古田史学の会一覧

第2463話 2021/05/15

関西例会、奈良市で初開催!

 本日、奈良新聞社本社ビルで「古田史学の会」関西例会が開催されました。大阪府での緊急事態宣言が延長され、予定していたドーンセンターが使用できなくなったためで、奈良市での関西例会開催は初めてのことです。会場を提供していただいた奈良新聞社に感謝しています。
 6月は福島区民センター(参加費1,000円)で開催します。午後は恒例の古代史講演会(共催)を開催、その後、「古田史学の会」会員総会を予定しています。しかしながら、コロナ禍により変更・中止の可能性もありますので、ホームページの告知欄をご確認下さい。
 今回のリモートテストには、西村秀己さん(司会担当・高松市)、杉本三郎さん(古田史学の会・会計監査、伊丹市)、冨川ケイ子さん(古田史学の会・全国世話人、相模原市)、野田利郎さん(古田史学の会・会員、姫路市)、別役政光(古田史学の会・会員、高知市)、谷本茂さん(古田史学の会・会員、神戸市)ら10名が参加されました。
 今回の発表では、正木さんの天武紀の史料批判と『海東諸国紀』の九州年号記事との比較検証は圧巻でした。その主たる仮説は、九州王朝による常色年間(647~651)の改革記事が『日本書紀』天武10年から14年の五年間に見える大改革記事へと移動させられているというものです。この九州王朝による「常色の改革」は『日本書紀』に見える「大化の改新」に匹敵するとして、『日本書紀』の造作過程を推定されました。
 中でも、『海東諸国紀』中の九州年号記事がこの正木仮説に整合していることを明らかにされたことに驚きました。『日本書紀』が転用した九州王朝記事と『海東諸国紀』の九州年号記事が、同系列の九州王朝系史料に基づいていることをも推定させ得る仮説でした。正木さんが提唱されてきた『日本書紀』の〝34年遡り現象〟が前提にある仮説ですが、この方法論の有効性を改めて認識できた研究でした。論文発表が待たれます。
 なお、発表者はレジュメを30部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔5月度関西例会の内容〕
①天武紀の大改革記事の虚構(川西市・正木 裕)
②リンクする倭の五王と百済王の謎(大山崎町・大原重雄)
③近畿に残る金石文に関する考察(茨木市・満田正賢)
④国生み神話の再検証(八尾市・服部静尚)
⑤天孫降臨についての考察(奈良市・原幸子)

◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日)

参加費1,000円(「三密」回避に大部屋使用の場合)
06/19(土) 10:00~12:00 会場:福島区民センターより会場変更

会場変更 奈良新聞本社西館3階

〒630-8001 奈良県奈良市 法華寺町2番地4
   ※午後は古代史講演会と会員総会を開催します。
   ※コロナによる会場使用規制のため、緊急変更もあります。最新の情報をホームページでご確認下さい。

◎古代史講演会《共催》 参加費:無料
 共催:古代大和史研究会、誰も知らなかった古代史の会、市民古代史の会・東大阪、市民古代史の会・京都、和泉史談会、古田史学の会
06/19(土) 13:00~16:00 会場:福島区民センターより会場変更

会場変更 奈良新聞本社西館3階

〒630-8001 奈良県奈良市 法華寺町2番地

「考古学から見た邪馬台国 ―畿内ではありえぬ邪馬台国―」 講師:関川尚功さん
 「考古学から見た邪馬壹国 ―博多湾岸説―(仮題)」 講師:正木 裕さん
 ※講演会終了後に「古田史学の会」会員総会を開催します。会員の皆さんのご参加をお願いします。

《関西各講演会・研究会のご案内》
 ※コロナ対応のため、緊急変更もあります。最新の情報をご確認下さい。

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 05/17(月) 13:00~17:00 会場:壽光寺コンサートホール(大阪市西成区)
 「聖徳太子と仏教」 講師:服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)
 「能楽の淵源と筑紫の舞楽」 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)
 05/25(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館 交流ホールBC室
 「伊勢王③」 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)
 06/22(火) 10:00~12:00 会場:奈良新聞社本社西館3階
 「伊勢王④」 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)

