古田武彦一覧

第652話 2014/01/28

「古田史学の会」の創立と使命

 わたしが「市民の古代研究会」の事務局長を辞任し、退会せざるを得なかった経緯をのべてきましたが、一連の状況を理事会の外から見てこられた山崎仁禮男さんによる「私の選択 なぜ古田史学の会に入ったか」が『古田史学会報』創刊号 (1994.06)に掲載されていますので、是非ご一読下さい。
 「市民の古代研究会」を退会するにあたり、わたしは共に戦ってくれた少数の古田支持の理事に、電話で「市民の古代研究会」を退会することと新組織を立ち 上げる決意を伝えました。中村幸雄さん(故人)からは、「古賀さんがそう言うのを待ってたんや。あんな人ら(反古田派理事)とは一緒にやれん。古田はんと一緒やったらまた人は集まる。一からやり直したらええ」と励ましていただきました。水野さんにも行動を共にしてほしいとお願いしたところ、「古賀さんと進退を共にすると、わたしは言ったはずだ」と快諾していただきました。
 そして古田先生にも会を乗っ取られたお詫びと事情を説明しました。古田先生からは「藤田さんはどうされますか」と聞かれ、「行動を共にされます」と返答したところ、「それはよかった」と安心しておられました。何故、会が変質したのか、どうすれば変質しない会を作れるのか悩んでいることを先生に打ち明けた ところ、「7回変質したら、飛び出して8回新しい会を作ったらよいのです」と叱咤激励していただき、わたしは決意を新たにしました。
 「古田史学の会」設立に当たり、最初に決めたのが水野さんを会代表とする人事と、会の目的(使命)でした。それは次の4点です。

1.古田武彦氏の研究活動を支援協力する。
2.古田史学を継承発展させる。
3.古田武彦氏の業績を後世に伝える。
4.会員相互の親睦と研鑽を深め、楽しく活動する。

 特に4番目は古田先生からのアドバイスを受けて取り入れました。先生らしい暖かいご配慮でした。そして次に取りかかったのが「会の運営方法とかたち」を決める、会則作りでした。(つづく)


第647話 2014/01/22

「よみがえった筑紫舞30年記念イベント」

 来る3月2日(日)福岡市で開催される古田先生の講演会の案内が下記の通り届きましたのでお知らせします。「古田史学の会・四国」では参加者を募って団体旅行(担当:合田洋一さん・「古田史学の会」全国世話人)として参加されます。「古田史学の会・関西」でも竹村順弘さん(「古田史学の会」全国世話人)らが連れだって参加されます。
 入場無料です。多くの皆さんのご参加をお願いいたします。なお聞くところによれば、当日の福岡市中心部のホテルは予約で満杯とのこと。少し離れた場所のホテルの方が予約がとりやすいかと思われます。

「よみがえった筑紫舞 30年記念イベント」報告
   -宮地嶽黄金伝説-

日時 2014年3月2日(日)
会場 アクロス福岡 イベントホール
  (福岡県福岡市中央区天神1-1-1 ℡092-725-9111)
 地図

第一部 講演(3:00‐4:30pm)
 「よみがえった宮地嶽古墳黄金の太刀」
  九州国立博物館 赤司善彦
第二部 九州王朝と筑紫神舞(4:45-6:45pm)
 [1](4:45-5:45pm)
 記念講演 「筑紫舞と九州王朝」
  講師 古田武彦
 [2](6:00-6:45pm)
 筑紫神舞奉納
  演舞者:宮地嶽神社神職

(入場料は無料です)


第643話 2014/01/12

賀詞交換会の御報告

 昨日、I-siteなんばで「古田史学の会」賀詞交換会を開催し、古田先生に講演していただきました。講演要旨は『古田史学会報』に掲載しますが、項目と内容について一部御報告します。
 冒頭、「古田史学の会」水野代表よりあいさつがなされ、「古田史学の会・東海」の竹内会長、「古田史学の会・四国」の合田さんからもごあいさつをいただきました。わたしからは、今年の「古田史学の会」出版事業計画の報告をしました。
 古田先生の講演は次のような内容でした(文責・古賀達也)。

