古田史学の会一覧

第174話 2008/05/03

古写本「九州年号」の証言

 古田先生が『失われた九州王朝』で紹介された九州年号は、その後の九州王朝研究の重要な一テーマとなりましたが、その「九州年号」という名称については、江戸時代の学者鶴峯戊申の『襲国偽僭考』に紹介された「古写本九州年号」に拠られました。その後の九州年号研究において、この「古写本九州年号」とい うものは鶴峯による創作であり、本当は無かったのではないかという論者(丸山晋司さん)もでるほど、他の文献には見られないものでした。

   ところが、本会会員の冨川ケイ子さんが、明治期の研究書に「九州年号」という史料が引用されていることを発見され、「九州年号・九州王朝説−明治25年−」という論文で発表されました(『古代に真実を求めて』8集所収)。その研究書とは今泉定介「昔九州は独立国で年号あり」で、明治25年発行の『日本史学新説』広池千九郎著に収録されており、国会図書館のホームページ内「近代デジタルライブラリー」で閲覧できます。
 こうして、「九州年号」という古写本が江戸期から明治に存在していたことは決定的となりました。ところが、実はこの「九州年号」という名称そのものが九州王朝説を証明する論理性を有しているのです。すなわち、九州地方に近畿天皇家に先だって年号を公布してきた王朝が存在していたという意味を、この「九州年号」という名称は前提としているからです。古田先生による九州王朝説発表よりもはるか昔に「九州年号」という古写本が存在していたことは、偶然の一致で はなく、九州王朝説は真実であるという必然の帰結であり、そうした論理性を示しています。
 日本古代史学界の学者や、九州王朝説反対派はこの史料事実と論理性に対して、全く反論できていません。この30年来、じっと無視・沈黙しているのです。 裸の王様(日本古代史学界・九州王朝説反対派)は、さぞ辛いことでしょう。30年来、「王様は裸だ!」と言い続けられているのですから。本会のホームページの存在も辛いことでしょう。歴史を研究しようとする青年達は、インターネットの時代ですから、必ず本会のホームページを目にするに違いありません。その 時、真実の歴史(古田説)を知ってしまった若者を、学校の大和朝廷一元史観教育で洗脳できるのも、いつまででしょうか。
   なお、付言しますと宇佐八幡宮文書に『八幡宇佐宮繋三』という史料があります。同書は、元和三年(一六一七)五月、神祇卜部兼従が編纂した宇佐宮の縁起書ですが、その中に、次のような興味深い記事があります。

 「文武天皇元年壬辰大菩薩震旦より帰り、宇佐の地主北辰と彦山権現、當時〔筑紫の教到四年にして第廿八代安閑天皇元年なり、〕天竺摩訶陀國より、持来り給ふ如意珠を乞ひ、衆生を済度せんと計り給ふ、」
   ※〔 〕内は細注。

 細注に記された「筑紫の教到四年にして第廿八代安閑天皇元年なり」という文は、いわゆる九州年号の「教到」が天皇家とは別の筑紫地方の年号、あるいは筑紫の権力者が公布した年号であるという、編者の認識を示しています。これも古写本「九州年号」と同じ論理性を有しており、このように複数の史料が九州王 朝・九州年号説を支持しているのですが、この事に対しても「裸の王様」たちは沈黙しています。哀れというほかありません。


第170話 2008/04/20

発見!持統天皇の「建郡」詔

 4月の関西例会では、久しぶり2テーマの研究発表を行いました。九州王朝律令下の行政命令に相当する白鳳6年(666)「格」の発見や、九州王朝下の摂津職、そして、持統天皇のが696年に「建郡」の詔勅を出していたこと等を発表しました。詳細については、これから論文にして発表する予定です。