◆誰も知らなかった古代史の会 会場:福島区民センター 参加費500円
 05/21(金) 中止

◆「市民古代史の会・東大阪」講演会 会場:東大阪市 布施駅前市民プラザ(5F多目的ホール) 資料代500円
 06/26(土) 14:00~16:30 「天孫降臨と神武東征 ―神話と歴史―」 講師:服部静尚さん
 07/24(土) 14:00~16:30 「邪馬壹国と卑弥呼の世界」 講師:服部静尚さん

◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都 参加費500円
 《未定》

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター(中集会室)
 《未定》


第2453話 2021/05/08

緊急告知 5月度「関西例会」会場を変更します

 大阪府の非常事態宣言が延長され、5月15日(土)に予定していた「古田史学の会」関西例会々場(ドーンセンター)の使用ができなくなりました。そこで、急遽、会場を奈良新聞本社ビルに変更することにしました。関西例会としては初めて使用する会場で、ご迷惑をおかけしますが、ご理解の程、お願い申し上げます。

 なお、6月19日(土)に福島区民センターで開催予定の「古田史学の会」会員総会、古代史講演会(共催)、午前中の関西例会については実施する方針ですが、緊急事態宣言の動向によっては変更・中止する可能性があります。ホームページなどでご確認いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

【五月度関西例会の会場】
日時 5月15(土) 10:00~17:00
会場 奈良新聞本社ビル3階セミナールーム (奈良市法華寺町2-4)
   最寄り駅:近鉄奈良線・新大宮駅 駅から北方向へ徒歩11分。
参加費 1,000円 「三密」回避による、大会場使用のため。

※主催は「古田史学の会」です。ご迷惑をおかけしますので、奈良新聞社様へのお問い合わせはご遠慮下さい。


第2447話 2021/05/03

『多元』No.163の紹介

 先日、友好団体「多元的古代研究会」の会紙『多元』No.163が届きました。一面は、服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)の論稿「禅位と傳位についての考察」です。『日本書紀』の孝徳紀と持統紀に見える「禅位」が同一王朝内での生前譲位であり、中国古典の禅位(禅譲による王朝交代での新皇帝への譲位)とは異なることに着眼した論稿です。新しい視点で、持統紀の「禅位」を九州王朝からの王朝交替に伴う表記ではないかとする仮説を提起されたものです。今後の検証と展開が楽しみなテーマではないでしょうか。
 藤田隆一さん(足立区)の論稿「秋田孝季の直筆文書」は、和田家文書「目録覚」の全文を釈文された労作です。秋田孝季の直筆であれば、貴重な史料となりますので、厳格な筆跡鑑定が待たれます。


第2446話 2021/04/30

『九州倭国通信』No.202の紹介

 「九州古代史の会」の会報『九州倭国通信』No.202が届きました。同号には拙稿「古典の中の『都鳥』考」を掲載していただきました。同稿では、古典(『万葉集』『古今和歌集』『伊勢物語』謡曲「隅田川」)に見える「都鳥(みやこどり)」とは通説のユリカモメではなく、冬になるとシベリアから博多湾岸など北部九州に飛来するミヤコドリ科のミヤコドリであることを論証しました。
 この都鳥は、博多湾岸や北部九州に都があったから、都鳥と呼ばれたのであり、九州王朝(倭国)の都がこの地にあったことの証拠ともいえます。そうでなければ、都鳥などとは呼ばれなかったはずですから。この都鳥は、白と黒の美しい模様とオレンジ色のクチバシが印象的な鳥です。
 『万葉集』では次のように詠われています。
 「船競(ふなぎほ)ふ 堀江の川の水際(みなぎわ)に 来(き)居(い)つつ鳴くは 都鳥かも」『万葉集』巻第二十(4462 大伴宿禰家持の作)


