4Bdhgso

4,4月ハイキング「春の櫻宮から難波宮を歩く」の案内 (八尾市・上田 武)

 動画はありません

5,『隋書』重視で、『書紀』の元本に照らす (東大阪市・萩野秀公)

 動画はありません

6,「邪馬台国と火の国」論の再提起 (茨木市・満田正賢)

 動画はありません

7,播磨風土記・地名考(続) ―宍禾郡・柏野里・敷草村の条―
(神戸市・谷本 茂)

 動画はありません

8,「韓国ソウル付近の百済遺跡で1600年前の日本人居住跡を発見」報道と倭国の半島進出 (川西市・正木 裕)

https://youtu.be/0e3xqq5JO1U
https://youtu.be/G8XqfEc37EQ


第3243話 2024/03/06

『倭国から日本国へ』の目次

 『倭国から日本国へ』(『古代に真実を求めて』27集)の編集作業も最終工程(ゲラ三校)に入りました。これは編集部の校閲担当者3名(茂山憲史さん、西村秀己さん、古賀)で行いますが、締切が3月11日着なので忙しくしています。これが最終チェックですので、誤字誤植などを見落とすと、そのまま印刷し書店に並ぶため、責任重大です。わたしは視力が落ちていますので、ポイントが小さい字の大きさや字体チェックが困難ですが、茂山さんは大手新聞社にお勤めだったこともあり、そうした点まで見逃さない、頼もしい校閲作業のリーダー的存在です。

 4月上旬には発行したいと願っていますので、最終校閲作業が終わると、表紙カバーのデザインや価格設定などを明石書店と相談します。既に目次は決まっていますので、紹介します。

『古代に真実を求めて』27集 目次

【巻頭言】
三十年の逡巡を越えて 古田史学の会 代表 古賀達也

【特集】倭国から日本国へ
「王朝交代」と消された和銅五年(七一二)の「九州王朝討伐戦」 正木 裕
王朝交代期の九州年号 ―「大化」「大長」の原型論― 古賀達也
難波宮は天武時代「唐の都督薩夜麻」の宮だった 正木 裕
飛鳥「京」と出土木簡の齟齬 ―戦後実証史学と九州王朝説― 古賀達也
『続日本紀』に見える王朝交代の影 服部静尚
「不改常典」の真意をめぐって ―王朝交代を指示する天智天皇の遺言だったか― 茂山憲史
「王朝交代」と二人の女王 ―武則天と持統― 正木 裕
「王朝交代」と「隼人」 ―隼人は千年王朝の主だった― 正木 裕
倭国から日本国への「国号変更」解説記事の再検討 ―新・旧『唐書』における倭と日本の併合関係の逆転をめぐって― 谷本 茂
《コラム》「百済人祢軍墓碑銘」に〝日本〟国号はなかった! 谷本 茂

【一般論文】
『隋書』の「俀国」と「倭国」は、別の存在なのか 野田利朗
『隋書』の「倭国」と「俀国」の正体 日野智貴
倭と俀の史料批判 ―『隋書』の倭國と俀國の区別と解釈をめぐって― 谷本 茂
多元的「天皇」号の成立 ―『大安寺伽藍縁起』の仲天皇と袁智天皇― 古賀達也
法隆寺薬師仏光背銘の史料批判 ―頼衍宏氏の純漢文説を承けて― 日野智貴
伊吉連博徳書の捉え方について 満田正賢
『斉明紀』の「遣唐使」についてのいくつかの疑問について 阿部周一
俾彌呼の鏡 ―北九州を中心に分布する「尚方作鏡」が下賜された― 服部静尚

【フォーラム】
海幸山幸説話 ―倭国にあった二つの王家― 服部静尚
豊臣家の滅亡から九州王朝の滅亡を考える 岡下英男

【付録】
古田史学の会・会則
古田史学の会・全国世話人名簿
編集後記


第3242話 2024/03/05

2024年 久留米大学公開講座の案内

毎年行われている久留米大学公開講座の2024年案内冊子が届きました。「古田史学の会」からは、正木裕さん(古田史学の会・事務局長)とわたしが講演させていただきます。日時とテーマなどは次の通りです。九州の皆さんのご参加をお待ちしています。