 例会の内容は次の通りでした。
 
〔古田史学の会・4月度関西例会の内容〕
  ○研究発表
  1). 「計其道里當在会稽東治之東」の新考察(神戸市・田次伸也)
  2). 九州王朝「格」の発見─難波宮と摂津職─(京都市・古賀達也)
  3). 『日本書紀』紀年の構成(たつの市・永井正範)
  4). 沖ノ島7・8(生駒市・伊東義彰、水野氏が代理解説)
  5). 「邪馬壹文庫」小屋の完成(豊中市・木村賢司)
  6). 持統天皇の建郡の詔勅─大化改新詔勅の史料批判─(京都市・古賀達也)
  7). 難波遷都と「伊勢王東国に向(ま)かる」(川西市・正木裕)
 
  ○水野代表報告
   古田氏近況・会務報告・「大化改新」論・他(奈良市・水野孝夫)


第168話 2008/04/06

発刊!『古代に真実を求めて』第11集

 古田史学の会編集の論集『古代に真実を求めて』第11集が発行されました。2007年度賛助会員(年会費5000円)には1冊進呈しています(発送中)。一般会員の方は、書店にてご注文いただくか、『古田史学会報』記載の本会書籍部(会員特価あり)にお申し込み下さい。
               掲載論文は次の通りです。古田先生の講演録・研究論文が半分を占めており、古田ファン待望の1冊となりました。(明石書店刊 2200円+税)

              ○巻頭言 古田史学の会代表 水野孝夫
              ○講演記録
               寛政原本と学問の方法 古田武彦 2007年1月 於:大阪市
               人類と日本古代史の運命─歪んだ教科書─ 古田武彦 2007年10月 於:豊中市
              ○研究論文
               寛政原本と古田史学 古田武彦
               最後の九州年号─「大長」年号の史料批判─ 古賀達也
               続・最後の九州年号─消された隼人征討記事─ 古賀達也
               不破道を塞げ─壬申の乱は九州─ 秀島哲雄
               武烈天皇紀における「倭君」 冨川ケイ子
               エクアドルの大型甕棺─倭国南海を極める。光武以って印を賜う─ 大下隆司
               皇暦実年代算定についての試案 飯田満麿
               『日本書紀』「持統紀」の真実─書紀記事の「三十四年遡上」現象と九州年号─ 正木 裕
               万葉集二十二番歌 水野孝夫
              ○フォーラム
               呪符の証言(遺稿) 林 俊彦
              ○付録
               古田史学の会・会則
               「古田史学の会」全国世話人・地域の会 名簿
               第十二集投稿募集要項
               古田史学の会 会員募集
           編集後記


第167話 2008/03/30

『古田史学会報』85号の紹介

 毎週木曜日の夜10時に放送されていた「鹿男あおによし」(フジテレビ)が終了しました。卑弥呼の時代から生きている奈良の鹿が人間の言葉を喋り出すという、楽しいフィクションでしたが、そのドラマのキーアイテムが、なんと三角縁神獣鏡。と言っても、よく見ると三角縁画像鏡のたぐいでしたが、古代史がらみという意味では、珍しいドラマでした。舞台も、奈良・京都・大阪と土地勘のある場所で、奈良文化財研究所や黒塚古墳、高松塚古墳なども登場し、毎回、楽しみに見ていました。ただ、「邪馬台国」畿内説を前提とした点は不満でしたが、この番組が縁で、古代史に興味を持つ人が増えればいいなと思います。

   さて、『古田史学会報』85号の編集が終わりました。4月8日発行です。古田先生や松本郁子さんの寄稿もあって、充実した内容となっています。お楽しみに。

『古田史学会報』85号の内容
○アガメムノン批判 ー冨川さんの反論に答えてー  古田武彦
○松本からの報告ー古田武彦講演
「学問の独立と信州教育の未来」  京都市 松本郁子
○常色の宗教改革  川西市 正木 裕
○インターネット異次元へ
「新・古代学の扉」を古田学派のデータベースへ
インターネット事務局 横田幸男
○伊倉4 ー天子宮は誰を祀るかー  武雄市 古川清久
○前期難波宮は九州王朝の副都  京都市 古賀達也
○古田史学の会 二〇〇八年度会員総会・講演会のお知らせ
○新刊のご案内『古代に真実を求めて』第十一集 古田史学の会編
○古田史学の会 関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・書籍部 書籍特価販売のお知らせ
○古田史学の会 二〇〇八年度会費お支払いのお願い


