関西例会一覧

第2340話 2021/01/05

1月16日(土) 新春古代史講演会のご案内済み

 既にお知らせしていますように、来る1月16日(土)に新春古代史講演会を開催します。本年は、古田武彦著『「邪馬台国」はなかった』発刊から50周年を記念して、同書によせた講演三題をお届けします。古田先生が提唱された邪馬壹国説における最新研究を「古田史学の会」の研究者3名が発表します。

 わたしからは、倭人伝に記された倭国の二倍年暦が古代戸籍(大宝二年籍)にまで影響が及んでいることを報告させていただきます。正木裕さん(古田史学の会・事務局長、大阪府立大学講師)からは、邪馬壹国博多湾岸説を証明する最新の考古学的成果などが紹介されます。谷本茂さん(古田史学の会・会員)からは、「古田史学の会」関西例会でも注目され論争にもなった投馬国・狗奴国に関する新説が発表されます。
 昨年から続くコロナ禍の中での講演会ですが、広い会場を使用して三密を回避し、手指の消毒・マスク着用の要請などの対策をとります。お誘い合わせの上、ご参加いただきますようお願い申し上げます。なお、コロナの影響により緊急中止の恐れもありますので、ホームページにご注意いただきますようお願い申し上げます。

 古田史学の会 令和三年新春古代史講演会
 ~『「邪馬台国」はなかった』発刊50周年によせて~

□日時 1月16日(土) 13:30~17:00 (開場13時)

□会場 I-site なんば 大阪府立大学なんばサテライト
〔アクセス〕
○地下鉄大国町駅(御堂筋線・四つ橋線)1号出口より東約450m 徒歩7分
○南海電鉄難波駅なんばパークス方面出口より南約800m 徒歩12分
○地下鉄なんば駅(御堂筋線)5号出口より南約1,000m 徒歩15分

□参加費(資料代) 千円 ※午前中の「古田史学の会」関西例会にも参加できます。

□主催:古田史学の会 協力:古代大和史研究会 誰も知らなかった古代史の会 和泉史談会 市民古代史の会・京都 市民古代史の会・八尾

□講師と演題
 谷本 茂 「道行読法」と投馬国・狗奴国の位置
 正木 裕 改めて確認された「博多湾岸邪馬壹国説」
 古賀達也 古代戸籍に見える二倍年暦の痕跡


第2327話 2020/12/19

ハイブリット型リモート例会のテスト実施

 本日、ドーンセンターにて「古田史学の会」関西例会が開催されました。次回は01/16(土)に関西例会(午前)と新春古代史講演会(午後)をi-siteなんば(大阪府立大学なんばサテライト 2F)で開催します。参加費は終日でも1,000円です。ふるってご参加下さい。広めの会場を確保し、コロナ対策は従来通り実施します。

 今回の例会では、久冨直子さん(『古代に真実を求めて』編集部)の企画立案に基づき、多くの機材を会場に持ち込んで、Zoomシステムによるハイブリット型(会場参加+リモート参加)例会のテストを実施しました。持ち込んだ主な機材は、パソコン4台・撮影用カメラ3台・高性能集音マイク2基・Zoom画面映写用プロジェクター・レジュメPDF化用スキャナー・端末切り替えスイッチャーなどで、10時からの例会に間に合うよう、早朝から機材を搬入しました。このシステム選定にあたっては、11月に開催された八王子セミナー(古田武彦記念古代史セミナー2020)のハイブリッド型システムを参考にさせていただきました。
 ハウリングなど若干の音響トラブルが発生しましたが、全般的には好調な滑り出しでした。機器・システムの運転管理をしていただいた竹村順弘さん(古田史学の会・事務局次長)と久冨さん、関東からリモートテストに参加された冨川ケイ子さん(古田史学の会・全国世話人)をはじめ、会場でのリモート参加テストをしていただいた茂山憲史さん(『古代に真実を求めて』編集部)他、ご協力頂いた皆さん、ならびに機材を持ち寄っていただいた方々に御礼申し上げます。
 今回得た知見に基づき、引き続きテストを実施する予定です。ハード面での安定したシステム構築ができましたら、関西例会リモート参加費・同規定などの運用面の検討を行います。必要経費(ランニングコスト)については、関西例会参加者からの参加費により賄えるとのことです。いよいよ、わたしたち「古田史学の会」も新たなステージに立つ時代を迎えました。全国の会員の皆様のご支援をお願い申し上げます。

 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔12月度関西例会の内容〕
①十二年後差説による九州王朝系近江朝(たつの市・日野智貴)
②倭姫王と額田王(茨木市・満田正賢)
③大陸棚地の移住民(大山崎町・大原重雄)
④大化年号の検討 野中寺彌勒菩薩像を見て(八尾市・服部静尚)
⑤飛鳥から国が始まったのか(八尾市・服部静尚)
⑥トカラ記事と「驛」記事(東大阪市・萩野秀公)
⑦「鬼滅の刃」と九州王朝(京都市・古賀達也)
⑧法隆寺金堂「薬師如来坐像」は利歌彌多弗利の為に造立された(川西市・正木 裕)