○靖国参拝問題について
 『祝詞』「六月の晦(つごもり)の大祓」に「安国」が見える。そこにある「天つ罪」「国つ罪」は具体的で、その「罪」を明確にしている。
 「戦争犯罪」を犯した人物も祀る靖国神社には、こうした「罪」の記述がない。「罪」を具体的に記した『祝詞』とは異なる。
 同時に、中国や朝鮮も日本人虐殺の歴史(元寇など)があるが、「記述」されていない。
 アメリカ軍も日本占領時に日本人婦女子を陵辱したが、このことも伏せられている。GHQが報道させなかった。古今未曾有の戦争犯罪は広島・長崎の原爆投下である。このような戦争犯罪は歴史上なかった。
 自国の悪いことも、相手国の悪いことも共に明らかにし、「罪」として述べることが大切である。これが『祝詞』の精神である。これが「安国」の本来の姿である。

○「言素論」について
 中国語の中にある「日本語」の研究は重要テーマである。たとえば、「崩」(ほう)の字は「葬(ほうむ)る」という日本語からきているのではないか。『礼 記』に見える「昧(まい)は東夷の楽なり」の「昧」は日本語の「舞(まい)」のことではないかとする結論に達していたが、最高人物に対する用語である 「崩」まで日本語であったとすれば、まだ断言はしないが、わたしとしては驚いている。

○『東日流外三郡誌』について
 日本国家が『東日流外三郡誌』記念館・秋田孝季記念館を作ることを提案する。「和田家文書」と言っているが、本来は「秋田家文書」であり、更に遡れば 「安倍家文書」である。この安倍家は安倍首相の先祖である。寛政原本だけでなく、安本美典氏らの偽作説の文献も全て記念館に保存し、将来の「証拠」として 残しておくべき。いずれ真実は明らかとなる。

○アメリカは何故東京に原爆を落とさなかったか
 アメリカ軍は皇居に爆弾を落とさなかった。うっかりミスではない。毎回の爆撃で一回も皇居を意図的には爆撃しなかった。勝った後に天皇家を利用するために、皇居を爆撃しなかった。だから原爆を東京に落とさなかった。
 アメリカ軍はあらかじめ広島の地形を航空写真で完全に調べてから、人体実験として広島に原爆を落としたのである。同様にアメリカは皇居の航空写真を撮っ ていたはずである。その写真に基づいて、爆撃から皇居を外したのである。アメリカにとって、「万世一系」の天皇家は戦後統治のために必要だったのである。 九州王朝はなかったとする大嘘に基づいて、現在も「万世一系」の歴史観が利用されているのである。
 権力を握ったら自分の歴史を飾り、嘘を本当の歴史であるかのように作り直している、と秋田孝季は言っている。秋田孝季の思想からみれば、人類の歴史の中 で国家は発生し、なくなっていくものである。宗教も同様で、宗教がある時代から無い時代へと変わっていく。歴史学とはいかなる権力・宗教にも迎合すること なく、真実を明らかにする学問である。

○井上章一さんの『真実に悔いなし』書評紹介
 ロシアに「ヤナ川」がある。これは日本語であるとの指摘がロシア側の学者からも出されている。方向としてはロシアから日本へ伝播した可能性が高い。
 沿海州の「オロチ族」の「おろち」は「やまたのおろち」の「おろち」と同源である。