第165話 2008/03/16

例会発表のコツ

 昨日の関西例会から発表時間制限(30分)が設けられましたが、慣れないためか時間超過や途中省略などもありました。日本思想史学会など一般の学会では発表時間制限があるのは当然ですので、事前に何度も練習をして、本番にのぞみます。その際、時間超過は他の発表者や聴講者の迷惑になりますので、きびしく注意されます。これから徐々に発表も上手くなっていかれると思いますが、良い機会ですので、私なりの発表のコツを紹介したいと思います。

 まず、例会発表は研究成果や新発見を発表する場であり、講演会ではありません。したがって、アイデアをダラダラと述べたり、最後まで聞かないと何の発見なのかわからないようではダメです。最後になってやっとわかるのは推理小説の場合は良いのですが、研究発表では不適切です。
 ですから、最初の5分間ぐらいで、何を論証しようとするのか発表テーマの概要について、大枠をまず説明することです。その結果、聞く側もテーマを把握し、心の準備をすることができ、理解がはかどります。
 その際、従来説が何故問題なのか、どのような疑問があるのかも説明しておくと良いでしょう。それがあると、発表される新説がどのように解決するのだろうか と、ワクワク感を抱かせて、集中して聞いて貰えます。なお、研究発表に於いて、従来説や先行説の事前調査は不可欠です。
 次に、論証です。論証とは発表者が「こう思う」「こう思いたい」ということではありません。誰が考えても「そうとしか思えない」あるいは「こう考えるのが最も蓋然性が高く合理的」と、聞いている人が納得できる論理性のことです。ここを勘違いされている発表が、残念ながら少なくありません。アイデアや思いつきの羅列は、論証とは言いません。
 そして、論証する上で不可欠なものが史料根拠です。史料根拠無しの「新説」は単なる思いつきであり、学問的方法ではありませんので、よくよく注意して下さい。
 最後にレジュメの準備ですが、史料根拠に使用する文献の引用掲載はしておきましょう。それがあると、短時間での説明に便利ですから。そして、30分間の内、25分で発表を終え、少なくとも5分間は質疑応答のために残しておくべきです。制限時間一杯の発表は、質問を物理的にさせないこととなり、研究者として不誠実な態度に映ります。
 発表者にとっても、聴講者にとっても貴重な30分です。学問のため有意義に使いたいものです。なお、3月例会の内容は次の通りでした。竹内さんや正木さんの発表は特に優れたもので、会報での発表が待たれます。
 
  〔古田史学の会・3月度関西例会の内容〕
  ○研究発表
  1). 小人の処世術(豊中市・木村賢司)
  2). 藤原宮造営材の調査と運搬(奈良市・飯田満麿)
  3). 記紀・万葉集・風土記を結ぶ(大阪市・前原耿之)
  4). 両面宿儺伝説についての一考察(岐阜市・竹内強)
  5). 『日本書紀』の構成(たつの市・永井正範)
  6). 聖武詔報の再検討ー「白鳳以来、朱雀以前」の新理解ー(京都市・古賀達也)
  7). 伊勢王と筑紫君薩夜麻の接点(川西市・正木裕)
  8). 纏向型古墳の解説(生駒市・伊東義彰)
  9). 『周髀算経』の史料紹介(神戸市・田次伸也)
  10).元暦稿本『万葉集』巻第一の「裏書」の史料紹介(相模原市・冨川ケイ子)
 
  ○水野代表報告
   古田氏近況・会務報告・九州王朝複数宮都説・他(奈良市・水野孝夫)

第360話 2011/12/11 会報投稿のコツ(4)