◎事務局長報告(正木事務局長)
関西各地の講演会の案内

◆「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」回避に大部屋使用のため)
 01/16(土) 10:00~12:00 会場:i-siteなんば ※午後は新春古代史講演会
02/20(土) 10:00~17:00 会場:福島区民センター(※参加費500円)

◆新春古代史講演会 2021年1月16日(土) 13:30~17:00 (受付開始13:00) 会場:i-siteなんば(大阪府立大学なんばキャンパス) 参加費1,000円 ※午前は関西例会。午前・午後通しの参加費も1,000円です。
 ①「道行き読法」と投馬国・狗奴国の位置〈仮題〉
  講師:谷本 茂さん(古田史学の会・会員)
 ②裏付けられた「邪馬壹国の中心は博多湾岸」〈仮題〉
  講師:正木 裕さん(古田史学の会・事務局長、大阪府立大学講師)
 ③古代戸籍に遺された二倍年暦の痕跡 ―『大宝二年籍』『延喜二年籍』の史料批判―〈仮題〉
  講師:古賀達也(古田史学の会・代表)

《各講演会・研究会のご案内》
◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都 参加費500円
 12/22(火) 18:30~20:00 「古代戸籍に記された超・長寿社会の謎 ―『大宝二年籍』『延喜二年籍』の真相―」 講師:古賀達也

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 12/22(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館交流ホールBC室
    「多利思北孤の時代⑤」 講師:正木 裕さん

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール 参加費500円
 01/09(土) 14:00~16:30 「白村江での敗戦と唐からやってきた進駐軍」「筑紫都督府と壬申の乱」 講師:服部静尚さん
 03/13(土) 14:00~16:30 「天皇と三種の神器」「王朝交代」 講師:服部静尚さん

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター(中集会室)
 01/12(火) 14:00~16:00 「河内・和泉の大王と丁未の乱」 講師:正木 裕さん

◆誰も知らなかった古代史の会 会場:福島区民センター 参加費500円
 02/02(火) 18:30~20:00 「未定」


第2319話 2020/12/13

リモート会議のテスト

 昨晩、Zoomシステムを使用して、「古田史学の会」の役員・編集部員有志によるリモート会議のテストを実施しました。久冨直子さん(『古代に真実を求めて』編集部)のご提案と準備によるもので、「古田史学の会」としては初めての試みでしたが、大きなトラブルもなく、わりとスムーズに行えました。わたしは仕事でTeamsを使ったことはあるのですが、Zoomは初めてで若干不安でしたが、画像が左右反転していたことを除けば、画質も音質も問題ありませんでした。
 このシステムは「古田史学の会」役員会や四役会議にも使えそうです。今まで、「古田史学の会」の運営や意思決定のために、役員会は関西例会の会場でお昼休みに開催していました(例会に参加されている一般の会員もおられる中でのオープンな会議です)。コロナ禍のため、関西例会が開けなくなったときは、役員会も開催できず困っていましたが、これからはリモート会議で緊急時の対応ができそうです。
 わたしはZoomにまだ不慣れですので、皆さんに教えていただきながら参加します。将来的には古田史学の発信などにも使用できればと期待しています。準備にご尽力いただいた久冨さんや正木事務局長、横田さん(インターネット事務局)、テストにご参加いただいた方々に御礼申し上げます。


第2302話 2020/11/22

『日本書紀』の「称制」記事を疑う

 昨日、福島区民センターにて「古田史学の会」関西例会が開催されました。次回12/19(土)はドーンセンターで開催します。
 今回の研究発表で最も興味深かったのが服部さんの『日本書紀』に見える「称制」の研究でした。『日本書紀』には神功と天智、持統による称制記事がありますが、中国史書に見える「称制」とは、まだ幼い天子の代理として母親(皇太后)などが政治を行うことを意味しています。他方、『日本書紀』では、天智や持統は前の天皇(斉明、天武)が亡くなってから「称制」しており、本来の意味での「称制」ではないことを疑問視され、持統は九州王朝の天子との関係における「称制」であったことを『日本書紀』は隠したとされました。「称制」の定義などについて反対意見も出されましたが、服部説はするどい着眼点であり、『古田史学会報』での発表が待たれます。
 例会後の懇親会では、関西例会をズームやスカイプにより配信することについて、意見交換がなされました。こちらも、実施に向けて検討を続けます。
 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔11月度関西例会の内容〕
①海女の玉取伝説(高松市・西村秀己)
②古事記・日本書紀の編纂に関する一考察(茨木市・満田正賢)
③元号の始まり(八尾市・服部静尚)
④称制とは何か(八尾市・服部静尚)
⑤昔話の主役の老人の意味と古代の家族構成について(大山崎町・大原重雄)
⑥書紀に探る蘇我氏東漸の痕跡(大阪市・西井健一郎)
⑦九州王朝の国号(京都市・岡下英男)
⑧『古事記』に見える「驛」記事(東大阪市・萩野秀公)
⑨『隋書』と俀国・多利思北孤・端政(川西市・正木 裕)