 ※「シベリア物語」の歌(古田先生が歌われる)
 「荒れ果てて けわしきところ イルトゥーイシの不毛の岸辺に エルマルクは座して 思いにふける」

 「イルトゥーイシ」は「イルトゥー」までがロシア語で、「イシ」は日本語ではないか。「イ」は神聖なという意味、「シ」は生き死にする場所の「シ」である。「君が代」にも「イシ」がある。「さざれいし」の「いし」とは、神聖な生き死にする場所という意味ではないか。
 日本の地名に「いし」がやたらとでてくるので、石の「いし」なのか、神聖な場所の「いし」なのかを調べてみればよい。自分で調べてから発表すればよいと 言われるかもしれないが、わたしは明日死ぬかもしれないので、今のうちに言っておきます。わたしは早晩死んでいきますが、皆さんにあとをついでほしい。

(古田先生の詩)
 偶詠(ぐうえい) 古田武彦 八十七歳
竹林の道 死の迫り来る音を聞く (12/24)
天 日本を滅ぼすべし 虚偽の歴史を公とし通すとき (12/23)


第640話 2014/01/01

古田先生を迎えて新年賀詞交換会のご案内済み

 新年あけましておめでとうございます。
 わたしは久留米の実家で新年を迎えています。「古田史学の会」では今年も様々な事業を計画しています。新年最初の行事として、1月11日(土)には恒例の新年賀詞交換会を大阪市のI-siteなんば(大阪府立大学なんばキャンパス)にて、古田先生をお迎えして開催します。皆様のご参加をお待ちしています。

第643話 2014/01/12 賀詞交換会の御報告

 当日の午前中には「古田史学の会」全国世話人会を開催します。1月18日(土)には新年最初の関西例会を開催します。今年も素晴らしい研究発表が続出することと思います。
 『古代に真実を求めて』17集の編集会議も開催しますが、17集からは大幅なリニューアルを検討しています。そして米寿を迎えられた古田先生のお祝いの特集も予定しています。
 『古代に真実を求めて』とは別に「古田史学の会」で編集を進めていた、古田史学による遺跡ガイド(九州編)も年内にもミネルヴァ書房より発行されるはこびです。
 3月には筑紫舞の宮地嶽神社奉納30周年を記念して、福岡市で古田先生の講演会が開催されるとのこと。詳細が決定されましたら、ご案内します。
 「洛中洛外日記」も皆様の期待に応えられるよう、内容を広く深く充実させたいと願っています。本年も皆様のアクセスとご教導のほど、よろしくお願い申しあげます。


第617話 2013/11/02

古田武彦自伝『真実に悔いなし』を読む

 ミネルヴァ書房から出された古田先生による自伝『真実に悔いなし』を少しずつ読み進めています。普通、古田先生の新著は 一気に読んでしまうのですが、今回は少しずつ丁寧に読むことにしました。今まで古田先生からおりにふれてお聞かせいただいた先生の歩まれた人生やその思い出が、先生自らにより詳しく記されており、感慨深く読んでいます。
 将来、「古田武彦伝」を優秀な若者により執筆されることを想像していたのですが、古田先生ご自身による自伝として刊行されたことに、ミネルヴァ書房にも 感謝しています。古田ファンや古田学派研究者にとって必読の一冊です。読了しましたら、また読後感を書きたいと思います。


第595話 2013/09/14

古田武彦著『失われた日本』復刻

 ミネルヴァ書房より古田先生の『失われた日本 — 「古代史」以来の封印を解く』が「古田武彦古代史コレクション17」として復刻されました。同書は1998年に出版された本で、わたしにとっても特に印象に残る一冊です。
 冒頭の第1章「火山の日本-列島の旧石器・縄文」は「二つの海流に挟まれた火山列島、それが日本である。この事実がこの国の歴史を規定してきた。日本人 には、そしていかなる権力者といえども、この運命をまぬがれることはできないのである。」という印象的な文章で始まります。
 そして各章には古田史学の中心的テーマがコンパクトにまとめられており、その学説の真髄がよく理解できるよう配慮されてます。そうしたことからも、古田ファンや古田史学の研究者の皆さんには是非ともお手元においていただきたい一冊です。たとえば、第8章「年号の歴史批判 — 九州年号の確証」は年号研究の基礎的認識を深める上でも、とても重要な論文です。わたしも、読むたびに新たな刺激を受けています。
 最終章の「歴史から現代を見る」は本居宣長批判や村岡典嗣先生の研究にもふれられており、日本思想史上でも重要な論文です。村岡先生の写真なども掲載されており、貴重です。
 そして同書末尾には、復刻にあたり書き下ろされた「日本の生きた歴史(17)」が掲載されており、近年の古田先生の研究動向の一端に触れることができます。その最後を古田先生は次の一文で締めくくられています。