第162話 2008/02/19

古田先生からの朗報

 2月16日の関西例会途中で、木村賢司さんの携帯に古田先生から電話がありました。古田先生は群馬県のとある病院で手術を受けられていたのですが、その手術が大成功だったというものでした。古田先生自らのお電話での報告に、例会参加者は胸をなで下ろしました。例会後の懇親会でも、手術成功を祝って乾杯をしました。『古田史学会報』4月号にも古田先生の寄稿が予定されており、これで益々お元気に活躍されることと思います。
 2月例会の発表は次の通りです。なかでも、竹村順弘さんの報告はミトコンドリアやY染色体の科学的な解説を伴ったもので、非常に参考になりました。定年退職後、中国留学されている会員の青木さんが一時帰国を利用して、例会に参加されるなど、関西例会は参加者や発表者が増えて、回を重ねる毎に充実してきました。
 なお、今回より発表者増加に伴い、発表の事前申請や時間制限(原則30分)などの運用が始まりましたので、ご理解とご協力の程、お願いいたします。

〔古田史学の会・2月度関西例会の内容〕
○研究発表
1). 故郷への手紙(豊中市・木村賢司)
2). 一寸千里の法2(交野市・不二井伸平)
3). 谷本茂氏「古代史研究の方法について」への反論(神戸市・田次伸也)
4). 南米先住民と日本人のDNA比較─ミトコンドリアと染色体(木津川市・竹村順弘)
5). ナゾの写真の史料批判・九州年号─未知の文献3件(相模原市・冨川ケイ子)
6). 岐須美々は蔵耳(大阪市・西井健一郎)
7). 常陸国風土記に見る「天下立評」(川西市・正木裕)
8). 沖ノ島6(生駒市・伊東義彰)
9). 『日本書紀』における帝紀的記事・他(たつの市・永井正範)

○水野代表報告
  古田氏近況・会務報告・八代海の大宮姫伝説・他(奈良市・水野孝夫)


第158話 2008/02/03

『古田史学会報』84号の紹介

 『古田史学会報』84号の編集が終わりました。2月11日の発行予定です。本号の特におすすめは冨川ケイ子さんと松本郁子さんの2稿です。冨川稿は、古田先生のソクラテス研究に触発され発見されたテーマで、関西例会でも好評を得たものです。松本さんは松本深志高校時代の古田先生に触れた紀行文で、古田ファン必見の一文でしょう。ご期待下さい。

○トロイの木馬 相模原市 冨川ケイ子
○新刊紹介『なかった 真実の歴史学』第4号 古田武彦 直接編集
○明日香皇子の出征と書紀・万葉の分岐点 川西市 正木 裕
○自我の内面世界か俗流政治の世界か
  ─漱石『心』の理解を巡って(二)─ 豊中市 山浦 純
○連載小説「彩神」第十二話
  シャクナゲの里(5) 深津栄美
○松本深志の志に触れる旅
  ―輝くすべを求めて― 京都市 松本郁子
○高良大社系古文書と九州王朝系図 奈良市 飯田満麿
○【書評】松本郁子著
  『太田覚眠と日露交流─ロシアに道を求めた仏教者』(古賀達也)
○年頭のご挨拶 三人寄れば文殊の知恵 古田史学の会代表 水野孝夫
○古田史学の会入会のご案内
○古田史学の会ホームページ『新・古代学の扉』紹介
○古田史学の会 関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・書籍部 書籍特価販売のお知らせ
○事務局便り


第157話 2008/1/20

九州王朝論の独創と孤立

 昨日は古田先生による新年講演会が開かれました。今後は著書執筆に専念されるため、特段の事情のない限り、古田先生の講演会は行われないとのことで、遠方からも多くの聴講者が集まりました。「九州王朝論の独創と孤立について」という演題で、最近の研究テーマとともに、社会体制が変わっても、その体制に都合の良い「歴史観」が採用されるだけであり、そうではなく、真実のための歴史観を獲得しなければならないと、情熱を込めて話されました。講演内容は『古代に真実を求めて』12集に掲載されることになると思います。
 講演に先立ち、午前中は関西例会が行われ、短里研究で著名な谷本茂さん(会員)の研究発表がありました。短里はなかったとする田次伸也さん(会員)への反論で、質疑応答では他の参加者も交えて、激しい論争になりました。例会への初参加者は、その激しさに驚かれたようですが、古田史学の会・関西例会ならではの光景で、面目躍如といったところです。
   講演後は古田先生を囲んで、40名近くで新年会を開催し、盛り上がりました。ペルーから筏で日本まで航海するプロジェクトの関係者などもご参加いただき、楽しい一夕でした。
   常連組は引き続き3次会へと突き進み、四国から参加された阿部さん(古田史学の会・四国 副会長)、合田さん(古田史学の会・全国世話人)を交えて、親睦を深めました。