◎事務局長報告(正木事務局長)
(1)例会初参加者(2名)の自己紹介
(2)新入会員の報告
(3)八王子セミナー(古田武彦記念古代史セミナー2020)の報告(古賀・久冨さん)
(4)関西各地の講演会の報告と紹介
(5)南秀雄「古墳時代における都市化の実証的研究」(大阪市文化財協会のweb版紹介)
(6)福岡県古賀市船原古墳出土「玉虫入り馬具」、京都府与謝野町大風呂南1号墳出土「ガラス釧(くしろ)」報道の紹介
(7)五尺刀と糸島の宇陀(宇田川原)の紹介

◆「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」回避に大部屋使用のため)
 12/19(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
 01/16(土) 10:00~12:00 会場:i-siteなんば ※午後は新春古代史講演会
02/20(土) 10:00~17:00 会場:福島区民センター(※参加費500円)

◆新春古代史講演会 2021年1月16日(土) 13:30~17:00 (受付開始13:00) 会場:i-siteなんば(大阪府立大学なんばキャンパス) 参加費1,000円 ※午前は関西例会。午前・午後通しの参加費も1,000円です。
 ①「道行き読法」と投馬国・狗奴国の位置〈仮題〉
  講師:谷本 茂さん(古田史学の会・会員)
 ②裏付けられた「邪馬壹国の中心は博多湾岸」〈仮題〉
  講師:正木 裕さん(古田史学の会・事務局長、大阪府立大学講師)
 ③古代戸籍に遺された二倍年暦の痕跡 ―『大宝二年籍』『延喜二年籍』の史料批判―〈仮題〉
  講師:古賀達也(古田史学の会・代表)

《各講演会・研究会のご案内》
◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都 参加費500円
 12/22(火) 18:30~20:00 「古代戸籍に記された超・長寿社会の謎 ―『大宝二年籍』『延喜二年籍』の真相―」 講師:古賀達也

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 12/22(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館交流ホールBC室
    「多利思北孤の時代⑤」 講師:正木 裕さん

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール 参加費500円
 01/09(土) 14:00~16:30 「白村江での敗戦と唐からやってきた進駐軍」「筑紫都督府と壬申の乱」 講師:服部静尚さん
 03/13(土) 14:00~16:30 「天皇と三種の神器」「王朝交代」 講師:服部静尚さん

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター
 12/08(火) 14:00~16:00 「未定」 講師:未定

◆誰も知らなかった古代史の会 会場:福島区民センター 参加費500円
 12/01(火) 18:30~20:00 「周王朝から邪馬壹国へ ―『倭人伝』の官名『泄謨觚・柄渠觚・兕馬觚』の謎を解く」 講師:正木 裕さん
 02/02(火) 18:30~20:00


第2276話 2020/10/28

2021年新春古代史講演会の予告

 「古田史学の会」役員会は恒例の新春古代史講演会(大阪市)の開催を決定しました。これまでのコロナ自粛から本格的な活動再開へと舵を切りたいと思います。とは言え、行政からの要請による必要な対策は継続します。詳細は後日あらためてお知らせしますが、下記の内容で準備を進めています。
 11月に開催される「古田武彦記念古代史セミナー2020(八王子セミナー)」へ関西から参加予定の3名を講師として、同じテーマを発表していただきます。関東(八王子市)までは遠くて参加しにくい関西の皆様には、同セミナーの発表内容を聞ける良い機会となるのではないでしょうか。多くの皆様のご参加をお願い申し上げます。

《2021年新春古代史講演会の概要》
□日時 1月16日(土)の午後 ※午前中は関西例会を開催します。
□会場 I-siteなんば(大阪府立大学なんばキャンパス)
 ※「定員の半分まで」の使用制限があるため、広い部屋を予約しました。
□参加費 1000円
□講師:講演テーマ ※古田武彦記念古代史セミナー(八王子セミナー)と同テーマ。
 谷本茂さん(古田史学の会・会員):「道行き読法」と投馬国・狗奴国の位置
 正木裕さん(古田史学の会・事務局長、大阪府立大学講師):裏付けられた「邪馬壹国の中心は博多湾岸」
 古賀達也(古田史学の会・代表):古代戸籍に見える二倍年暦の影響―「延喜二年籍」「大宝二年籍」の史料批判―


