第493話 2012/11/18

九州王朝と近畿天皇の「婚姻」

昨日の関西例会では、「大長」木簡の実見報告と、冨本銭と和同開珎に関する文献史学と科学的成分分析に関する考察をわたしは発表しました。風邪のため頭がボーッとしていましたので、要領を得ない発表となりました。参加者の皆さん、すみませんでした。内容については「洛中洛外日記」で述べていきたい思います。
 竹村さんと正木さんからは偶然にも同じ「南島」(種子島・屋久島)に関する研究報告がありました。詳細は会報で発表されることと思います。
 今回の例会では西井さんの発表に興味を引かれました。それは九州王朝と近畿天皇家の間での「婚姻」の可能性に言及されたことです。
 列島内の代表王朝である九州王朝とナンバーツーの近畿天皇家間で「政略結婚」があったことは容易に想像されますが、今までこうした研究は古田学派内でもそれほど多くはなされてきませんでした。701年における権力交代を研究するうえで、こうした「政略結婚」という視点で古事記・日本書紀を精査すれば、九州王朝の「皇女」の存在が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
 例会の発表テーマは下記のとおりでした。
〔11月度関西例会の内容〕
1). 「自天祖降跡以逮」とは…(向日市・西村秀己)
2). 椿説弓張月と南島志(木津川市・竹村順弘)
3). すり替えられた九州王朝の南方諸島支配(川西市・正木裕)
4). 風説・九州王朝から来た孝徳(大阪市・西井健一郎)
5). 「大長」木簡の報告(京都市・古賀達也)
6). 冨本銭と和同開珎の多元的考察(京都市・古賀達也)
7). 八王子古代史セミナーの報告(明石市・不二井伸平)

○水野代表報告(奈良市・水野孝夫)
 古田先生近況・会務報告・古事記序文の「天皇」「天位」・TV大学市民講座「朝鮮時代に描かれた日本」他・安富歩『生きるための経済学』・その他

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