 わたしは、本居宣長の「孫弟子」です。なぜなら、東北大学で学んだときの恩師、村岡典嗣先生は「本居宣長」研究を学問の出発点とされた方です。(略)中でも、「本居さんはね、いつも『師の説に、な、なづみそ。』と言っています。これが学問です。“わたしの説に拘泥する な。”ということですね。」
 この言葉は、十八歳のわたしの耳と魂に沁みこみ、その後のわたしの一生の学問研究をリードしてくれました。そして今、八十六歳の現在に至っているのです。
 この運命の一稿によって、わたしはこれを本居さんの眼前に呈することができた。それを深く誇りといたします。(引用終わり)

 「『師の説に、な、なづみそ。』本居宣長のこの言葉は学問の真髄です。」と、わたしは三十代の若き日に、古田先生から繰り返し繰り返し聞かされてきました。わたしもこの言葉を生涯の学問研究の指針として、大切にしていきたいと思います。


第581話 2013/08/16

古田先生自伝刊行記念講演会のご案内済み

 この二ヶ月ほど出張が連日のように続き、かなりバテています。円安による輸入原材料価格高騰の影響で、価格改定交渉のため全国を飛び回ってきまし た。お盆明けには鹿児島・宮崎出張や上海出張も予定されており、体力回復に努めています。早く本来業務のマーケティングや開発に戻りたいものです。
 本日、ミネルヴァ書房の神内冬人さんが拙宅までみえられ、古田先生の研究自伝『真実に悔いなし』刊行記念講演会の案内チラシをいただきました。明日の「古田史学の会」関西例会で配布します。内容は次のとおりです。是非、お越しください。

「真実の歴史を求めて -私の歩んで来た道、歩み行く道-」

 講師 古田武彦

 講演内容
 ○これまでの学究生活を振り返る
 ○最新の研究成果、発見について
 ○『真実に悔いなし』(シリーズ「自伝」my life my world)「古田武彦・歴史への探究」刊行を機に

 ※講演終了後、質疑応答、書籍販売(サイン本も有)を予定しています。

 とき 9月21日(土)13時30分~16時

 ところ 京都教育文化センター
     京都市左京区聖護院川原町4-13
        電話075-771-4221

 定員 350名(先着順に座席をご用意しております)

 参加費 1000円(当日受付でお支払い下さい)

 主催 ミネルヴァ書房

 

(お問い合わせ・お申し込み)

 電話・FAX・はがき・Eメールでお申し込み下さい。先着順にて受け付けますので、定員になり次第、締め切りとさせて頂きます。
 氏名・住所・電話番号・参加人数を連絡して下さい。
 〒607-8494 京都市山科区日ノ岡堤谷町1番地
 株式会社ミネルヴァ書房内 古田武彦講演会「真実の歴史を求めて」事務局:石原

 電話 075-581-0296
 FAX 075-581-0589
 E-mail eigyo@minervashobo.co.jp


第558話 2013/05/19

古代ギリシアの「従軍慰安婦」

 昨日の関西例会で、わたしは古代ギリシアの「従軍慰安婦」というテーマでクセノポン著『アナバシス』にギリシア人傭兵部隊に娼婦が多数従軍していたという記事があることを紹介しました。
 ソクラテスの弟子であるクセノポンが著した「上り」という意味の『アナバシス』は、紀元前401年にペルシアの敵中に取り残されたギリシア人傭兵1万数 千人の6000キロに及ぶ脱出の記録です。クセノポンの見事な采配によりギリシア人傭兵は故国に帰還できたのですが、その記録中に娼婦のことが記されてい ます。アルメニア山中の渡河作戦の途中に次の記事が突然現れます。