第2264話 2020/10/17

7世紀末の王朝交替「禅譲」説

 本日、「古田史学の会」関西例会が開催されました。わたしは今月も発表させていただきました。テーマは古代中国における二倍年暦(二倍年齢)についてです。人の寿命を百歳と表記する周代史料群と、その半分の五十歳とする漢代史料群を紹介し、その寿命表記の二倍の差は、先行した周代の二倍年暦に由来すると考えざるを得ないとしました。服部さんや日野さんから厳しい質問や批判をいただきましたので、更なる史料根拠の明示と論証力の高上に努めたいと思います。
 大原さんからは、インドネシアのクラカタウ(クラカトア)火山の噴火の年が文献(『南史』)と火山灰層研究により535年であり、その噴火により地球全体の気候変動をもたらしたこと、火山灰層層位が遺跡の編年に使用できることなどが紹介されました。535年の翌年に九州年号が「僧聴」に改元されており、気象変動による農作物の不作や疫病発生などによる改元かもしれません。以前、「古田史学の会」で記念講演していただいた中塚武先生の酸素同位体比年輪年代法によれば、534年・536年・537年に日本では大干ばつが発生しているとのことで、これもクラカタウ火山の噴火の影響と思われます。
 日野さんからは『日本書紀』に見える三人の「倭姫(媛)」(垂仁天皇の娘、継体天皇の妃、天智天皇の皇后)について、個人名というよりも何らかの「官(役)職名」ではないかとする仮説が発表されました。倭人伝にも「使大倭」という国名の「倭」を用いた役職名が見えることなどを根拠とされました。有力な仮説ではないでしょうか。
 今回の発表で、わたしがもっとも注目していたのが服部さんの「九州王朝天子よりの禅譲で文武天皇は即位した」という仮説でした。先月、わたしが発表した〝王朝統合と交替の新古代史 ―文武・元明「即位の宣命」の史料批判―〟の内容と対応するものでしたので、結論には大賛成ですが、はたして論証できるのだろうかと半信半疑で聞いていました。ところが、『続日本紀』文武元年(697)十二月二八日条の正月拝賀(賀正礼)禁止命令を九州王朝の天子に対する拝賀禁止とされ、その二日後の二年正月一日には文武天皇への拝賀が「大極殿」で実施されたことを根拠に、文武は天皇即位時に九州王朝から禅譲を受けていたとされました。この論証により服部説は成立しており、有力な見解と思われました。
 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔10月度関西例会の内容〕
①継体・安閑・宣化期の二つの可能性について(茨木市・満田正賢)
②九州王朝天子よりの禅譲で文武天皇は即位した(八尾市・服部静尚)
③大噴火と天岩戸神話と埴輪祭祀(大山崎町・大原重雄)
④トランプ大統領の過ちと聖武天皇の過ち(川西市・正木 裕)
⑤「倭姫」という称号について(たつの市・日野智貴)
⑥消息往来―書簡の読みと所在の考察(京都市・岡下英男)
⑦二倍年暦と「二倍年齢」の歴史学 ―周代の百歳と漢代の五十歳―(京都市・古賀達也)
⑧「博徳書書内の「驛」記事について」の検証の続き(東大阪市・萩野秀公)
⑨深草の屯倉記事について(東大阪市・萩野秀公)

◆「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」の回避に大部屋使用のため)
 11/21(土) 10:00~17:00 会場:福島区民センター(※参加費500円)

《各講演会・研究会のご案内》
◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都 参加費500円
 10/20(火) 18:30~20:00 「能楽の中の古代史(3)」 老松~飛梅と筑紫の神松伝承~ 講師:正木 裕さん

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 10/27(火) 10:00~12:00 会場:奈良新聞社西館3階
    「多利思北孤の時代③ 「聖徳太子」の「遣隋使」はなかった」 講師:正木 裕さん
 11/17(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館交流ホールBC室
    「多利思北孤の時代④」 講師:正木 裕さん
 12/22(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館交流ホールBC室
    「多利思北孤の時代⑤」 講師:正木 裕さん

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール 参加費500円
 11/03(火・祝) 14:00~16:00 ①「大化の改新」と難波京 ②条坊都市はなぜ造られたのか 講師:服部静尚さん

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター
 11/10(火) 14:00~16:00 「なぜ蛇は神なのか」 講師:大原重雄さん
             「法隆寺薬師像は実は釈迦像だった」 講師:服部静尚さん
 12/08(火) 14:00~16:00 「未定」 講師:未定

◆誰も知らなかった古代史の会 会場:福島区民センター 参加費500円
 12/01(火) 18:30~20:00 「周王朝から邪馬壹国へ ―『倭人伝』の官名『泄謨觚・柄渠觚・兕馬觚』の謎を解く」 講師:正木 裕さん

《古田武彦記念古代史セミナー2020》(八王子セミナー)
 11/14~15 大学セミナーハウス(東京都八王子市)
 新型コロナ対策として、Zoomを使ったオンライン+現地参加の「ハイブリッド方式」での開催となりました。オンライン参加6,000円、現地参加15,000円。