第2444話 2021/04/29

6月19日(土)古代史講演会済み

       関川尚功氏、古賀達也が講演

〝考古学から見た邪馬台国大和説

       畿内ではありえぬ邪馬台国〟

 「古田史学の会」では、6月19日(土)午後に「古田史学の会」会員総会を開催します。会場は奈良新聞本社西館3階です。関西例会でも使用している会場二部屋分を使用し、「三密」回避などコロナ対策を徹底して実施する予定です。
 同日に行う恒例の古代史講演会は、関西地区の友好団体との共催で行います。今回は外部講師に関川尚功(せきがわ ひさよし)さん(元橿原考古学研究所・所員)をお招きします。正木裕に代わり、古賀達也が「日本に仏教を伝えた僧—仏教伝来「戊午年」伝承と雷山千如寺・清賀上人—」で講演を行います。
 関川さんの近著『考古学から見た邪馬台国大和説 畿内ではありえぬ邪馬台国』(梓書院、2020年)は、大和地方の発掘調査を40年の長きにわたり行ってこられた考古学者によるものですから、古代史学界に衝撃を与えました。考古学の第一線で活躍されてきた関川さんのお話を直接お聞きできる願ってもない機会です。最新の大和の考古学について、わたしも関川さんから学びたいと思います。 

当日の午前中は「古田史学の会・関西例会」を行います。

「古田史学の会」定期会員総会・古代史講演会の案内

◆日時 6月19日(土) 13:30~17:00
 古代史講演会 13:30~16:00
 古田史学の会・会員総会 16:00~17:00
 ※御前中は「古田史学の会」関西例会 10:00~12:00

会場変更 奈良新聞本社西館3階
〒630-8001 奈良県奈良市 法華寺町2番地4会場変更

(5.19会場 大阪市福島区民センターから会場変更)

◆主催 古代大和史研究会・市民古代史の会京都・和泉史談会・誰も知らなかった古代史の会・古田史学の会
◆講師 関川尚功さん(元橿原考古学研究所・所員)
 演題 考古学から見た邪馬台国大和説 ―畿内ではありえぬ邪馬台国
 講師 古賀達也(当会代表)
 演題 「日本に仏教を伝えた僧—仏教伝来「戊午年」伝承と雷山千如寺・清賀上人—」
◆参加費 無料

6月19日会場地図

6月19日会場地図奈良新聞本社
近鉄新大宮駅北600m

考古学から見た邪馬台国大和説--畿内ではありえぬ邪馬台国

考古学から見た邪馬台国大和説–畿内ではありえぬ邪馬台国


第2441話 2021/04/23

『俾弥呼と邪馬壹国』読みどころ (その6)

大原重雄「メガーズ説と縄文土器 ―海を渡る人類」

 古田先生の『「邪馬台国」はなかった』で提起された諸説中、最も読者の評価が分かれたのが、同書最終章の一節「アンデスの岸に至る大潮流」に記された〝倭人の南米渡航説〟でした。倭人伝に見える次の記事を、倭人が太平洋を横断し、南米にあった裸国・黒歯国へ行ったと古田先生は理解されたのです。

 「また裸國・黑齒國有り。また其の東南に在り。船行一年にして至るべし。」『三国志』魏志倭人伝

 「この説は、読者がついてこれない。削除してはどうか」と編集者(注①)からの提案があり、刊行後も古田先生のご友人(最高裁判事)から「再版時に削除すべき」との忠告がありました。それでも古田先生は〝論理の導くところに従った結果〟であるため、そうした要請を謝絶されました。こうした〝いわくつきのテーマ〟を扱った論文を『俾弥呼と邪馬壹国』に収録しました。次の三編です。

○大原重雄「メガーズ説と縄文土器 ―海を渡る人類―」
○茂山憲史「古田武彦氏『海賦』読解の衝撃」
○古賀達也「バルディビア土器はどこから伝播したか ―ベティー・J・メガーズ博士の思い出―」

 なかでも大原論文は、バルディビア遺跡(エクアドル)から出土した南米最古の土器の製造技術を日本列島の縄文人が伝えたとするメガーズ博士(米、スミソニアン博物館)の説には同意できないというもので、南米大陸ではバルディビア土器よりも古い土器が出土しており、日本列島からの伝播とは断定できないとされました。もっとも、倭人が太平洋を渡った可能性までを否定されたわけではなく、考古学的出土事実に基づいて再検証を促されたものです。学問研究にとって貴重な提言ではないでしょうか。
 茂山論文は、『海賦』の記事に倭人が太平洋を横断した痕跡(イースター島のモアイ像やコンドルなどの描写、「裸人の国」「黒歯の邦」の表記がある)を古田先生が発見されたことの意義を改めて強調したものです。『海賦』は『文選』に収録された文章で、作者の木華は西晋の官僚です。すなわち、『三国志』を書いた陳寿と同時代の人物で、両者が南米にあった裸国・黒歯国を記録していたことは重要です。詳細は古田先生の『邪馬壹国の論理』(注②)をご覧下さい。
 わたしは、「縄文ミーティング」(注③)のために来日されたメガーズ博士の思い出と、当時のバルディビア土器についての学問論争を紹介しました。「洛中洛外日記」〝ベティー・J・メガーズ博士の想い出(1)~(4)〟で論じたテーマですので、ご参照下さい(注④)。