 「占者たちが河(神)に生贄を供えていると、敵は矢を射かけ、石を投じてきたが、まだこちらには届かなかった。生贄が吉 兆を示すと、全軍の将士が戦いの歌を高らかに唱して鬨の声をあげ、それに合わせて女たちもみな叫んだ−−隊中には多数の娼婦がいたのである。」岩波文庫 『アナバシス』(169頁)

 この娼婦たちはギリシア本国から連れてきたのか、遠征の途中に「合流」したのかは不明ですが、将士の勝ち鬨に唱和して叫んでいることから、前者ではないかと推定しています。
 昨今、物議を醸している橋下大阪市長による「慰安婦」発言もあったことから、いわゆる「従軍慰安婦」が紀元前400年頃の記録に現れている例として紹介 しました。この問題は他国への侵略軍・駐留軍が避けがたく持つ「性犯罪」「性問題」が人類史的にも根が深い問題であり、ある意味では橋下市長の発言を契機 に、より深く考える時ではないかと思います。「建前」だけの議論や、単なるバッシングでは沖縄の米兵による性犯罪をはじめ、世界各地の侵略軍・駐留軍により恐らくは引き起こされているであろう各種の問題を解決できないことは明白です。歴史学や思想史学が机上の学問に終わらないためにも、真剣に考えるべきテーマではないでしょうか。
 5月例会の発表は次の通りでした。なお、6月例会は「古田史学の会」会員総会・記念講演会などのため中止となりました。

 

〔5月度関西例会の内容〕
1). シキの考察−−西村説への尾鰭(大阪市・西井健一郎)
2). 古代に忌み名(諱)の習俗はあったのか(八尾市・服部静尚)
3). 歩と尺の話(八尾市・服部静尚)
4). 古田史学会インターネットホームページ運営報告(東大阪市・横田幸男)
5). 古代ギリシアの「従軍慰安婦」(京都市・古賀達也)
6). 和気(京都市・岡下秀男)
7). 「室見川の銘板」の解釈について(川西市・正木裕)
8). 「実地踏査」であることを踏まえた『倭人伝』の距離について(川西市・正木裕)
8). 味経宮のこと(八尾市・服部静尚)
9). 史蹟百選・九州篇(木津川市・竹村順弘)

○水野代表報告(奈良市・水野孝夫)
古田先生近況・会務報告・会誌16集編集遅れ・新東方史学会寄付金会計報告の件・行基について・その他 


第533話 2013/03/04

古田武彦著『俾弥呼(ひみか)の真実』

 「編集とはかくあるべきか」。ミネルヴァ書房から出版された古田先生の新著
『俾弥呼の真実』を一読しての感想です。本当に見事な一冊と言うほかありません。同書は「古田史学の会」の友好団体「古田武彦と古代史を研究する会(東京
古田会)」の機関紙「東京古田会NEWS」に連載された古田先生の論稿を分野別に編集されたものです。同会渾身の「作品」ともいうべきものでしょう。
   わたしも「古田史学の会」著作物の編集作業に関わっていますので、編集作業の難しさ、大切さをわかっているつもりですが、『俾弥呼の真実』では見事な
テーマ別分類という編集により、古田先生の思想と学問が系統だって分かりやすく読み続けられるよう工夫されています。それは次の目次を一見しただけでも感
じ取ることができるでしょう。

 第一篇 俾弥呼のふるさと
 第二篇 俾弥呼の時代
 第三篇 真実を語る遺物・出土物
 第四篇 抹消された史実
 第五篇 もう一つの消された日本の歴史 — 和田家文書