【九州の古代史 ―九州王朝論を中心に】
□6月30日(日) 14時40分~16時10分
古賀達也 九州王朝の天子と臣下の天皇たち ―「天皇」号と「天皇」地名の変遷―
□7月7日(日) 午後14時40分~16時10分
正木 裕 氏 王朝交代と隼人

□会場 久留米大学御井キャンパス
□受講料 全4講座合計 2500円
□定員 75名
□申込先・問い合わせ先 久留米大学御井学舎事務部
地域連携センター
電話0942ー43ー4413
E-mailアドレス koukai@kurume-u.ac.jp
□会場は御井キャンパス 500号館51A教室


第3241話 2024/03/04

『多元』180号の紹介

 友好団体の多元的古代研究会機関紙『多元』180号が届きました。同号には拙稿〝九州王朝の両京制を論ず(二) ―観世音寺創建の史料根拠―〟を掲載していただきました。同紙178号にあった、上城誠氏の「真摯な論争を望む」への反論の続編です。

 わたしの観世音寺創建白鳳十年(670年)説に対して、上城稿には「その史料操作にも問題がある。観世音寺の創建年代を戦国時代に成立の『勝山記』の記述を正しいとする方法である。(中略)史料批判が恣意的であると言わざるを得ない。」との論難がありましたので、

 〝「史料操作」とは学問の禁じ手であり、理系論文で言えば実験データの改竄・捏造・隠蔽に相当する、研究者生命を失う行為だ。たとえば「古賀の主張や仮説は間違っている」という、根拠(エビデンス)と理由(ロジック)を明示しての批判であれば、わたしはそれを歓迎する。しかし、古賀の「史料操作にも問題がある」などという名誉毀損的言辞は看過できない。しかも、『勝山記』をわたしがどう「史料操作」したのかについて、触れてもいない。〟

 と指摘し、これまで多くの論文で明示した史料根拠と、「洛中洛外日記」の観世音寺関連記事リストを紹介しました。続編「九州王朝の両京制を論ず(三) ―「西都」太宰府倭京と「東都」難波京―」を執筆中ですが、そこでは太宰府廃都を伴う難波遷都ではなく、太宰府倭京と難波京の両京制とする説へ発展した理由など近年の研究成果を紹介する予定です。

 同号には西坂久和さん(昭島市)の「まちライブラリー@MUFG PARKの紹介」が掲載されており、正木裕さん(古田史学の会・事務局長)のご尽力と古田先生や会員からの図書寄贈(注)により開設された、アイサイトなんば(大阪府立大学なんばキャンパス)の「古田武彦コーナー」が、昨年より西東京市の「まちライブラリー@MUFG PARK」に移設されたことが紹介されました。これは、大阪公立大学の発足に伴い、アイサイトなんばのライブラリーが廃止されたことによるものです。

 「まちライブラリー@MUFG PARK」は西東京市柳沢四丁目にあり、JR中央線吉祥寺駅・三鷹駅などからバスで15分、武蔵野大学下車すぐです。図書は三冊・二週間まで借り出し可能で、インターネットで蔵書検索が可能とのことです。古田先生の著書や「古田史学の会」の会報・論集などが揃っており、古田史学や古田学派の研究論文調査に役立つことと思います。

(注)古田先生からは『廣文庫』一式などが寄贈された。『廣文庫』(こうぶんこ)は明治時代の前の文献(和漢書・仏書・他)からの引用文を集大成した資料集。物集高見により大正七年(1918年)に完成した。全20冊。


第3230話 2024/02/18

正木さんが韓国の前方後円墳跡を発見

 昨日、 「古田史学の会」関西例会が開催されました。次回、3月例会の会場は東成区民センターで、初めて例会に使用する会場です。「古田史学の会」HPなどで場所をご確認ください。

 例会で正木さんが発表された鹿児島県指宿市(尾長谷迫遺跡)出土の暗文土師器の報告は、『古田史学会報』180号の正木稿「『倭姫王』と発掘された『暗文土師器』」をパワーポイントで詳述したもので、興味深く拝聴拝見しました。同土師器は「畿内産土師器」と称されてきたもので、通説では畿内(大和朝廷)で成立した土師器であり、それが出土するのは大和朝廷と関係が深い官衙や遺跡とされていました。この度、大和から遠く離れた薩摩で、しかも大和朝廷が「隼人」を制圧する以前の七世紀中葉の層位から出土したことから、メディア(南日本新聞)で報道されました。このことを「洛中洛外日記」3228話(2024/02/15)〝『古田史学会報』180号の紹介〟で簡単に紹介しました。