(注)
①『「邪馬台国」はなかった』は朝日新聞社から出版されたが、同書編集担当の米田保氏から「倭人の中南米への渡海説」削除の要請があった。古田先生はそれを拒絶され、米田氏も最終的に了解された。
②古田武彦『邪馬壹国の論理 ―古代に真実を求めて―』朝日新聞社、1975年。ミネルヴァ書房から復刊。
③1995年11月3日、東京の全日空ホテルで開催された。その内容は『海の古代史』(原書房、1996年)に載録されている。古田先生のご配慮により、わたしは録音係として傍聴する機会を得た。
④古賀達也「洛中洛外日記」2249~2252話(2020/10/04-6)〝ベティー・J・メガーズ博士の想い出(1)~(4)〟


第2437話 2021/04/17

進展する7世紀の九州王朝研究

 本日、ドーンセンターにて「古田史学の会」関西例会が開催されました。5月もドーンセンター(参加費1,000円)開催です。今回はZoomシステムによるリモートテストとして、西村秀己さん(司会担当・高松市)、杉本三郎さん(古田史学の会・会計監査、伊丹市)、松中祐二さん(九州古代史の会・北九州市)、萩野秀公さん(古田史学の会・会員、東大阪市)が参加されました。「古田史学の会」会員でもある松中さんは二十年来の友人で、「古田史学の会」と「九州古代史の会」との交流開始にあたっては両会の橋渡し役をしていただきました。お昼休みの役員会もリモートで実施しました。
 今回の発表はいずれも7世紀の九州王朝を対象としたもので、ハイレベルで新たな視点があり、『日本書紀』や『万葉集』を読み込んでいなければ深く理解できないようなテーマでした。特に刺激を受けたのが、服部さんと正木さんの研究でした。服部さんは、九州王朝(倭国)が受容した仏典(法華経、無量寿経)の差異に着目され、十七条憲法は女性の推古よりも、男性の多利思北孤が公布したとする方が妥当と説明されました。このような着眼点は今までにはなかったもので、新鮮でした。
 正木さんは、『日本書紀』に見える持統の伊勢行幸記事(692年)は、その34年前の九州王朝の伊勢王による糸島半島「伊勢」行幸と蝦夷国への軍事行動記事が改変転記されたものとする仮説を発表されました。持統6年の伊勢行幸記事は矛盾や誇張が大きく、言われてみればおかしな内容でした。正木説はそれらを解決できる一つの仮説と思われました。

 なお、発表者はレジュメを30部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔4月度関西例会の内容〕
①日本書紀の前から作られた太子伝説 (大山崎町・大原重雄)
②仏教と聖徳太子 ―法華経と無量寿経― (八尾市・服部静尚)
③蘇我氏の時代の近畿に関する考察 (茨木市・満田正賢)
④柿本人麻呂「近江荒都歌」の解釈について (たつの市・日野智貴)
⑤「伊勢王」の呼称と糸島なる伊勢 (川西市・正木 裕)

◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」回避に大部屋使用の場合)
05/15(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
06/19(土) 10:00~12:00 会場:福島区民センター
      ※午後は古代史講演会と会員総会を開催します。

◎古代史講演会 参加費:無料
 共催:古代大和史研究会、誰も知らなかった古代史の会、市民古代史の会・東大阪、市民古代史の会・京都、和泉史談会、古田史学の会
06/19(土) 13:00~16:00 会場:福島区民センター
「考古学から見た邪馬台国 ―畿内ではありえぬ邪馬台国―」 講師:関川尚功さん
 「考古学から見た邪馬壹国 ―博多湾岸説―(仮題)」 講師:正木 裕さん
 ※講演会終了後に「古田史学の会」会員総会を開催します。会員の皆さんのご参加をお願いします。

