『集韻』
府立図書館に行った目的は二つ。一つは『古代に真実を求めて』14集を寄贈すること。もう一つは、中国語の音韻書『集韻』を調査することでした。現在、 倭人伝の固有名詞(国名・人名)の研究のため、古代中国語音韻の勉強をしていますが、その必要性から『集韻』を調べに行ったのです。幸い、府立図書館には 『集韻』の表音表記(「反切」と呼ばれる)のみを抜粋整理した『集韻切韻譜』(佐々木猛編)がありましたので、短時間で調べることができました。
わが国へは様々な文物が中国から渡来してきましたが、その中でも特筆して感謝すべきものが「漢字」だったのではないかと思っています。日本の文化はこの漢字を受け入れ、独自の発展進化(仮名)も行い、新たな日本文化を築き上げてきました。そうした意味からも、イデオロギーや国家間の利害とは別に真実の学 問交流(多元史観による)を行いたいものです。