  〔古田史学の会・1月度関西例会の内容〕
  ○研究発表
  1). 古代史研究の方法について−田次伸也氏の所論を巡って−(神戸市・谷本茂)

  ○水野代表報告
   古田氏近況・会務報告・伊勢穴津は淡海=八代海に面していた・他(奈良市・水野孝夫)

  ○古田武彦氏新年講演会
   九州王朝論の独創と孤立について(古田武彦)


第155話 2007/12/16

藤原宮の冨本銭

 昨日の関西例会で、藤原宮から出土した地鎮祭用と思われる壺に納められた9枚の冨本線について、わたしの見解を述べました。飛鳥池工房跡から出土した冨本銭の発見は、古代貨幣研究に重要な一石を投じましたが、今回の藤原宮跡から出土した冨本銭も、更に貴重な問題を提起しました。

 飛鳥池の冨本銭発見は、『日本書紀』天武12年条の銅銭記事が歴史事実であったことを指し示したのですが、ならば同時に記された銀銭の存在も歴史事実と考えざるをえません。しかし、今回の地鎮祭で用いられたと思われる壺にあったのは銅銭の冨本銭でした。なぜ、より価値の高い銀銭ではなく、冨本銅銭が用いられたのでしょうか。
 それは、その銀銭が大和朝廷ではなく九州王朝の貨幣だったからと思われます。先の天武12年条の記事は銀銭の使用を禁じ、銅銭を用いるようにと命じた記事なのですが、これは九州王朝の銀銭に変わって、自らが飛鳥池で鋳造した冨本銭を流通させるという意味だったのです。このように考えることにより、『日本書紀』の記事や藤原宮出土の冨本銭の意味が明らかになるのです。
 持統らは自らの宮殿建設にあたり、九州王朝の銀銭に代えて、自ら鋳造した冨本銭を用い、王権の安泰と新たな列島の代表者たらんとする意志と願いを込めたのではないでしょうか。9枚の冨本銭と、一緒に入っていた9個の水晶玉は、九州王朝にかわり、自らが「九州」(日本列島)を統治するという政治的野心の現れと思われるのです。
   なお、関西例会の発表内容は次の通りでした。
 
  〔古田史学の会・12月度関西例会の内容〕
  ○研究発表
  1). 淡海乃海・近江の道(豊中市・木村賢司)
  2). 岐須美々命と石窟の土蜘蛛(大阪市・西井健一郎)
  3). 「実測値」と「机上の計算値」(交野市・不二井伸平)
  4). 「明日香村発掘調査報告会2007/12/08」に参加して(木津川市・竹村順弘)
  5). 「丁亥年」刻字紡錘車の史料批判(京都市・古賀達也)
  6). トロイの木馬(相模原市・冨川ケイ子)
  7). 書紀から導かれる「斉明死去」以降の歴史の真実(川西市・正木裕)
  8). 沖ノ島5(生駒市・伊東義彰)
 
  ○水野代表報告
   古田氏近況・会務報告・天草の古名「苓州」・他(奈良市・水野孝夫)


第153話 2007/11/25

『古田史学会報』83号の紹介

 『古田史学会報』83号の編集がほぼ終わりました。12月初旬の発行予定です。今号にはめずらしく文芸評論ともいうべき山浦さんの原稿を掲載しました。 『なかった』創刊号、二号に掲載された田遠清和氏の論文「『心』という迷宮−漱石『心』論」への批判です。どちらの説が正しいかは読者の判断に委ねますが、今後の論争の展開が楽しみです。