第2236話 2020/08/20

明治天皇の即位の宣命と「不改常典」

 先日の「古田史学の会」関西例会では『続日本紀』元明天皇の即位の宣命に初めて見える「不改常典」について研究発表しました。その要旨は、天智の近江朝が九州王朝からその権威を引き継いだ宣言こそ「不改常典」の内実ではないかとするものでした。そしてそれは「禅譲」に近いものではないかと推定しました。
 しかし、『日本書紀』は九州王朝の存在や、天智がその権威を継承したことを隠していますし、宣命で述べられた天智天皇が定めた「不改常典」という言葉さえも掲載していません。ですから、『日本書紀』成立後(720)の聖武天皇や孝謙天皇らの即位宣命にも「不改常典」のことが記されてはいるものの、初代の神武天皇を近畿天皇家の権威の淵源とする『日本書紀』の大義名分と、天智天皇が定めた権威の淵源「不改常典」との関係が不明瞭です。
 ところが、この天智天皇が定めた法(「不改常典」法)と『日本書紀』の大義名分の両方含む即位の宣命があります。それは慶應四年(1868)八月二十七日に発布された明治天皇の即位の宣命です(翌九月に「明治」に改元)。当該部分を紹介します。

 「掛(かけまくも)畏(かしこ)き近江の大津の宮に、御宇(あめのした)しろしめし、天皇の初め賜ひ定め賜へる法の随(まま)に、仕え奉(まつる)と仰せ賜ひ授け賜ひ」
 「橿原の宮に御宇しろしめし、天皇の御(おん)創(はじ)めたまへる業(わざ)の古(いにしへに)基(もとづ)き、大御世を弥(いや)益々に、吉(よ)き御代と固(かため)成(な)し賜はむ」

 このように、近世においても天智天皇と神武天皇の二人が皇室の歴史的権威の淵源とされていることは興味深いことと思います。

【明治天皇の即位の宣命 原文】
 「現神止大洲国所知須、天皇我詔旨良万止宣布勅命乎、親王諸臣百官人等、天下公民衆聞食止宣布。掛畏伎平安宮爾、御宇須倭根子天皇我、宜布此天日嗣高座乃業乎、掛畏伎近江乃大津乃宮爾、御宇志、天皇乃初賜比定賜倍留法随爾、仕奉止仰賜比授賜比、恐美受賜倍留御代々乃御定有可上爾、方今天下乃大政古爾復志賜比弖、橿原乃宮爾御宇志、天皇御創業乃古爾基伎、大御世袁弥益々爾、吉伎御代止固成賜波牟、其大御位爾即世賜比弖、進毛退毛不知爾恐美坐佐久止宣布大命乎、衆聞食止宣布。(後略)」


第2235話 2020/08/19

王朝統合と交替の古代史論争

 本日、「古田史学の会」関西例会が開催されました。わたしは久しぶりの発表です。会員の皆さんの発表を優先するために、なるべく例会での発表は遠慮していたのですが、正木裕さん(古田史学の会・事務局長)からの要請もあり、「洛中洛外日記」で連載した文武・元明「即位の宣命」の史料批判について発表させて頂きました。厳しい質問や批判もよせられましたが、新たな発見もあり、有意義でした。
 今回の例会では、服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)からの、大化二年(646)改新詔の舞台は難波宮で、九州王朝による七世紀中頃のものとする研究発表は説得力があり勉強になりました。同改新詔は九州年号の大化二年(696)に出されたものが、『日本書紀』編纂時に「大化」年号ごと50年遡らされたとわたしは考えてきましたが、今回の服部さんのご指摘により、それほど単純なものではなく、詳細な見直しが必要であることに気づきました。自説の誤りや不十分さに気づくことができるのも、関西例会の醍醐味で、ありがたいことです。
 正木さんの発表は、謡曲・能などの古典芸能に強い正木さんならではのものでした。能楽「老松」が九州王朝の近江遷都の傍証になるというもので、会報での発表が待たれます。
 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔9月度関西例会の内容〕
①欽明紀の真実(茨木市・満田正賢)
②女王国論(姫路市・野田)
③古くて新しい今城塚古墳(大山崎町・大原重雄)
④能楽「老松」と九州王朝の近江遷都(川西市・正木 裕)
⑤改新詔は九州王朝によって難波宮で宣勅された(八尾市・服部静尚)
⑥王朝統合と交替の新古代史 ―文武・元明「即位の宣命」の史料批判―(京都市・古賀達也)
⑦博徳書内の「驛」記事について(東大阪市・萩野秀公)

◆「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」の回避に大部屋使用のため)
 10/17(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
 11/21(土) 10:00~17:00 会場:福島区民センター(※参加費500円)

《各講演会・研究会のご案内》
◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都
 10/20(火) 18:30~20:00 「能楽の中の古代史」 講師:正木 裕さん

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 09/29(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館
    「多利思北孤の時代② 仏教を梃とした全国統治」 講師:正木 裕さん
 10/27(火) 10:00~12:00 会場:奈良新聞社西館3階
    「多利思北孤の時代③ 「聖徳太子」の「遣隋使」はなかった」 講師:正木 裕さん