《関西各講演会・研究会のご案内》
 ※コロナ対応のため、緊急変更もあります。最新の情報をご確認下さい。

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 「古代大和史研究会」特別講演会のご案内
◇日時 2021/04/24(土) 13:00~17:00
◇会場 奈良新聞本社西館3階
◇参加費 500円
◇テーマ 卑弥呼と邪馬壹国『「邪馬台国」はなかった』出版50周年記念講演会
◇講師・演題(予定)
 古賀達也(古田史学の会・代表) 九州王朝官道の終着点 ―筑紫の都(7世紀)から奈良の都(8世紀)へ―
 大原重雄(『古代に真実を求めて』編集部) メガーズ説と縄文土器
 満田正賢(古田史学の会・会員) 欽明紀の真実
 服部静尚(『古代に真実を求めて』編集長) 日本書紀の述作者は中国人ではなかった
 正木 裕(古田史学の会・事務局長、大阪府立大学講師) 多賀城碑の解釈~蝦夷は間宮海峡を知っていた

 04/27(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館 交流ホールBC室
 「伊勢王」 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)
 05/17(月) 13:00~17:00 会場:壽光寺コンサートホール
 「聖徳太子と仏教」 講師:服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)
 「能楽の淵源と筑紫の舞楽」 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)
 05/25(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館 交流ホールBC室
 「伊勢王③」 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)

◆誰も知らなかった古代史の会 会場:福島区民センター 参加費500円
 05/21(金) 18:30~20:00 「『神武東征説話』の再検討② 盗まれ地降臨神話」 講師:正木 裕さん

◆「市民古代史の会・東大阪」講演会 会場:東大阪市 布施駅前市民プラザ(5F多目的ホール) 資料代500円
 05/08(土) 14:00~16:30 「天孫降臨と神武東征 ―神話と歴史―」 講師:服部静尚さん

◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都 参加費500円
 04/29(火) 13:00~16:00開催中止
開催中止 「聖徳太子と仏教」 講師:服部静尚さん
開催中止「九州王朝官道の終着点」 講師:古賀達也

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター(中集会室)
 《未定》


第2434話 2021/04/14

『古田史学会報』163号の紹介

 『古田史学会報』163号が発行されましたので紹介します。
一面の正木稿は、7世紀における九州王朝の天子の変遷について本格的に論じたもので、いずれ「九州王朝通史」として結実するものと期待しています。
日野稿は、前号掲載の西村秀己稿の問題提起「九州王朝(倭国)のナンバーワンの称号が天皇でなければ、それ以上の称号を提示すべき」に対しての一つの解答を示したもので、史料根拠を明示して、「法皇」「中皇命」とする仮説を提起されました。この日野稿に対して、西村稿では、再度批判がなされました。
服部稿では、野中寺彌勒菩薩像銘文に見える「中宮天皇」を九州王朝の女帝(倭姫王)とされました。

 わたしは、『古田史学会報』採用審査の難しさについて、特許審査の例をあげて解説しました。
163号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚程度)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。

【『古田史学会報』163号の内容】
○九州王朝の天子の系列(上) 川西市 正木 裕
多利思北孤・利歌彌多弗利から、唐と礼を争った天子の即位
○九州王朝の「法皇」と「天皇」 たつの市 日野智貴
○野中寺彌勒菩薩像銘と女帝 八尾市 服部静尚
○「法皇」称号は九州王朝(倭国)のナンバーワン称号か? 高松市 西村秀己
○「壹」から始める古田史学・二十九
多利思北孤の時代Ⅵ ―多利思北孤の事績― 古田史学の会・事務局長 正木 裕
○『古田史学会報』採用審査の困難さ 編集部 古賀達也
○2021年度会費納入のお願い
○『古田史学会報』原稿募集
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・関西例会のご案内
○各種講演会のお知らせ
○編集後記 西村秀己


第2430話 2021/04/11

『俾弥呼と邪馬壹国』読みどころ (その5)