 わたしはこの暗文土器は畿内産ではなく、太宰府(九州王朝にとっての「畿内」)からもたらされた可能性があることを指摘しました。「洛中洛外日記」でも、律令制官僚群の大量発生により、須恵器坏Bとともに、ロクロ回転台で量産された土師器について論じたことがありました(注①)。暗文土師器がこの量産土師器に含まれるのかどうかを調べるために、本日、京都府立大学文学部図書館で暗文土師器に関する資料を閲覧しました(注②)。この調査結果についは別に報告します。

 更に正木さんは、朝鮮半島での前方後円墳について重要な発表を行いました。従来、前方後円墳が発見されていなかった瓦難川上流地域(北高敞郡)に前方後円墳の痕跡があることを発見したのです。聞けば、韓国のYouTube動画中に、偶然映り込んでいたこの痕跡に気づいたとのことでした。現地確認が必要ですが、その動画から切り取られた写真には、方墳の隣りに平削された前方後円形の痕跡が見え、それが前方後円墳跡であれば大発見です。6月16日(日)に開催が決まった、「古田史学の会」会員総会記念講演会で、改めて発表されるかもしれません。

 2月例会では下記の発表がありました。なお、発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。

〔2月度関西例会の内容〕
①拙論「『邪靡堆』とは何か」の疑問に答える (姫路市・野田利郎)
②古代船の復元と祭祀船の謎 (大山崎町・大原重雄)
③2月ハイキング「尼崎城下散策」とその若干の研究 (八尾市・上田 武)
④続「倭京」と多利思北孤 (東大阪市・萩野秀公)
⑤多元史観では7世紀中葉に薩摩指宿と近江・畿内に深い繋がりがあった (川西市・正木 裕)
⑥九州勢力の半島進出と撤退 (川西市・正木 裕)

◎古賀から役員会決定事項の報告
・会員総会・記念講演会(27集出版記念)の日程と講師
6月16日(日)午後 会場:未定 参加費:無料
講演会講師:谷本茂さん、正木裕さん
・関西例会・会計担当の交代 竹村順弘さん→上田武さん

□「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円
03/16(土) 会場:東成区民センター 地下鉄千日前線今里駅西 徒歩3分

(注)
①古賀達也「洛中洛外日記」2542話(2021/08/18)〝太宰府出土、須恵器と土師器の話(6)〟
同「太宰府出土須恵器杯Bと律令官制 ―九州王朝史と須恵器の進化―」『多元』167号、2022年。
同「太宰府出土須恵器杯Bと律令官制 ―九州王朝史と須恵器の進化―」『九州王朝の興亡』(『古代に真実を求めて』26集)明石書店、2023年。
②『畿内産暗門土師器関連資料1 ―西日本編』奈良国立文化財研究所、2005年。

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古田史学の会 都島区民センター 2024.2.17

2024年 2月度関西例会発表一覧
(ファイル・動画)

YouTube公開動画①②③です。

1,拙論「『邪靡堆』とは何か」の疑問に答える (姫路市・野田利郎)

 ①https://www.youtube.com/watch?v=QGGzaTMLJck&t=1653s

2,古代船の復元と祭祀船の謎 (大山崎町・大原重雄)

 ①https://www.youtube.com/watch?v=altEG2JOmq8

 ②https://www.youtube.com/watch?v=9fV4npt4hPE&t=93s

3,2月ハイキング「尼崎城下散策」とその若干の研究
(八尾市・上田 武)

https://www.youtube.com/watch?v=60O1ZfXfX4c

https://www.youtube.com/watch?v=XCR6A2Gd_8w

https://www.youtube.com/watch?v=e0DXXGra8Yg&t=17s

4,続「倭京」と多利思北孤 (東大阪市・萩野秀公)

   萩野秀公@巨大防御施設の護るもの

https://www.youtube.com/watch?v=3A-gEcfok38

https://www.youtube.com/watch?v=K0uI5gX8SX8&t=1264s

5,多元史観では7世紀中葉に薩摩指宿と
近江・畿内に深い繋がりがあった (川西市・正木 裕)