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール
 10/03(土) 14:00~16:00 ①「古代瓦と飛鳥寺院」 ②「法隆寺の釈迦三尊像と薬師像」 講師:服部静尚さん
 11/03(火・祝) 14:00~16:00 ①「大化の改新」と難波京 ②「条坊都市はなぜ造られたのか」 講師:服部静尚さん

◆「泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター
 10/13(火) 14:00~16:00 「疫病と古代の戦争 ―『聖徳太子』は天然痘で薨去した」 講師:正木 裕さん
 11/10(火) 14:00~16:00 「なぜ蛇は神なのか」 講師:大原重雄さん
             「法隆寺薬師像は実は釈迦像だった」 講師:服部静尚さん
 12/08(火) 14:00~16:00 「未定」 講師:未定

◆誰も知らなかった古代史の会 会場:福島区民センター
 10/06(火) 18:30~20:00 「疫病と古代の戦争 ―『聖徳太子』は天然痘で薨去した」 講師:正木 裕さん
 12/01(火) 18:30~20:00 「周王朝から邪馬壹国へ ―『倭人伝』の官名『泄謨觚・柄渠觚・兕馬觚』の謎を解く」 講師:正木 裕さん

《古田武彦記念古代史セミナー2020》(八王子セミナー)
 11/14~15 大学セミナーハウス(東京都八王子市)
 新型コロナ対策として、Zoomを使ったオンライン+現地参加の「ハイブリッド方式」での開催となりました。オンライン参加6,000円、現地参加15,000円。


第2221話 2020/09/02

9月15日(火)、

京都市で講演「万葉の色と染め」します

 7月末に永年勤めた化学会社を定年退職しました。生活のリズムが大きく変わりましたが、ようやく新生活にもなれてきました。そこで9月15日(火)に開催される「市民古代史の会・京都」主催講演会で講演させていただくことにしました。
 「万葉の色と染め」というテーマで、〝理系の古代史〟という視点から古代日本の染色技術の解説とその技術が現代の先端科学に受け継がれていることなどを紹介します。また、今上天皇即位礼で着られた〝黄櫨染の御袍〟についても化学的に説明します。
 会場は京都駅前の「キャンパスプラザ京都」で、交通アクセスは抜群です。開始は18:30からで、コロナ対策は万全を期します。皆さんのご参加をお願いいたします。10月は正木裕さん(古田史学の会・事務局長)が「能楽の中の古代史」について講演されます。

◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都
 09/15(火) 18:30~20:00 「万葉の色と染」 講師:古賀達也
 10/20(火) 18:30~20:00 「能楽の中の古代史」 講師:正木 裕さん


第2110話 2020/08/22

旧石器捏造事件の想い出

 本日、「古田史学の会」関西例会が開催されました。司会の西村秀己さん(全国世話人、高松市)が所用で参加されなかったので、正木裕さん(古田史学の会・事務局長)に司会進行を担当していただきました。わたしはご町内(上京区梶井町)の地蔵盆のため、1時間ほど遅刻しましたので、服部さんの発表を聞けませんでした。そこで、お昼の休憩時間に概要を教えていただきました。
 今回の発表では、大原さん(『古代に真実を求めて』編集部)による、旧石器捏造事件の解説は特に印象的でした。当時、特定人物による旧石器の発見が続出したことを疑問視する考古学者は少なくなかったのですが、学界の「権威」に対して沈黙したこと、事件には「共犯者」がいたとする見解などが紹介されました。そして、「事件を風化させない継続的な働きかけや考古学への外部チェックのような存在として古田史学はその役割を発揮しなければならないのではないか」と締めくくられました。
 旧石器捏造事件が発覚する前に、古田先生はその捏造の当事者に会われたことがあるとお聞きしました。その後、「古田史学の会・仙台」がその人物に講演をお願いしたところ、急に態度がよそよそしくなり、交流が途絶えたとのことです。そしてその直後に捏造事件が明るみになったことなど、わたしは大原さんの発表を聞いていて思い出しました。
 正木さんからは『隋書』や『日本書紀』に見える、中国(隋・唐)と日本(九州王朝・近畿天皇家)との国書や交流記事についての古田先生の説が初期の頃と晩年とでどのように変化したのかについて解説され、それぞれの問題点とその解決案についての発表がありました。かなり重要で複雑な論証を含む内容ですので、別の機会に改めて論じたいと思います。
 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔8月度関西例会の内容〕
①秦韓慕韓問題(八尾市・服部静尚)
②倭地周旋と邪馬台国論(姫路市・野田利郎)
③風化させてはならない旧石器捏造事件(大山崎町・大原重雄)
④欽明天皇の存在にまつわる不可思議(茨木市・満田正賢)
⑤「驛」記事の検証(東大阪市・萩野秀公)
⑥『書紀』の「小野妹子の遣唐使」記事とは何か(川西市・正木 裕)