服部静尚
「太宰府条坊の存在はそこが都だったことを証明する」

 『俾弥呼と邪馬壹国』(『古代に真実を求めて』24集)の構成は「巻頭言」の後に「総括論文」「各論」「コラム」、そして特集以外の「一般論文」からなっています。「一般論文」は会員からの投稿、『古田史学会報』などに掲載された論稿を対象に、書籍の形で後世に残すべきと編集部で判断したものを採用します。今回、採用論文選考の編集会議でわたしが最も強く推薦したのが服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)の「太宰府条坊の存在はそこが都だったことを証明する」でした。
 同論稿は『古田史学会報』150号(2019年2月)に掲載されたもので、わずか五頁の小論ですが、シンプルで頑強な論理と根拠に基づいた秀論で、古代の真実(多元史観・九州王朝説)は万人の眼前にあり、かくも簡明で頑固であるということを示す好例でした。「太宰府条坊の存在はそこが都だったことを証明する」という、この服部説について、わたしは「洛中洛外日記」1834話(2019/02/09)〝『古田史学会報』150号のご案内〟において、次のように評しました。

 〝服部さんは、太宰府条坊都市の規模が平城京などの律令官僚九千人以上とその家族が居住できる首都レベルであることを明らかにされ、太宰府が首都であった証拠とされました。この論理性は骨太でシンプルであり強固なものです。管見では古田学派による太宰府都城研究において五指に入る優れた論稿と思います。〟

 同論稿には服部さんご自身による先行論文「古代の都城 ―『宮域』に官僚約八〇〇〇人―」(注)がありますので、そちらも是非お読みいただければと思います。

(注)服部静尚「古代の都城 ―『宮域』に官僚約八〇〇〇人―」『発見された倭京―太宰府都城と官道』(『古代に真実を求めて』21集、明石書店、2018年)。初出は『古田史学会報』136号、2016年10月。


第2423話 2021/04/05

『俾弥呼と邪馬壹国』読みどころ (その1)

「巻頭言 読者の運命が変わる瞬間(とき)」を転載

 先月末に刊行した『俾弥呼と邪馬壹国』(『古代に真実を求めて』24集)の読みどころをシリーズで紹介します。まずはわたしが書いた「巻頭言 読者の運命が変わる瞬間(とき)」を転載します。本書の構成や位置づけを説明した短文です。
 元々は後半部分の〝『「邪馬台国」はなかった』のすすめ〟と一体をなすものでしたが、編集部からのご意見により分割しました。特に茂山憲史さんからは、「もっと情熱的な文章に」と叱咤していただいたことが思い出されます。

〔巻頭言〕読者の運命が変わる瞬間(とき)
     古田史学の会 代表 古賀達也

 読む人の運命を劇的に変える本があります。もし、あなたが日本古代史に関心があるならば、次の本を心からお薦めします。古田武彦著『「邪馬台国」はなかった ―解読された倭人伝の謎―』(朝日新聞社、一九七一年。ミネルヴァ書房より復刻)です。
 昭和四六年(一九七一)に発行され、ベストセラーとなった著者の古代史処女作である同書の発刊五十周年を記念して、わたしたちは本書『卑弥呼と邪馬壹国 ―古田武彦『「邪馬台国」はなかった』発刊五十周年―』(『古代に真実を求めて』二四集)を上梓しました。収録した特集論文は、いずれも「古田史学の会」の研究者による最新の研究成果から精選されたもので、先に出版した『邪馬壹国の歴史学』(ミネルヴァ書房、二〇一六年)の続編の性格も持っています。この機会に併せ読んでいただければ幸いです。
 本書の特集は総論・各論・コラムからなり、総論では『「邪馬台国」はなかった』発刊以来の歴史、著者の学説と学問の方法、提起された諸仮説の発展の高みを概観できます。各論では、その高みから諸仮説の深層をのぞき見ることができます。そして、コラムにより諸仮説の広がりを感じ取ることができるよう、工夫がこらされています。
 古田武彦氏は二〇一五年十月に鬼籍に入られましたが(享年八九歳)、その学問と学説は本書執筆陣に脈々と受け継がれています。本書を読まれたあなたにも、真実を愛する精神と情熱を共有できることでしょう。そのとき、あなたの運命は大きく変わるはずです。わたしたちがそうであったように。
  〔令和二年(二〇二〇)十二月一日、筆了〕