 よくこれほどわかりやすく興味を持って読み進められるよう分類されたものだと感心しました。東京古田会による同シリーズは更に二冊が予定されているとのこと。今から楽しみにしています。皆さんにも是非お勧めします。


第532話 2013/03/02

「植本祭」のご案内
       
       
         

 正木裕さんのご尽力により、大阪府立大学なんばキャンパスに古田史学コーナー
が設けられます。古田先生の著作などを書架に並べることになりますが、3月9日に「植本祭」が開催されることになりました。正木さんから下記の案内が寄せ
られましたので、転載します。皆さんのご参加をお待ちしています。

 4月に難波にオープンする大阪府立大学なんばキャンパス「I-siteなんば」に古田史学コーナー(200冊程度収
納)を設けることとなりました。ついては、3月9日(土)13時からのプレオープンセレモニー「植本祭」に、古田史学のセッションを持ち、本の書架入れを
おこないます。
 古田史学関係の本を1冊以上持ち寄れば誰でも参加できます。終了後は学長他も参加するネットワーキングパーティ(2000円)もあります。是非ご参加ください。
 植本祭に関する大学のHPは
 http://opu.is-library.jp/
 「I-siteなんば」の住所は、大阪市浪速区敷津東2-1-41南海なんば第1ビル2・3階
 アクセスは、南海電鉄難波駅 なんばパークス方面出口より南約800m 徒歩12分
  地下鉄なんば駅(御堂筋線)5号出口より南約1,000m 徒歩15分
  地下鉄大国町駅(御堂筋線・四つ橋線)1号出口より東約450m 徒歩7分です。


第530話 2013/02/23

中嶋嶺雄さんを悼む
 2月14日、中嶋嶺雄さん(国際教養大学学長)が亡くなられました。76歳とのこと。中嶋さんの訃報をわたしは名古屋のホテルのテレビニュースで知りました。大変残念でなりません。心よりお悔やみ申し上げます。
 中嶋さんは松本深志高校での古田先生の教え子で、新・東方史学会の会長でもあり、陰に陽に古田先生を応援されてきました。松本深志時代の若き古田先生とのエピソードを「洛中洛外日記」第6話「中嶋嶺雄さんと古田先生」で紹介していますので、是非ご覧ください。
 古田先生も中嶋さんのご逝去を大層残念がっておられました。「古田史学会報」4月号に弔辞をご寄稿いただくことになりました。中嶋嶺雄さんのご冥福をお祈り申し上げます。


第523話 2013/02/09

『古田史学会報』114号の紹介

 『古田史学会報』114号が発行されましたのでご紹介します。久しぶりに古田先生から原稿をいただきました。『続日本紀』宣命中の本居宣長による原文改訂を批判されたもので、新たな問題提起です。今後の展開が楽しみです。
 札幌市の阿部周一さんの論稿「吉野と曳之弩」では、吉野が『日本書紀』に「曳之弩」(えしの・えしぬ)とする表記があることに注目され、軍事拠点として
の「吉野」論を展開されました。亡くなったわたしの父も「斉明天皇陵」がある朝倉の「恵蘇(えそ)」を「よそ」と発音していたことを思い出しました。
「え」と「よ」の音韻変化の一例だったのかもしれません。
 掲載稿は次の通りで、いずれも読みごたえのある論文です。

〔『古田史学会報』114号の内容〕
○「高天原」の史料批判  古田武彦
○続・前期難波宮の学習  京都市 古賀達也
○吉野と曳之弩  札幌市 阿部周一
○『正法輪蔵』の中の九州年号  京都市 岡下英男
○碾磑と水碓 史料の取り扱いと方法論  豊中市 大下隆司
○会報原稿募集
○新年のご挨拶  代表 水野孝夫
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会 関西例会のご案内
○編集後記