◆「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」の回避に大部屋使用のため)
 09/19(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
 10/17(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
 11/21(土) 10:00~17:00 会場:福島区民センター(※参加費500円)

《各講演会・研究会のご案内》
◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都
 09/15(火) 18:30~20:00 「万葉の色と染」 講師:古賀達也
 10/20(火) 18:30~20:00 「能楽の中の古代史」 講師:正木 裕さん

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 09/29(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館
    「多利思北孤の時代② 仏教を梃とした全国統治」 講師:正木 裕さん
 10/27(火) 10:00~12:00 会場:奈良新聞社西館3階
    「多利思北孤の時代③ 「聖徳太子」の「遣隋使」はなかった」 講師:正木 裕さん

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール
 09/12(土) 14:00~16:00 ①「九州王朝」と「倭国年号」の世界 ②「盗まれた天皇陵」 講師:服部静尚さん
 10/03(土) 14:00~16:00 ①「古代瓦と飛鳥寺院」 ②「法隆寺の釈迦三尊像と薬師像」 講師:服部静尚さん
 11/03(火・祝) 14:00~16:00 ①「大化の改新」と難波京 ②「条坊都市はなぜ造られたのか」 講師:服部静尚さん

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター

全て順延したので削除

 

《古田武彦記念古代史セミナー2020》(八王子セミナー)
 11/14~15 大学セミナーハウス(東京都八王子市)
 新型コロナ対策として、Zoomを使ったオンライン+現地参加の「ハイブリッド方式」での開催となりました。オンライン参加6,000円、現地参加15,000円。


第2188話 2020/07/19

『二中歴』年代歴の「不記」は「不絶」か

 昨日、「古田史学の会」関西例会が開催されました。今回は発表者が10人もあり、質疑応答込みで30分ずつという短時間での発表となりました。事前に発表者にはこのことが伝えられていたこともあり、各人ともしっかりと時間厳守で発表されました。関西例会常連の発表とはいえ、お見事でした。
 プロの学会ではこれが当たり前ですから、短時間で要領よく研究論旨をまとめて発表するスキルが求められます。原稿をそのまま読み上げるというスタイルではなく、詳細についてはレジュメを参加者に後で読んでもらうことにして、論証要旨を口頭で解説するという発表スタイルがこれからは求められるでしょう。
 今月の例会でも先駆的で優れた報告が何件もありました。中でも、『二中歴』年代歴の記事「已上百八十四年年号卅一代〈不記〉年号(以下略)」の虫食い文字についての、谷本さんの新説には意表を突かれました。従来は「不記」とされてきた虫食い部分の文字について、尊経閣文庫本と国会図書館本の当該部分をデジタル画像処理され、その画像から、虫食い部分の文字は「不絶」の可能性があり、そうするほうが文脈上妥当な理解が可能になるとされました。従来説の「不記」でよいとするわたしの説とは異なりますが、新たな研究手法と従来説の弱点(文意が不自然)を克服できる仮説ですので、『古田史学会報』への投稿を要請しました。
 この他にも、『日本書紀』の「磐井の乱」記事に転用されている『芸文類聚』記事の分析から、「磐井の乱」記事は九州王朝で成立したものが『日本書紀』に転用されているとする仮説が服部さんから発表されました。転用された『芸文類聚』記事の分析という、古田学派としては初めての「磐井の乱」研究方法であり、触発されました。
 正木さんからは、『日本書紀』の大化年間頃に藤原京造営記事が移されているとする仮説が発表されました。九州王朝系記事が九州年号「大化」と共に50年移動されているものがあるという従来の研究方法を更に徹底されたものです。『日本書紀』編纂方法に迫る一つの仮説と論理を妥協せず徹底すると、とうとうここまで来たのかと感慨深く思いました。
 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔7月度関西例会の内容〕
①石井の乱から生まれた九州新朝(大阪市・西井健一郎)
②継体二題〈継体天皇と女系天皇・磐井の乱は南征だった〉(八尾市・服部静尚)
③古墳の前方部の付加と埋葬施設の増改築(大山崎町・大原重雄)
④敏達紀日羅記事の捉え方について(茨木市・満田正賢)
⑤『二中歴』・年代歴の「不記」への新視点(神戸市・谷本 茂)
⑥日野智貴氏に答える―「俀国=倭国」説は成立する―(京都市・岡下英男)
⑦『古事記』「人代篇」の「倭」について(たつの市・日野智貴)
⑧「女王国の東」の証言(姫路市・野田利郎)
⑨移された「藤原宮」の造営記事(川西市・正木 裕)
⑩『記紀』の「驛」、「駅制」について(東大阪市・萩野秀公)

◆「古田史学の会」関西例会(8月は第四土曜日に変更) 参加費1,000円
 08/22(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター

《各講演会・研究会のご案内》
◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 07/28(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館
    「聖徳太子(多利思北孤)と九州王朝①」 講師:正木 裕さん
 08/18(火) 13:00~17:00 会場:奈良県立図書情報館
    日本書紀完成1300年記念講演会
    「『日本書紀』に息づく九州王朝」 講師:古賀達也
    「箸墓古墳の本当の姿」 講師:大原重雄さん
    「吉野行幸の謎を解く」 講師:満田正賢さん
    「壬申の乱の八つの謎」 講師:服部静尚さん
    「『海幸・山幸神話』と『隼人』の反乱」講師:正木 裕さん
 09/29(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館
    「聖徳太子(多利思北孤)と九州王朝②」 講師:正木 裕さん

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール 近鉄八尾駅から徒歩5分 資料代500円
 08/01(土) 14:00~16:30 ①「倭の五王」を経て、倭国の独立 ②「聖徳太子と十七条憲法」 講師:服部静尚さん
 09/12(土) 14:00~16:30 ①「九州王朝」と「倭国年号」の世界 ②「盗まれた天皇陵」 講師:服部静尚さん

◆水曜研究会 会場:豊中倶楽部自治会館
 07/29(水) 13:00~17:00


第2170話 2020/06/20

「倭」の名を悪(にく)んだ王朝

 本日、四ヶ月ぶりに「古田史学の会」関西例会が開催されました。司会の西村秀己さん(古田史学の会・全国世話人、高松市)はコロナ禍の影響により参加できないとのことで、正木裕さん(古田史学の会・事務局長)が進行を担当されました。皆さんの元気なお顔を久しぶりに拝見でき、とても嬉しく思いました。インターネットやFACEBOOKを見て初参加された方も数名おられ、論議も活発になされました。なお、7月もドーンセンターで開催します。
 今回も意表を突いた仮説や半信半疑の面白い仮説、なかなか決着がつかない論議など、今まで以上に関西例会らしい学問的刺激に満ちた例会となりました。中でも「なるほど」と思ったのが、『新唐書』の記事にある「咸亨元年(670)―倭の名を悪(にく)み更め日本と号」した国は大和朝廷ではないという服部さんの指摘でした。大和朝廷は自らの都をおいた本拠地(奈良県)の地名「やまと」に「倭」「大倭」の字を当てており、天武や持統らは「倭」の字を忌避していないとされたのです。言われてみれば「目から鱗」の指摘でした。その上で、咸亨元年(670)に国号を日本に変更したのは近江朝にいた九州王朝の天子とそれを補佐する天智とされました。
 服部説の登場により、七世紀後半の倭国内の権力状況がいかなるものであったのか、諸仮説が少しずつ同方向に収斂しているように感じました。
 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔6月度関西例会の内容〕
①天武天皇は筑紫都督倭王だった(八尾市・服部静尚)
②半熟卵と半殺し(大山崎町・大原重雄)
③宇佐八幡宮をめぐる諸問題について(茨木市・満田正賢)
④「女王国より以北」の論理(姫路市・野田利郎)
王の都の位置の諸問題(神戸市・谷本 茂)
⑥『隋書』国伝を考える(その4)(京都市・岡下英男)
⑦九州王朝と大和政権の関係について(たつの市・日野智貴)
⑧九州王朝説と乙巳の変(川西市・正木 裕)
⑨北魏孝文帝も「周制(短尺系)に復帰」した(川西市・正木 裕)

◆「古田史学の会」関西例会(第三土曜日開催) 参加費500円
 07/18 10:00~17:00 会場:ドーンセンター

《各講演会・研究会のご案内》

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 06/23(火) 10:00~12:00 (会場:奈良県立図書情報館)
    「古代の疫病と九州王朝の対外戦争」 講師:正木 裕さん。
 07/28(火) 13:00~17:00 (会場:奈良県立図書情報館)
    「聖徳太子(多利思北孤)と九州王朝①」 講師:正木 裕さん。
 08/18(火) 13:00~17:00 (会場:奈良県立図書情報館)
    日本書紀完成1300年記念講演会
    「『日本書紀』に息づく九州王朝」講師:古賀達也
    「箸墓古墳の本当の姿」講師:大原重雄さん
    「吉野行幸の謎を解く」講師:満田正賢さん
    「壬申の乱の八つの謎」講師:服部静尚さん
    「『海幸・山幸神話』と『隼人』の反乱」講師:正木 裕さん
 09/29(火) 13:00~17:00 (会場:奈良県立図書情報館)
    「聖徳太子(多利思北孤)と九州王朝②」 講師:正木 裕さん。

◆「古代史講演会in八尾」(会場:八尾市文化会館プリズムホール 近鉄八尾駅から徒歩5分) 参加費500円
 09/12(土) 14:00~16:30  ①「九州王朝」と「倭国年号」の世界 ②「盗まれた天皇陵」 講師:服部静尚さん。