第2419話 2021/03/23

『俾弥呼と邪馬壹国』刊行

 本日、待望の『俾弥呼と邪馬壹国』(『古代に真実を求めて』24集)が明石書店より届きました。重要論文満載の期待通りの出来映えでした。これから発送作業に取りかかりますので、「古田史学の会」2020年度賛助会員には順次お届けします。今暫くお待ちください。
 一般書店やアマゾンからも発注できます(288頁、定価2,800円+税)。関西地区の講演会場でも特価販売を予定しています。
 掲載論文は下記の通りです。

『俾弥呼と邪馬壹国』掲載論文

《巻頭言》読者の運命が変わる瞬間(とき) [古賀達也]
『「邪馬台国」はなかった』のすすめ [古賀達也]

《特集》俾弥呼と邪馬壹国 ―古田武彦『「邪馬台国」はなかった』発刊五十周年
魏志倭人伝の画期的読解の衝撃とその余波
        ―『「邪馬台国」はなかった』に対する五十年間の応答をめぐって [谷本 茂]
改めて確認された「博多湾岸邪馬壹国」 [正木 裕]
周王朝から邪馬壹国そして現代へ [正木 裕]
女王国論 [野田利郎]
東鯷人・投馬国・狗奴国の位置の再検討 [谷本 茂]
「女王国より以北」の論理 [野田利郎]
メガーズ説と縄文土器 ―海を渡る人類 [大原重雄]
裸国・黒歯国の伝承は失われたのか? ―侏儒国と少彦名と補陀落渡海 [別役政光]
二倍年暦と「二倍年齢」の歴史学 ―周代の百歳と漢代の五十歳 [古賀達也]
白村江を戦った倭人 ―『日本書紀』の天群・地群と新羅外交 [谷川清隆]
箸墓古墳の本当の姿について [大原重雄]

 コラム①古田武彦氏『海賦』読解の衝撃 [茂山憲史]
 コラム②日本歴史の怖い話 [前田嘉彦]
 コラム③長沙走馬楼呉簡の研究 ―「都市」は官職名 [古谷弘美]
 コラム④不彌国の所在地を考察する ―弥生の硯出土の論理性 [古賀達也]
 コラム⑤バルディビア土器はどこから伝播したか
                 ―ベティー・J・メガーズ博士の想い出 [古賀達也]
 コラム⑥箸墓古墳出土物の炭素14測定値の恣意的解釈 [服部静尚]
 コラム⑦曹操墓と日田市から出土した金銀象嵌鏡 [古賀達也]

《特別寄稿》『日本書紀』推古・舒明紀の遣隋使・遣唐使 ―天群と地群 [谷川清隆]

《一般論文》
「防」無き所に「防人」無し ―「防人」は「さきもり(邊境防備の兵)」にあらず [山田春廣]
太宰府条坊の存在はそこが都だったことを証明する [服部静尚]
古代の疫病と倭国(九州王朝)の対外戦争
             ―天然痘は多利思北孤の全国統治をもたらした [正木 裕]
九州王朝官道の終着点 ―山道と海道の論理 [古賀達也]
『書紀』中国人述作説を検証する ―雄略紀および孝徳紀の倭習 [服部静尚]

 コラム⑧関東の木花開耶姫 [木村 透]

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第2417話 2021/03/21

6月19日(土)「古田史学の会」

     会員総会・講演会のお知らせ

 昨日の「古田史学の会」役員会にて、来る6月19日(土)午後に「古田史学の会」会員総会を開催することを決定しました。昨年はコロナ禍のため、開催できませんでしたが、非常事態宣言が解除される見通しとなり、二年ぶりに開催することを決断しました。他方、コロナワクチン接種会場として各地の公共施設が使用されるため、会場の確保が大変でしたが、正木事務局長のご尽力により、福島区民センターを予約できました。関西例会でも使用している会場二部屋分を使用し、「三密」回避などコロナ対策を徹底する予定です。
 同日に行う恒例の古代史講演会も関西地区の友好団体との共催で実施します。外部から講師をお招きする予定で、決まりましたら改めてお知らせします。なお、当日の午前中は「古田史学の会・関西例会」を行い、お昼休みには全国世話人会を開催します。取り急ぎ、お知らせいたします。

「古田史学の会」定期会員総会・古代史講演会の日程

◆日時 6月19日(土) 13:30~17:00
◆会場 大阪市福島区民センター

 古代史講演会 13:30~16:00
 会員総会   16:00~17:00

 ※御前中は「古田史学の会」関西例会 10:00~12:00