               
  ○北九州の古代を訪ねて
    古田史学の会・四国 副会長 阿部誠一
  ○コバタケ珍道中(九州編)  木津川市 竹村順弘
  ○薩夜麻の「冤罪」III  川西市 正木 裕
  ○淡海をはしる  京都市 古賀達也
  ○自我の内面世界か俗流政治の世界か
    ─漱石『心』の理解を巡って(一)─  豊中市 山浦 純
  ○伊倉 3 ─天子宮は誰を祀るか─  武雄市 古川清久
  ○林俊彦さんとのえにし 早すぎる古代史の戦士の死
    東大阪市 横田幸男
  ○林俊彦さんを悼む  古田史学の会代表 水野孝夫
  ○古田史学の会 関西例会のご案内
  ○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
  ○古田史学の会・書籍部 書籍特価販売のお知らせ
  ○古田武彦氏新年講演会のご案内
  ○古田史学の会入会のご案内
  ○事務局便り


第152話 2007/11/18

『古代出雲への旅』を読む

 関和彦著『古代出雲への旅』(中公新書)を読んでいます。『出雲風土記』に基づいて江戸時代に神社巡りをした小村和四郎の旅行記の発見から、その追跡実地調査を記した読みやすく面白い本でした。特に、短里で記されている『出雲風土記』を長里で理解したため、現地の実状と一致しない様子などが、興味深く読めました。と同時に、わたしも出雲の国を巡ってみたくなりました。どなたか、短里の概念で『出雲風土記』を実地調査されてはいかがでしょうか。きっと、新発見があるはずです。
   昨日の関西例会では下記の発表がありましたが、常連の正木さん、冨川さんは快調に新発見をものにされており、頼もしい限りです。伊東さんの沖ノ島遺跡の報告も興味深い内容でした。
   インターネットを見られての初参加の方もあり、早速、本会にご入会いただきました。この日は大阪で3軒ハシゴして、今日は昼まで寝てしまいました。
 
  〔古田史学の会・11月度関西例会の内容〕
  ○研究発表
  1). 太寿・極寿(豊中市・木村賢司)
  2). 藤原不比等の実像(奈良市・飯田満麿)
  3). 第4回古代史セミナー・古田武彦の報告(豊中市・大下隆司)
  4). 明日香皇子の出征と書紀・万葉の分岐点(川西市・正木裕)
  5). 「近江大津御宇天皇代」の挽歌九首を読む(相模原市・冨川ケイ子)
  6). 沖ノ島3(生駒市・伊東義彰)
  7). 東日流王朝in『真澄全集』/「東日流」の巻(奈良市・太田斉二郎)
 
  ○水野代表報告
   古田氏近況・会務報告・伊勢州は西海道にあった・他(奈良市・水野孝夫)

 


第149話 2007/10/21

「水間君は倭王武」説

 昨日の10月例会の発表は次の通りでした。また、故林俊彦さんを偲んで、参加者全員による黙祷を行いました。ホームページを見て初めて参加された方も2名おられ、盛況でした。研究発表では林さんから教えていただいた滋賀県の甲良神社の伝承などから、雄略紀10年に登場する水間君は倭王武ではないかとする仮説を、わたしは発表しました。いわば林さんへの追悼研究発表となりました。

〔古田史学の会・10月度関西例会の内容〕
○研究発表
1). 遅ればせながら「一」の島(豊中市・木村賢司)
2). コバタケ珍道中・九州編(木津町・竹村順弘)
3).「魏晋朝短里」説とその論理(神戸市・田次伸也)
4). 『讃留霊公胤記』の紹介(向日市・西村秀己)
5). 甲良神社と水間君(京都市・古賀達也)
6). 百済の「大后」(相模原市・冨川ケイ子)
7). 薩夜麻の「冤罪」3(川西市・正木裕)
8). 磐余彦、東征する「五百箇・気吹と膽駒山(大阪市・西井健一郎)

○水野代表報告
  古田氏近況・会務報告・延喜式祝詞「出雲国造神賀詞」の解釈・他(奈良市・水野孝夫)