正木裕@倭姫王と発掘された暗文土師器~実在しないはずの土器が出土

https://www.youtube.com/watch?v=frQIWT_lXIw&t=10s

https://www.youtube.com/watch?v=26HV5R3d7fs&t=2s

6,九州勢力の半島進出と撤退 (川西市・正木 裕)

https://www.youtube.com/watch?v=nYGmM9ty2l8&t=25s

https://www.youtube.com/watch?v=rTqjSSH-gBU


第3228話 2024/02/15

『古田史学会報』180号の紹介

 本日発行された『古田史学会報』180号を紹介します。同号には拙稿「論文削除要請された『親鸞思想』―古田武彦「親鸞論」の思い出―」を掲載して頂きました。
同稿は、日野智貴さん(古田史学の会・会員、たつの市)から、「覚信尼と『三夢記』についての考察 豅弘信論文への感想」(『古田史学会報』178号)への批評を求められたおり、古田先生の親鸞研究関連著作を読み直したことをきっかけに、その代表作『親鸞思想』(冨山房、1975年)出版に関する思い出を綴ったものです。近年、古田学派内でも古田親鸞論の研究や論稿を久しく見なくなりましたので、わたしの記憶が鮮明なうちに、先生から直接お聞きしたことを書き残しておこうと考えています。

 一面の正木稿は、新年早々に茂山憲司さん(『古代に真実を求めて』編集部)から届いたメール情報(「南日本新聞」元旦の記事)に基づいて書かれたもので、鹿児島県指宿市(尾長谷迫遺跡)から出土した暗文土師器について論じた好論です。従来は大和朝廷に関係する遺構(国府跡など)からしか出土しない同土師器が、九州王朝時代の七世紀中葉の薩摩の遺跡から出土したことで、当地のメディアに注目されたようです。これは、正木さんがこれまで発表されてきた、天智の后、倭姫王が薩摩出身の〝九州王朝の姫〟(『続日本紀』には「薩末比売」、現地伝承では「大宮姫」)とする一連の仮説と整合する出土事実であり、正木説を支持する考古学的傍証となります。

 近年では、九州王朝(倭国)と鹿児島県との関係をうかがわせる「青竹の笛」伝承研究も伊藤正春さん(古田史学の会・会員、練馬区)から発表されており、注目しています(注)。

 180号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。

【『古田史学会報』180号の内容】
○「倭姫王」と発掘された「暗文土師器」 川西市 正木 裕
○皇極はなぜ即位できたのか 河内祥輔・神崎勝両氏の問題提起を受けて たつの市 日野智貴
○野田利郎氏の「邪靡堆」論と漢文解釈への疑問 神戸市 谷本 茂
○論文削除要請された『親鸞思想』―古田武彦「親鸞論」の思い出― 京都市 古賀達也
○「中天皇」に関する考察 茨木市 満田正賢
○持統天皇の「白妙の衣」は対馬の鰐浦の白い花のこと 京都市 久冨直子・大山崎町 大原重雄
○令和六年、新年のご挨拶 ―「立正安国論」日蓮自筆本の「国」― 「古田史学の会」・代表 古賀達也
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・関西例会のご案内
○『古田史学会報』原稿募集
○編集後記 西村秀己

(注)
美濃晋平『笛の文化史(古代・中世) エッセイ・論考集』勝美印刷、2021年。
古賀達也「洛中洛外日記」2597話(2021/10/18)〝美濃晋平『笛の文化史(古代・中世) エッセイ・論考集』を読む〟
同「洛中洛外日記」2604話(2021/10/27)〝大隅国、台明寺「青葉の笛」伝承〟
同「洛中洛外日記」2633話(2021/12/11)〝失われた九州王朝の横笛か「清水の笛」〟
「失われた九州王朝の横笛 ―「樂有五絃琴笛」『隋書』俀国伝―」『古田史学会報』168号、2022年。

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YouTube講演 案内 

古代大和史研究会(59)2024年1月23日 於:奈良県立図書情報館

倭国(九州王朝) から日本国(大和朝廷) へ⒀

「倭姫王」と発掘された「暗文土師器」正木裕

https://www.youtube.com/watch?v=8DDjZ2nPxW0